『ザリガニの鳴くところ』観て良かった……
本記事では重大ではないかもしれないネタバレを含みます。
ですが基本的には、「へー!そんな感じの映画なんだ!!」くらいの着地点になる内容であり、封切り日の感想としては全く問題ないと思っています。
警告としてのネタバレ
タイトルに釣られて、ザリガニマニアの人がザリガニ目的で観に行くことは推奨しません。
サメが出るから何でもサメ映画を観る、サメが出ていなくてもサメ映画を観る。
……そういう、悪食な映画の求め方をする界隈ってありますが、同様にザリガニさえ出てきたら満足するクラスタもいるでしょう。
私は、作中でザリガニを目視確認出来ませんでした。
ザリガニを釣って、それを飼うとか喰うとか指を挟まれたとか、そういうザリガニと触れ合うシーンは皆無です。
改めて警告します。
ザリガニさえ出てきたら何でも満足するタイプの人はこの映画を観るのはハイリスクです。
初心者向けミステリー映画という、表面上の顔
私はこの映画について予告動画一つ観ないまま、何の前提知識も無く見に行きました。
Twitterで女子にオススメされたから飛び込んだ、という高尚な理由です。
観終わってまず思ったのは『面白かった!!』なのですが、次に来た感情は『助かる~!!』でした。
そう、私は助かったのです。
私は何に助けられたのか?
この作品は、ミステリー映画でした。
冒頭に事件(謎)が配置され、劇中を通して主人公の女の子の周辺が肉付けされていき裁判シーンに流れていき……といった、恐らく王道のミステリー作品でした。
何故、おそらくなのかというと。
私は、ミステリー作品を映画でも小説でも殆ど摂取したことが無いからです。
一般的な人よりは本を買い読む方でしょうけど、大抵は中公新書とかBLUE BACKSの類で物語を全然読んでいません。
映画も、『謎ォ!?そんなもん考える前にパワーだ!エネルギーだ!』のような濁流のように押し流してくれる作品を好む傾向があります。
そんな、ミステリー素人の僕でも「あっ!これはミステリー作品なんだ!」「ミステリー作品素人の僕でも、犯人を想像させ、そして作者の意図通りに驚かせられ納得させられ考えさせられている!」という気持ち良い体験が出来たからだと思います。
ミステリ作品ばかり読んでいるような人にはきっと不完全燃焼なくらいミステリー成分少ないのかもしれませんが、超初心者の僕にはありがたかったです。
つまり、助かりました。
何故、ミステリー映画と断言出来ないのか
ミステリー要素は、本作品については顔でしかなく中身はそこでは無いと言えます。
思う、とかではなく。
何故なら、この作品の魅力は陰惨な環境にあるヒロインが逞しさを備え知性を開花し得意分野を見つけ成長していくところにこそあり、ミステリ部分はそれを活かすための外枠みたいなものだからです。
ラーメン半チャーハンセットを頼んだら、確かにラーメンは美味しい醤油ラーメンで滋養を感じつつスルッと食べれるものであったが、半チャーハンが異様に美味しく決して大盛りとかではないのにそこらの店では味わえない強い特徴を持ったものだった。
と言えば、伝わるでしょうか。
ここらへんは、食えばわかるのと同じく、観ればわかります。
何を期待して観に行くのがよいのか
何も知らず観に行って満足した僕。
観終わった後になっては、”こういう人達”に観に行ってもらいたいなぁと思いました。
ミステリ初心者
最後の最後まで観て、なるほど……となる仕込み・構成は気持ち良いですね。それでいてそう難しくないからこんなnote読んでいる国語力備えた人であれば意味が分かんみたいな事にならないでしょう。
逆に、猛烈にミステリーを期待して観に行くようなこだわり古参ミステリおじさんみたいな人が行くと大怪獣のあとしまつのような裏切りを感じて怒り狂うかもしれません。
ミステリとしては児童用カレーライスなので、こだわりの辛口インドカレー食べたい人は他のお店へどうぞ。
可哀想な娘が強くなるの観るの好きな人
序盤から終盤まで、なかなか逆境は続き主役を暴力等で脅かす存在もありますが。
最終的には、生態系の頂点か?みたいなくらいに完成を見る、ような気がしないでもない展開になります。
親や環境に殴られ続け虐められ続けた人にとっては色々思い出して辛いところもあるとは思いますが、応援して観るのが性に合っている人なら是非に。
アメリカの当時の空気が好きな人
1960年代のアメリカ南部の田舎町。
そんなとこでさらに外れの湿地帯暮らし。
そういう、いい意味で牧歌的であり悪い意味でヒエラルキー社会が露骨に見える古い時代の空気を吸いたい人には特にオススメです。
あと、いろんな植物や動物や昆虫がほんのり出てきますのでそういう自然とか。
専門用語あるんでしょうかね、これって。
カントリーもの??
まとめ
もうRRR観ていて、今新たに見たい映画を求めている人ならばザリガニの鳴くところへGO!
無職へのお布施
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