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オートフィクション(2014)
はじめて彼女に会ったのは大学の入学式でのことだった。視線が彼女を追いかけていくのを止めることができなかった。斜めに歪んだ針金のような体、襟足を刈り込んだショートカットから伸びる首、化粧っけのない白い顔。女子の出席番号に並んでいるにもかかわらず、彼女はどう見ても少年だった。式後のオリエンテーションで自己紹介をした彼女が自分のことを「ぼく」と呼んでいるのを聞いた。
学生生活がはじまりみんなが群れ
はじめて彼女に会ったのは大学の入学式でのことだった。視線が彼女を追いかけていくのを止めることができなかった。斜めに歪んだ針金のような体、襟足を刈り込んだショートカットから伸びる首、化粧っけのない白い顔。女子の出席番号に並んでいるにもかかわらず、彼女はどう見ても少年だった。式後のオリエンテーションで自己紹介をした彼女が自分のことを「ぼく」と呼んでいるのを聞いた。
学生生活がはじまりみんなが群れ