イヤイヤ期の子どもに伝える
質問です。
休日の朝、夫または妻に
「急に出勤することになった」
と言われたら、どう反応しますか?
内心いらだちながらも
「がんばって」
「家のことは大丈夫」
と送り出されるでしょうか。
では、平日の朝、
「休みを取ったからディズニーランドに行こう」
と言われたらどうでしょう?
どんなにディズニーランドが好きな方でも
「えー!」
「今から?」
驚きと戸惑いと、
もしかしたら
怒りのような感情が沸いてきて、
すぐに楽しい気持ちにはなれないのでは
ないでしょうか?
小さなお子さんのイヤイヤは、
このような気持ちの反応であることが多いのです。
イヤイヤは
「想定外」に対する驚き・戸惑い・怒り
1歳半を過ぎるくらいから、
子どもは
「世の中で生きていくための順序やルール」
を一生懸命覚え始めます。
例えば、
「これは僕のもの」
「これはパパのもの」
「これはママのもの」
なぜ必死に覚えるかと言うと、
世の中には
触って良いものと
触って叱られるものがあるからです。
僕のもの=触って良い
パパやママのもの(パソコン、刃物など)
=触っちゃダメ
このように日常生活の中のルールを
覚えていきます。
ですから、こんなことが起こります。
ある日の朝食、
パパがコーヒーを飲んだ瞬間に
2歳の息子さんが
激おこ→ギャン泣き。。。
なぜでしょうか?
例えば、
それは、パパがママのコーヒーカップで飲んだからです。
2歳児にとって
明確なルール違反💢
想定外の出来事
が起こったのです。
または、こんなこともあります。
平日は毎朝近くの保育園へ通うお子さん。
その日はママがお休みなので
公園へ行くことにしました。
保育園へ通じる曲がり角を曲がらずに直進した瞬間、
激おこ→ギャン泣き。。。
「どうして?」
「公園好きでしょ?」
「ママとずっと一緒だよ?」
公園大好きです。
ママと一緒にいたいです。
でも、2歳児にとって、
いつも行く保育園に行かずに公園に向かうことは
完全なルール違反💢
想定外の出来事
です。
このように、
経験の少ない
小さなお子さんたちにとって
毎日の生活は想定外の出来事の連続
と言っても過言ではありません。
心の成長とは
想定外の出来事を何度も経験し、
気持ちの切り替えや立て直しができるようになる
過程と言っても良いかもしれません。
日々の生活で、
なるべく、
驚きや不安を少なくしてあげると
親子ともに
イヤイヤ期を少し楽に乗り越えることができます。
驚きや不安を軽減する一つの方法は
次に起こる出来事について
予め伝えることです。
予告が大切
経験が少ない小さいお子さんこそ、
心の準備が必要です。
例え1歳児でも、
翌日の予定がイレギュラーな時は
前日から伝えます。
「明日は保育園に行かないよ。
ママと公園に行こうね。」
何が起こるか
具体的にはイメージできなくても
明日はいつもと違うんだ、
という雰囲気は伝わります。
想定外が連続すると
イヤイヤも連続してしまうので、
保育園に行かないこと以外は
なるべく普段通りにします。
つまり、
起床や朝食の時間などは日常通りにします。
朝、いつも通りに起こしたら、
「今日はママお休みだよ。
保育園に行かないよ。
ご飯食べたら公園に行こうね」
などと伝えます。
朝食の後も、
出かける時も、
「保育園に行かないよ。
ママと公園に行こうね。」
と語りかけます。
何度も何度も、
分かりやすい言葉で語りかけることが
ポイントです。
もしかしたら、
それでもイヤイヤするかもしれません。
でも、
お子さんにとっての想定外を
いつも気づかってあげることで
日々のトラブルを
少し減らすことができるかもしれません。
伝えるときは○か✖︎を分かりやすく
短い言葉で
イヤイヤ期くらいのお子さんは、
常に世の中のルールとぶつかり、
それを覚えながら生活しています。
やりたいこと
をできるだけやらせてあげたいですが、
危険なこと、
電子機器や重要書類をいじることなどは
やってはいけないことだと
伝えなければなりません。
やって良いことなのか、
やってはいけないことなのかは、
大人の反応をみて学びます。
例えば、
お子さんが車道に向かって歩こうとした時、
周囲の大人はどのように反応するでしょうか?
「ダメ!」
と必死に止めるはずです。
この反応によって、
お子さんは車道に出ては行けないことを
学びます。
決して、
車に引かれる可能性があるので危ないのだ
と理解して覚えるわけではありません。
ですから、
小さなお子さんにしてはいけないことを
教えるときには、
「ダメだよ」
「いけません」
一言で、静かに、真面目な顔をして伝えます。
怒鳴らない方が良いです。
びっくりして泣いてしまったら、
「大丈夫だよ。
危ないから、もうしないでね。」
と抱き寄せて優しく語りかけます。
正しいことを教えてあげたのですから、
「ごめんね」
と謝る必要はありません。
その代わり、
「絵本読もうか」
「おやつ食べようか」
と、気持ちが切り替わることを提案します。
きちんと伝えずに黙認していると
「して良い」ことだと学んでしまうので
注意が必要です。
一度、「して良い」と学んだ後で
ダメと言われることは、
子どもにとってルール違反ですから
イヤイヤの原因となります。
一方、
どんどんできるようになって欲しい
良い行動には頻繁に声かけをします。
「すごいね」
「じょうずね」
褒めるだけでなく、
「できてるよ」
「オーケー!」
間違っていないと伝えることも
効果的です。
これで合っている
こうしていて大丈夫
というメッセージをたくさんもらうと
子どもの自己肯定感は大きく育ちます。
大人がブレない
イヤイヤの多くは
お子さんがやりたいことや学んだことと
実際の状況とのギャップ
によって起こります。
ですから、
イヤイヤのトラブルを避けるために
大人もできるだけブレないように
しなければなりません。
例えば、
パソコンを触っていたので注意をしたら
泣かれて大変だった
というようなエピソードがよくあります。
このようなケースでは、
実は以前
パソコンで一緒に遊んだことが
あったりするものです。
勝手に触られると困るものは、
例え一緒にいる時でも
触ってはいけないと教えておいた方が
トラブルを少なくできます。
パパと一緒ならやっても良い、とか
ママの許可が出たらやっても良い、など
複雑な状況判断ができるようになるのは
もっと大きくなってからです。
ですから、
小さいうちは
オーケー ○
ダメ ✖️
できるだけ単純にルール化して伝えると効果的です。
まとめ
イヤイヤ期のお子さんに伝えるコツは
① 何度も予告
② 簡単な言葉とルール
③ 大人がブレない
です。
長文になってしまいましたが、
ここでお話ししたことは、
実は、小学生や思春期のお子さん、
さらには大人同士の
コミュニケーションを円滑にする
ヒントでもあります。
この後、小学生編、思春期編と続く予定です。