母へ
母が亡くなった。
亡くなった母にも会ったし、今週、見送ってきた。
それなのに、突然で全く実感がない。
私はこの現実を受け入れられるのか。
思えば
心のどこかで憎んだり愛したり、母との距離感はわからないままで、かなり私は影響された。
私が実家を離れてから、ようやく依存も離れられた。
先月、入院した、と聞かされた時は気が動転した。
熱が下がらず、救急車で運ばれたと。
ワクチン一回目を打ってちょっとしてからだ。
解熱剤も、持病の薬も効かなくなり、意識不明になったと。
そして、お医者さん看護師さんのおかげで、元気に復活した。
さらに、二度目のワクチンを、入院中に予約し、退院早々に接種。
何でそんなにこだわるのか、疑問だった。
直後から、また体調が悪くなった。
明らかに体の中で異変があったようだ。
しかしワクチンに関しては微塵も疑わず、当の本人は、熱中症には気をつけていたようだ。
少し話せるかなと思って電話をかけた。
時間は夜の8:30頃。
もう寝ていたようで、電話口で「緊急じゃないのか」「電話の時間が遅い」「この電話で起こされた」「おかげでもう寝られなくなった」と怒られ、キレられた。
私はごめんなさい、すみませんを繰り返し、それでも怒り続けていたので、電話を切った後に泣いた。大泣きした。それが亡くなる10日前。
こうやって、人格否定のようなことを言い、私を傷つける存在でもあったなぁと久しぶりに思い出した。
そして、3日後に、何くわなかったように、いつもの電話をした。
母のレシピを真似て、ゴーヤのカレーを作ったこと、その他たわいもない話。笑って話せた。
それが最後。
「もう眠いから切るわ」と。
最後に話せて良かった。
怒られて、仲直りして、母と娘を存分に味わった。
みんなから最後に会えなかったことを同情されたけど、帰って来るな、というのは彼女の意思。
だから、ずっと会えていなかったけど、私は後悔していない。
親孝行は? できたかわからないけど、
「親より先に逝くな。親より長生きしろ。それが最大の親孝行」
って母は昔から言ってた。
だから、それはできたかな。
これからたくさん思い出して、泣く日があるんだろう。
また話しかけたくなる時が、やって来るんだろう。
泣いても泣いても、この悲しみは乗り越えて行かなければならない。
その度に心の中で思い出して、話しかけるから。
あの笑顔で笑ってね。