日本とアメリカ、クイズ番組の違い
「バラエティ番組」は日本独特のもの
アメリカと日本、同じようで興味深い違いがあるのが、テレビのクイズ番組です。この場合、日本で言うところのバラエティー番組も含まれるのかな。でも、このバラエティー番組、実はとても日本独特なもので、アメリカでは「バラエティ番組」なんていう言葉もなければ、思いあたる番組もないのです。
されはさておき。まずはアメリカの定番のクイズ番組を紹介することにしましょう。果たして、アメリカのクイズ番組と日本のクイズ番組の違いが見えてくるでしょうか?
アメリカを代表する 超ご長寿ゲーム番組 「The Price is Right」
スーパーマーケットやドラッグストアで売っている商品の値段を当てるクイズ&ゲーム番組が「The Price is Right」です。値段を当てる部分はクイズですが、提示されたふたつの値段をスイッチするかしないかを決めたり、制限時間内に数個の商品を安い順位に並べたり、数字の順番を入れ替えたりするなど、誰でもできる簡単なゲームの要素が入っているのが特徴的。商品知識はあるにこしたことはありませんが「運」の割合がかなり大きいので、誰にでもチャンスがあるというかなんというか。オーディションで選ばれた一般人が参加者です。毎回、目玉賞品は車。その他にも、ビリヤード台とかクルーザー、特大のジャグジーやサウナ、バべキューセットなど、商品ラインナップがアメリカっぽいのが、私には面白いところです。番組のスタートは1972年という超ご長寿番組。平日の午前中の放映なので、メインターゲットは主婦やリタイアライフを楽しんでいる高齢者層なのでしょうね。コロナ後は「密」を避けるべくシステムを新たに取り入れて淡々と続いています。
トリビア系 定番クイズ番組「Jeopardy!」
こちらの番組開始は、なんと1964年!毎回、前回の優勝者に新たな回答者2名を加えた3名がクイズに答えます。回答者は一般人。6つのカテゴリーに難易度別の問題(獲得賞金額が違う)5問があって、回答した人がカテゴリーと難易度を選択する形式で進みます。何といってもトリビア性が高いのが特徴的。正直なところ、私にはちょっと難しい。テンポが早いし、日本語だったとしても分からない問題が、英語で読み上げられるわけですから。一方で、子供の頃からトリビア好きでクイズ番組を見まくっていたという、うちの旦那さんは「Jeopardy!」がとても好き。普段からよくテレビに一方的に会話をしている人ですが「Jeopardy!」のときは、一回答者と化しています。
家族対抗 クイズ番組「Family Feud」
番組名通り、回答者は家族単位で、2家族のによる一騎打ち。この番組を見るといつも思い出すのが「クイズ100人に聞きました」という日本の懐かしいクイズ番組。まさにあんな感じです。なぜならば、問題が「アメリカの20代の男性〇〇人に聞いたところ…」と始まり、回答数が多かったものを予想するからです。そっくりじゃん(笑)。調べてみると「Family Feud」の番組開始は1976年。「クイズ100人に聞きました」は1979年。ふむ。ま、いっか。
子供の頃、夢中になって見ていた「クイズ100人に聞きました」では、誰かが回答すると家族のメンバーはもちろん、観客も一緒に「あるあるあるある!」と言うのがお決まりでしたよね。「Family Feud」では、家族が「Good answer! Good answer! 」と言うことがよくあります。ノリは同じ。
時に下ネタも含みますが、アメリカの実際の生活や、アメリカ人の考え方や感じ方、意識がベースとなっているので、アメリカやアメリカ人の生の姿が垣間見られる番組と言えるかもしれませんね。
最近の流行り? 音楽系クイズ番組
最近の流行なのか、我が家のリモコンの操作権を握っている旦那さんの好みなのかはいまいち不明ですが、音楽系のクイズ番組が増えたように感じます。
再生された音楽で、その曲名を教えてくれるスマホアプリの「Shazam」を使った「Beat Shazam」もそのひとつ。簡単に言ってしまうと、イントロを聞いて曲名を当てるものですね。3組の一般人ペアが競い合います。
「Name That Tune」も、同じくイントロを聞いて曲名を当てるものですが、こちらはスタジオに生バンドがいるのが特徴的。一般人2名が競い合います。ピアノのみの始めの数音で曲名を当てるコーナーなどもあって、数多くある音楽系クイズ番組も、それぞれが個性を出そうとしているのが伝わってきます。
そして、最近、頑張っているのが「Don't Forget the Lyrics!」。「歌詞を忘れないで!」というタイトル通り、一般人がカラオケで歌い、空白の一部の歌詞を間違わずに歌うことで、賞金を獲得していくものです。これが出てくる人出てくる人、誰もかれも歌が上手。そんな中において、すっごく音痴な人がいたら面白いのにな、なんて思い、超音痴さんの登場を待ちわびているのは、私だけでしょうか。
クイズ番組に見えてくる国民性
他にもいろいろなクイズ番組がありますが、日本のクイズ番組とアメリカのクイズ番組の違いが見えてきましたか?
それはズバリ回答者。日本のクイズ番組の多くは、お笑い芸人やアイドル、俳優など、いわゆるタレントと呼ばれる人たちが回答席に座っているのではないでしょうか。それに対して、アメリカのクイズ番組の回答者は、ほぼほぼ一般市民。もちろん、番組ごとにオーディションがあるので、誰でも出られるという訳でもありませんが、基本的にアメリカのクイズ番組は、一獲千金を夢見た一般市民のためにあるのです。
時として、特別版で「今日はセレブが挑戦します」みたいなこともありますが、その場合は、賞金ではなくチャリティへの募金が賞金の代わりになります。優勝すると、各セレブが選んだチャリティへ番組から寄付がされることになるのです。なぜそのチャリティを選んだかという裏話も含め、参加セレブの新たな一面が見られるというか、株があがる仕組みとでもいいましょうか。ちなみに、うちの旦那さん曰く「セレブはお金はいらない」そう。それもそうでしょうが、私は、アメリカ人の根底にある「ヒーロー精神」を反映するものもあるのではないかな、と考えます。国民性ですね。
国民性といえば…
こんなジョークを聞いたことがありませんか?
沈みゆく豪華客船タイタニックに、各国の人たちが乗船していました。救命ボートは女性や子供でいっぱいで、船長は男性たちに海に飛び込むように言うしかありません。
イギリス人には「こんなとき、本当の紳士なら飛び込むだろう」
ドイツ人には「規則では飛び込むことになっている」
イタリア人には「飛び込んだら、女の子たちは君にほれぼれするだろう」
そして、アメリカ人にはなんと言ったかというと…
「飛び込んだら、君はヒーローだ!」
あ、日本人は?そうですよね。
日本人には
「他のみんなも飛びこんだから」
ジョークですからね、ジョーク。