何かを信仰するって、そんなに悪いことなのか?って気がした今村夏子『星の子』を読んで
第39回野間文芸新人賞受賞
第157回芥川賞候補
2018年本屋大賞7位
芥川賞作家今村夏子さんの作品。
『金星の恵み』という水によって幼い頃の主人公が救われたと言うところから水にはまる両親と、その間の子として育つ主人公ちひろ。
ちひろは、強い信仰心というわけではないが、自分の居場所としてそこに身を置いているといった感じだろうか。
宗教の話とか出で来ると、なんとなくどこかで毛嫌いしてしまうけれど、一見こちら側から見てみると理解できない行動でも、そちら側からしたらそれが何かの恩恵を受けるための行動だったりしていて、安易に否定はできないのかもしれない。
例えば、資本主義を信仰していてお金をたくさん稼いでいる人に、共産主義的な思考はなかなか受けいられないのかもしれない。
親子三人(姉も一応いるが)を見ていると、宗教とかの環境はあるのだけど、そこにはちゃんとした家族愛があって、それがこちらからみると少しねじれて見えるだけなのかもしれない。
序盤は少しもたれる感じがしたけど、正直自分の読書力が低いだけかな。
最後の方に向かって面白くなっていくところがあるので、読み始めたのなら最後まで読んだ欲しい作品。
ちなみに、そろそろ映画が放映されると思うのでそちらも気になる。
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