震災復興ソング…?
東日本大震災から10年ということで、色々なところでイベントをやったり、特別番組をやったりしてます。復興ソングも作られたりしてますよね。
サンドウィッチマンのオールナイトニッポン、リスナーさんからのメールで泣きそうになりました。芸人さんも、色々な思いを抱えてお仕事しているんですよね。パンサー尾形さんは本当に意外でした。尾形さんを見る目が変わります。
震災復興ソングも色々なところで作られて、少し感動します。
でも、少し違和感があって。
悲しい出来事に歌が作られるって、特殊ですよね?
例えばなにかの事件から立ち直って、前を向いて歩いていこうみたいな歌ってなかなかないですよね。連続殺人事件に関する歌とか皆で歌わないですよね。
思い当たるのは、戦争について歌うもの。
韓国だとセウォル号事件についての歌もありますね。
自分なりに考えて、平和ソングと復興ソングの共通点を探してみました。
1.もととなる出来事について、ほぼ国民全員が知っている。
2.大勢の被害者がいる。
3.亡くなった人と、生き延びた人がいる。
4.関連日に黙祷する。
5.普段はそれについてほとんど忘れている。
まだまだ沢山ありますが、パッと思いつくのはこのくらい。
わたしにも個人的に辛い体験はありますが、歌おうとか思いません。そりゃそうか。作曲センス皆無だったわ。笑
いつまでも記憶があること自体がつらいです。夜中に思い出して怖くて泣きます。ふとした時にフラッシュバックし、もうやめて、と思います。
『嫌われる勇気』を読んでトラウマについて考え、私の記憶が消えないことにもなにか目的があって、あえて忘れないようにしているのかもしれないとは思いました。いつまでも被害者の立場でいたいのかもしれない。誰かの気を引きたいだけかもしれない。その人を否定したいだけかもしれない。
でもそれを差し置いても、悲惨な出来事を忘れないように忘れないように、定期的に振り返ることに違和感もあったのです。もう忘れたい、あの日から自由になりたい、という人もいるんじゃないでしょうか??
復興ソングを歌うことを否定してはいません。
ただ、悲しい出来事を歌うのって特殊だよなぁ、と思っただけです。
そこで考えたのが次のこと。
1.悲しいだけの出来事ではない。実は学ぶことの方が大きい
2.忘れないようにすることが、自分たちの身を守ることにつながる。つまり振り返るメリットがある
3.その歌が誰かのメシになっている
4.生き残った人にできることのうち大事なのが、祈ること。歌うことが祈ることになる(被害者や、平穏な日常が続くことへの祈り)
5.そのくらい大きな出来事じゃないと、歌われない
なにはともあれ、平和が1番です。
誰かがいなくなって思い出すのは、その人の残した功績とかじゃなく、日常のふとした一瞬。
一緒にてんとう虫を探したときや、音楽をスピーカーで一緒に聞いた時や、「いいな、幼なじみとか久々に聞いたわ」って言った時の横顔とか。
そんな一瞬一瞬をちゃんと拾いながら歩いていきたいと思います。