『結婚式のメンバー』カーソン・マッカラーズ 2024年⑯
この本を読んで私が思い出したのは、小学校高学年の頃に出会ったジェリー・スピネッリの『スター・ガール』だ。もし12歳の時、フランキー・アダムズに出会っていたら、フランキーはスターガール・キャラウェイと並んで私の心の中の友達になっただろうと思う。
夏の光と影、暗い台所の描写が印象的だった。
「わたしたち」とは呼びたくなかった人たちとすごした、フランキーの長い長い夏の時間は、重厚な現実感があるのに、幻のようでもある。
ここではないどこかに行きたいけど、それがどこなのかわからない。どの街にも受け入れてはもらえずに、彷徨していた自分にも重なって見えた。