朝9時から夜8時までのウクレレ教室です。
たまプラーザ、ずっとご縁をいただく街で、ウクレレ教室を始めて5月で8周年を迎えました。
一番最初のたまプラーザとのご縁は夏祭りです。まだ20代のころ、夏祭りの日に「シルバーウィングス」っていうライブバーで演奏をしていたハワイのミュージシャンに飛び込み演奏に誘ってもらって、気に入ってもらったんです。それからシルバーウィングスで定期的に演奏させていただいてっていうのがスタートでした。その流れで自然とウクレレと出会うことになったんです。
僕は音楽大学でジャズギターを専攻していたんですが、ウクレレでジャズをやられる日系ハワイアンの世界的な奏者を知って、ウクレレを本格的に始めました。しばらくしてその店がクローズされることになって最後のライブ出演の演奏後、よく来てくださっていた方が「近くに友だちがジャズバー出したから行ってくる。片付けが終わった後、よかったらおいで、紹介してあげるから」ってことで「ロリンズ」を紹介していただきました。その後1カ月も空くことなくライブを毎月やらせてもらっていたという、すごく運のいいタイミングでご縁がつながってきているんですよね。それで、そのお店の空き時間でウクレレ教室をスタートして、さらにその数年後、他の場所を探していたとき、ここをお借りすることができてあっという間の3年目。朝9時から夜8時までのウクレレ教室です。
ジャンルはまずハワイアン、それから歌謡曲、ジャズ、タンゴもやりますし、ボサノバやクラシック、さらに演歌もできますので、いろんなジャンルの音楽をウクレレっていう気軽に始められる楽器で楽しみませんか? って感じです。音楽を楽しむのに知ってると便利なことがいくつかあって、曲を練習しながらその要素をお伝えする、っていうレッスン内容なんですけど、それを意識していただいた途端に調和のとれた音楽を奏でられるときがあって、一体感というか、まあそういうものを共有していただける瞬間があるんです。そういう演奏ができたときっていうのは、全員がいい演奏ができた、気持ちよかった、そういう思いを感じていただけるんですよね。奇跡、というとちょっと大げさかもしれないですけど、その音がこの空間に、この壁に染み込んでる。そういうことで思い入れっていうのでしょうか、この場所は特別ですね。
ウクレレ教室を始めたときは、町の音楽屋さんみたいな風になれたらいいなって思ってたんですよね。八百屋さんみたいな感じで。音楽ってイベントのときに欠かせなかったりするんだけど、どこかに演奏を頼むっていっても、なかなか難しかったりすると思うんですよね。その窓口になるというか。それに曲にしても、結局、街の人間が作ってしまえれば話が早いですよね。これまで僕が作ったのは2曲ありまして、「たまプラーザソング」と「ハロウィンの歌」で、皆さんで音楽を楽しんでいただけるようなところでお役に立てたらなーっていう思いです。
そもそもは東日本大震災の後、もう自分たちで世の中を良くしていかなきゃいけないっていう、そんな思いが湧いてきまして、僕にできるのは街のウクレレ教室っていう活動だなってことになったんです。たまプラーザで活動をされてる方々を見ていると、ああこの思いは自分一人じゃないんだなって思うし、そうすると自分も頑張ろうって思えます。今コロナで人と人の距離が離れてしまう傾向にあるので、音楽で一体感を感じて少しでも楽しい時間を過ごしてもらうことが、今の僕にできることなんじゃないかなと思っています。
たまプラーザは「次世代郊外まちづくり」のモデル地域になっていて、やっぱりひとつモデルとなるような成功例を作ることで、いろんなところに貢献できるっていうのもあるんじゃないかと思います。たまプラーザはこのまま、もう年齢も立場も超えて横でつながりあって、お互いに助け合いながら街を明るくしていくっていう流れを作っていけたらいいんだと思います。そういうのを作れる街なんじゃないかなって感じていますし、そこに音楽で少しでも貢献できたらなって思っています。
インタビュー:2021年 夏
このおはなしは2021年No.008号に収録されています。
この度、2014年から発行を続けてきた冊子「街のはなし」1号〜9号を1冊の書籍にまとめることになり、クラウドファンディングを始めました。
シンカブル(Syncable)からご寄付いただけます。
昭和のニュータウンの温故知新。
住民のまちづくりの努力の蓄積と街の成り立ちを共有したい。
100人のナラティブ・地域の変遷と社会の変化を伝える 記憶を記録する本
たまプラーザ「街のはなし」書籍化プロジェクト
すでにご寄付をいただいている方には、御礼申し上げます。とても励まされております。そして、これまでご協力・応援してくださったみなさまにも、オンラインの寄付を通して、書籍化プロジェクトの仲間になっていただけたら嬉しいです。
街のはなしHPでもこれまでの活動を見れます。www.machinohanashi.com
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企画・文: 谷山恭子
写真:小池美咲
編集・校正: 谷山恭子・藤井本子・伏見学・街のはなし実行委員会
発刊:街のはなし実行委員会
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