ズタズタ

チョキチョキチョキ
セピア色を切り抜いて
作った私の玩具箱
モノクロ世界を断つ銀は
私のこころを色づけて

くるりくるりと踊りましょう
私とあなたで二人きり
はらりはらりと降りそそぐ
紙吹雪を浴び踊りましょう

ごめんね、痛いんだ。

セピア色からあなたが消えた
言葉を残してあなたが消えた
ひとりぼっちの紙人形は
紙吹雪にただ埋もれゆく

切っていたのはセピアじゃなくて
熱い、熱い、あなたのこころ
降りそそいだ紙吹雪は
赤く、赤く、染まりゆく

ざくりざくりと切り刻む
みにくいみにくい私の身体
ゆがんだ世界もズタズタに
切り刻んでしまいましょう

形も何もわからない
銀でえぐったぐちゃぐちゃの
冷たいはずのこころから
流れ出たのは赤い色
あの子と同じ赤い色


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現代詩賞に応募していいとこまで行ったやつ。

持っていく場所によって評価が180度変わる妙な一作です。


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