初めての公共FM入門講座の「なぜ」
開催概要
既に募集開始となっていますが、2023年11月22日にまちみらい主催の「初めての公共FM入門講座」を小田原で開催します。
今回のセミナーは、8月に草加市で開催した公共FMフェスのスピンオフ企画として、リアルな現場で何が起きているのか、それにどう立ち向かっているのか等をSlidoも併用して双方向型で考えるリアルな場です。
他では絶対味わえない、再現性の絶対ない場なのでぜひご参加をお願いします。
そして、いろいろとご意見もいただいていることからこのnoteで整理しておきたいと思います。
いろんな「なぜ」
なぜ「入門講座」なのか
現在、多くの公共施設マネジメントやPPP/PFI関連のセミナーが行われていますが、コロナ禍以降にオンライン配信が一般的になったこともあり「簡単に」セミナーを開催することが可能になりました。同時に「簡単に」参加できる環境も整っています。
機会が広がることは良いことかもしれないですが、残念ながらレベルが低いものがあまりにも多いと感じています。
拙著「PPP/PFIに取り組むときに最初に読む本」でもしつこく取り上げたように、ザ・公共施設マネジメントやザ・PPP/PFIはリアリティがないことが明確になっています。
にも関わらず現在開催されているセミナーの多くは、未だにコンサルや学識が総量縮減一本足打法のザ・公共施設マネジメント(や自社システム)を語るもの、行政担当者が二次元の計画をドヤ顔しているもの、割賦払いに限りなく近いPFI法に基づくPFIによるハコモノ整備事業を優良事例として紹介するもの。。。数えればキリがありません。
紹介される事例も圧倒的に古かったり、何年も前に異動して公共施設マネジメントやPPP/PFIから離れている行政の担当者が出てきて(コロナ前の)過去の事例を紹介したり。。。
国、コンサル、地域金融機関が開催するなんちゃってサウンディングを主とした地域プラットフォームも、案件の精度も低ければ行政の覚悟・決断・行動もいまいちだったり、そこに参加する事業者も旧来型の人たちばかりだったり。。。
今回の「入門講座」では現場で一体何が起こっているのか、非合理的な社会である行政の闇、そのようななかでどうやって自分たちらしく試行錯誤しているのか、そうしたことを登壇者の方々の講演と共にSlidoを併用して会場参加型で考えていきたいと思います。
教科書型のザ・公共施設マネジメントやザ・PPP/PFIとは本質が全く異なるリアルな現場を、国・学識経験者・コンサルが机上で考えた理論や既成概念を排除してゼロベースで考えていく、そのような意味で「入門講座」と銘打っています。
なぜ「この登壇者」なのか
今回ご登壇いただく4名は、いずれも現在、公共施設マネジメントやPPP/PFIの担当者として現場でもがきながらも自分たちらしく活躍しています。
それぞれの自治体にはいろんな形で関わらせていただきましたが、困難な状況下でもとにかくいろんなことを考え、地域コンテンツ・地域プレーヤーともリンクしながらリアルに生きている方々で、確信を持って選定しています。
「うちのまちは小さいから(大きいから)」と言い訳する自治体担当者も多いですが、今回ご登壇いただくメンバーは県庁所在地の富山市(407千人)、地方都市の中心部のいわき市(321千人)、上田市(153千人)、射水市(91千人)と状況は異なりますが、決して言い訳することはありません。
決して最初から庁内・まち・財政等の環境が整っているわけではないですが、そうしたことを与条件として受け入れながら、自分たちのまちに向き合っています。
例えば富山市では、外郭団体の見直し・公共資産に関するデータ整備・緻密な計画作成・丁寧なワークショップ・公共施設の複合化、集約事業等を経て、城址公園でのトライアル・サウンディングや現在進行形のまちとリンクしたプロジェクトへ発展してきています。
射水市でも全国の事例を徹底的に分析しながら北陸初の包括施設管理業務を実施したり、随意契約保証型の民間提案制度では多くのクリエイティブな提案を採択して事業化に向けて歩んでいます。
いわき市・上田市でもまちの課題に対してリアルに取り組んでいます。
まちの規模・公共施設マネジメントの進捗状況等はそれぞれ異なりますが、こうしたリアルな生き方をしている講師陣・まちから学べることは他では絶対に手に入りません。国の文書、表層的な優良事例集、コンサルによる「形」にこだわったセミナー、学識経験者による理論ではない世界をぜひお楽しみください。
なぜ「双方向型」なのか
前回の公共FMフェスでも活用したSlidoを用いて、会場からもリアルタイムでご意見・質問を受け付け、後半の80分を活用したトークセッションを行います。
国の文書をそのままコンサルが読み上げたり、PFI法とは。。。といった教科書的で文字化できる情報や結果論でしかない事業スキームを延々と一方的に「説明」する場では、参加者も「聞くだけ」で終わってしまいます。
講師陣と参加者がリアルタイムで場・情報を共有しながら「その場ならではの・再現性のない・講師陣と参加者に直接的なメリットのある」場をライブならでは形式でお届けします。
なぜ「現地参加のみ」のか
オンライン配信(を併用すること)は簡単なのですが、参加者も「簡単に申し込みができて・他の作業をしながら・瞬間的に」参加できることから、どうしても片手間になってしまいがちです。
前述のように今回は「その場ならではの・再現性のない・講師陣と参加者に直接的なメリットのある」ことをテーマに、他では絶対味わえない場を創っていくことから現地参加のみとしています。
「小田原までの旅費がない、時間調整が難しい、一部だけでオンライン配信してほしい」、こうした声もいただいています。逆に言えば、何らかの工夫をしなければ、そして自らの意思を持たなければ参加できない場です。
だからこそ、LIVE感溢れる双方向性の深いディスカッションが可能になると信じています。
主催者として、こうした想いを持って現地でご参加いただいた方にご満足いただけるよう、抜群な場を用意したいと思いますので、ぜひご期待ください。
なぜ「小田原」なのか
会場の選定にあたり、利便性や集客の容易さも考えて東京都内も選択肢に入っていました(実際に今回の会場である報徳会館と金額面も含めて調整できる施設が見つかっていました)が、やはり「これまでの繋がりのあるところ」でかつ「視察に値するプロジェクトがあること」から小田原市としました。
小田原市は、現在のまちみらいのビジネスモデル(職員が車座になって徹底的なディスカッションからプロジェクトを構築していく形)の原型を作ってくれたまちで、実際に3つの支所を随意契約保証型の民間提案制度を活用して再生したりしています。
このようなキラキラしたプロジェクトを展開する一方で、いろんな面で苦労も絶えない小田原市、そうしたリアルな現場も感じていただければと思います。
なお、今回の入門講座では翌日にオプショナルツアーとして小田原市のご協力をいただいて支所の視察ツアーも実施予定です。
なぜ「投げ銭制」なのか
今回、こうした企画をまちみらい主催で実施するにあたり、それなりのコストがかかっています。最近はこうした本気度の高いセミナーを有料で開催することが多くなってきていますし、有料の方が主催者にとってもプレッシャーがかかると同時に参加者もそれだけのクオリティを当然に求めることとなるので、非常に合理的だとわかっています。
ただ、このnoteで記したように今回の企画は「より多くの行政職員に参加してほしい」「リアリティのない既成概念から脱却するきっかけを作ってほしい」「世の中のレベルの低いセミナーとの違いを知ってほしい」ことから、敢えて行政職員は無料としています。
ただ、この企画にご賛同いただける方、参加いただいて有料の価値があると感じていただいた方、今後もこうした場を求める方々の受け口として「投げ銭制」を採用することとしました。
民間事業者の皆様は有料となっていますが、ビジネスとしてこうした場が役立つと感じていただければ通常の参加料に加えて別途投げ銭を入れていただけば幸いです。あわせてスポンサーも募集していますので、ぜひご協力をお願いします。
いただいた貴重な資金については、(今回の運営資金の一部に活用させていただくだけでなく)次回以降のセミナーの原資に回したいと考えています。
申込
その他_お知らせ
出版案内
2021年に発売した初の単著「PPP/PFIに取り組むときに最初に読む本」は2023.10.22現在5刷を迎えており、多くの方に読んでいただいています。
更に2023.11.17には2冊目の単著となる「実践!PPP/PFIを成功させる本」が同じく学陽書房から出版される予定です。既にAmazon等のサイトでの予約も始まっていますので、ぜひご購読ください。
まちみらい案内
まちみらいでは現場重視・実践至上主義を掲げ自治体の公共施設マネジメント、PPP/PFI、自治体経営、まちづくりのサポートや民間事業者のプロジェクト構築支援などを行っています。
現在、2024年度業務の見積依頼受付中です。
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