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『工場』

『工場』小山田浩子
新潮新人賞、織田作之助賞とW受賞の一冊。
「工場」「ディスカス忌」「いこぼれのむし」の短編3話構成。
本のタイトルでもある「工場」では1つの街に匹敵する巨大な工場で働く人々の話なのだが、仕事の内容はというと、書類破棄、書類の赤字入れ、さらにコケ探しなど。働き手はこの仕事に意味があるのか疑問に思いながらも日々を過ごしていく。もちろん給料は貰えるし、生活は安定しているのだが、なんだかパッとしないのだ。
思考停止状態で働いた人々の末路は〇〇に変わり果ててしまう。
自分なりの解釈になってしまうが、仕事にはやりがいや他者への貢献が大切なんだと感じた。登場人物達のような、なんの意味があるかわからないことをし続けていると、人はやがて思考停止に陥るのだ。人生の1/3位は仕事に時間が割かれるわけだから、やりがいを持てる仕事をしていたいものである。
その他の2作品の登場人物にも、似たような虚無感が漂い、同じような作風が感じ取られる。
どんでん返しがあるようなスッキリする作品ではないが、現代の日本や今の自分に対して、非常に考えさせられる一冊だった。

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