ここに来れば大丈夫。そう思ってもらえるような場所でありたい【まちのこベースひたちなか】
いつも仲良くしていたお友達がなんだか今日は冷たい気がする。学校の勉強が急に難しくなった。パパやママはお仕事忙しそうだな。話したいけど、心配かけたくないから、やめておこう。我慢すれば済むんだし。
学校やおうちでの日々。勉強のこと、友達のこと、思春期の子どもたちにとっては、大人になったらなんて事のない些細なことでも、ちょっとしたことが気になってしまったり、うまくできなかったり、気持ちを整理できなかったり。
大人の社会で必要と言われている「サードプレイス」。自宅でも職場でもない、居心地のいい「第三の場所」のことで、アメリカの社会学者であるレイ・オルデンバーグ氏が、1989年に著書『ザ・グレート・グッド・プレイス(The Great Good Place)』の中で提唱したもの。
それは大人だけではなく、子どもにも必要な場所であると言われるようになり、近年ではそうした「子どもの居場所」づくりが広がっています。そんな中で、私たちまちのこ団も「まちのこベース」という拠点式あそび場を設け、子どもの居場所をつくっています。
今回は、拠点式あそび場のひとつ「まちのこベースひたちなか」の紹介です。
近隣の学校から徒歩5分「まちのこベースひたちなか」
月曜日。午後13時。
「こんにちは~」
子どもたちがパラパラと集まり始め、思い思いにあそびはじめました。
場所は、茨城県ひたちなか市にある「ひたちなか子どもふれあい館」
近隣のコミュニティセンターから徒歩3分、中学校からは徒歩5分という立地で、地元の自治会を中心に、子ども会育成会・高齢者クラブ・市民団体等が管理運営をしています。
保育所の統廃合で廃園となった旧市毛保育所の建物を利活用し、子どもたちのあそび場としての開放や、未就学児の親子サロンなどが様々なボランティアグループや団体による教室などが開催されています。
(「ひたちなか子どもふれあい館」について:https://www.city.hitachinaka.lg.jp/smile_smile/mokuteki/1005178/1006454/1005274.html)
男の子5人、女の子5人。個性豊かな10人
「まちのこベースひたちなか」は、現在は、事前に登録している子どもたちが利用できる仕組みになっています。
この日は、男の子5人、女の子5人が思い思いに過ごしていました。学校が同じ子も違う子も、初期の頃から利用してくれている子も、最近あたらしく来てくれるようになった子もいます。
この日は暑かったので、主に室内でボードゲームやカードゲームをやったり、隣にある卓球場で遊んだり、夕方に少しだけ外遊びをしたりして過ごしました。
「大富豪やろうぜ!おれ毎日ゲームでやってるから強いんだぜ」と言いつつ、平民あがりでも大喜びの男の子がいたり、きっと本当は仲良くしたいんだけれど、自分をうまく表現できなくて友達にちょっと強く当たっちゃう女の子がいたり。
学校やおうちではなかなかうまくいかないことがあったとしても、ここで遊んでいる時間だけは何からも自由であってほしい。のびのびと過ごしてほしい。
みんなの背中を眺めながら、そんなことを考えていました。
「放課後のみんたま(みんなのたまり場)」の1事業所
「まちのこベースひたちなか」は、ひたちなか市子ども政策課が管轄の委託事業「放課後のみんたま(みんなのたまり場)」 のうちの1事業所として活動しています。
「放課後のみんたま(みんなのたまり場)」は、ひたちなか市内の公立学童の対象学年が小学校4年生までのため、5・6年生の放課後の居場所がないという課題から、2019年に現市長が導入したものです。(※2021年からは公立学童も全学年受け入れに変更)
まちのこ団は、もともと拠点式の居場所を設けていきたいと思っていたことと、まちのこ団団長・増田の地元であるひたちなか市により貢献したいという思いがあり、「放課後のみんたま(みんなのたまり場)」に応募しました。
増田の出身地域(勝田二中学区)を中心に場所を探し、「ひたちなか子どもふれあい館」とのご縁をいただき、2021年6月から月2回程度運営しています。
まだまだ運営には手探りな部分も多いですが、子どもたちにとっての居場所になれるよう、続けていきたいと思っています。
(文・写真/サトウミキ)