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【学生インターンレポ】まっつんの能登出張
みなさんこんにちは!学生インターンのまっつんです!
ついに12月に突入し、2024年も残り1ヶ月を切りましたね。
さて、今回は2024年9月17日(火)〜9月20日(金)「まっつんの能登出張」についてお伝えしていきます!
なぜ「能登出張」?
2024年の元日、マグニチュード7.6、最大震度7の未曾有の大地震が能登半島を襲いました。倒壊した家屋や断水、停電など、人々の生活は一変し、特に子どもたちは、慣れ親しんだ家や学校、公園などのあそび場を失い、心身共に大きなストレスを抱えていました。そんな子どもたちに少しでも笑顔を届け、心のケアをしたい。そんな思いから、わたしたちまちのこ団は移動式あそび場全国ネットワーク(MPN)を中心とした子どものあそび・居場所支援のコンソーシアムを組み、2月から数か月に1度の頻度で能登の地へと足を運び始めました。
9月に行った第4次支援となる今回は、まちのこ団からわたし、まっつんが現地で活動する一般社団法人SSK(MPNの所属団体の一つ)のひーろー(佐藤広崇さん)と、被災した各地の子どもたちのもとへあそび場を届けに行きました。あそび場支援活動を通して、子どもたちの心の傷を癒し、地域の復旧・復興の一助と少しでもなれたらという思いでした。
《まっつんの出張スケジュール》
1日目 07:40-14:00 移動(茨城→石川)
2日目 16:00-18:00 正院小学校で放課後支援@珠洲市
3日目 15:00-18:00 能登コミュニティセンターで放課後支援@七尾市
4日目 12:30-18:00 フリースクールひたなぼっこ(小丸山コミュニティハウス喜楽々)であそび場@七尾市
5日目 12:30-16:00 地域サポートハウス楽生(らっきぃー)で移動式あそび場@羽咋市
18:00-22:00 移動(石川→茨城)
基本的に、毎週定期的に行うあそび場に同行する形での活動となりました。
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活動記録
2日目、能登出張での最初の活動は、珠洲市の正院小学校での放課後あそび支援でした。体育館、プレイルームはあっという間に子どもたちの笑顔があふれるあそび場に。ボードゲームや鬼ごっこをする楽しそうな声、友達と相談しながら宿題をする姿。子どもたちのとても元気いっぱいな声が弾む、そんな温かい時間となりました。
初日の活動で少し緊張していたけれど、子どもたちの明るい笑顔は、そんな緊張をほぐしてくれました。年齢関係なく思い思いにあそぶ姿に、みんなの絆を感じました。
高学年のこどもが、低学年の子に寄り添い、一緒に遊んでいる…そのような温かい光景がみられる場を守るこの活動の大切さを改めて感じました。
3日目、七尾市の能登コミュニティセンターでの放課後支援は、2日目とはまた違った賑やかさでした。約25人の小学生が集まり、主に和室と芝生をあそび場として、年齢を問わず楽しそうに過ごしていました。
しかし、その賑やかさの裏で、わたしは少し戸惑いを感じていました。もともと内向的な性格のわたしは、多くの子どもたちと同時にコミュニケーションをとることが難しく、思うように活動を進められないことに焦りを感じていました。
そのため、全体を俯瞰してみてみることを心がけてみたり、ひーろーや他の人と全くおなじように動くのではなく、わたしと同じように少し内向的な子と一緒に遊んでみたり…と自分なりに工夫をしながらの活動となりました。
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4日目、七尾市のフリースクールひなたぼっこでは、みんなでお昼を一緒に食べました。年長の子を中心に会場のセッティングを行い、あっという間に準備を整えていきました。とんかつ、コールスローサラダ、豚汁。食卓をみんなで囲みました。食器は輪島塗であるということを子どもたちに教えてもらいました。
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その後、小丸山コミュニティハウス喜楽々へ移動し、あそび場を展開しました。今回は段ボール工作がメイン。みんなが思い思いの作品を作り上げていく中、印象的だったのは何人かの子どもたちが協力して役割分担をして作り上げた大きなダンボールの建築物です。
最初は小さな段ボールを重ねていたものが、みるみるうちに部屋の3分の1を占めるほどの大きなドームへと変貌を遂げ、「MHKAハウス」と名付けられました。これは、作成したメンバーの頭文字をとったものです。屋根や窓、ポストなど細かな装飾も加えるなどしていると、あっという間に時間は過ぎていきました。その中で、好きなものや興味のあること、悩みなどを知ることになりました。
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結局、時間の関係で「MHKAハウス」は完成には至りませんでしたが、段ボール工作は翌週以降の活動でもやってほしい!と子どもたちから希望が出るほど、大人気となっていました。
5日目、ラストは羽咋市の地域サポートハウス楽生(らっきぃ~)での活動です。その前に、同じく一般社団法人つながりが運営するカフェである「るるるん・ち」でお昼ごはんの日替わり定食を食べました。そこでは障害をもつメンバーの皆さんが生き生きと働いており、店内はとても明るい雰囲気でした。
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その後、楽生に戻り移動式あそび場を展開。楽生に通う人々や、学校終わりの子どもたちがあそびにきてくれました。特に、能登半島専用プレイカー「ひょっこりじんべい号」の滑り台は子どもたちに大人気。予想以上の急傾斜に最初は戸惑っていた子も、一度滑るとそのスリルや爽快感に夢中になり、何度も何度も滑り降りていました。
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道あそびやジェンガも好評で、みんなで一緒に楽しそうにあそんでいました。印象に残っているのは、田んぼの近くでザリガニ釣りをしたことです。網を使って器用にすくい上げ、捕まえていきます。とても上手な子が捕まえ方を他の子に教えてあげるといった場面も見られました。
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今回の出張を通して
能登での4泊5日は、私にとって忘れられない貴重な経験となりました。
子どもたちの笑顔、地域の方々の温かさ、被災地の現状、そして能登の魅力。
あそび場支援では、子どもたちの想像力や協力する心などを育むことや、心の癒しになっていることを実感しました。一方で、被災地の現状は衝撃的なものでした。
あそび場の時間以外は、被災地や観光地の視察をしたのですが、建物が傾き、マンホールが飛び出て、道路は割れている。災害の爪痕は深く、能登半島地震は過去のものではないという現実を、改めて突きつけられました。
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(Pマンホール)
それまでは「元旦に地震があったな」くらいの認識でしたが、訪れて、そこに暮らす人々と交流し、その印象がガラッと変わりました。被災地の現状をもっと多くの人に知ってもらい、支援の輪を広めていきたい、という気持ちが一層強くなりました。
能登の地が少しでも早く復旧・復興し、活気ある社会を取り戻すにはどうしたらいいのか。多くの人を誘致し、能登を好きになってもらうにはどうしたらよいのか、そのような話をすることがありました。その中で、復興支援の輪、能登の魅力を広めたいと思ったきっかけになったように、現地に直接足を運ぶことの重要性を改めて感じました。
ニュースで流れるような能登の厳しい現状だけではなく、そこで暮らす人々の努力や、能登ならではの「里山里海」の豊かな文化にふれることができました。美味しい海の幸や山の幸、美しい自然やパワースポットのような観光地など、たくさんの魅力がありますが、行ってみなければわからなかったものも多くあります。
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今後も自分なりの形で能登を応援し続けたいと思います。能登がさらに活気を取り戻し、より多くの人に愛される場所になることを願っています。
(写真・文=まちのこ団)