缶詰の正しい開け方講座~「思い込み」からの解放から見た資本主義
突然ですが、皆さんは「缶詰」を買う時に、何を考えていますか。
スーパーマーケットやコンビニエンスストアで100円前後で購入できる缶詰、最近ではサバ缶が人気で、そのまま食べてもいいし、料理にしても多彩なレシピが存在しています。何より、缶詰に取ってが付いているのものが多いので、わざわざ缶切りを使わなくても開けることができます。
「缶詰」が、最初に歴史の中で登場したのは1804年にフランス革命で皇帝となったナポレオンが遠征における食料補給の問題に悩まれており、その懸賞に答えたフランスのニコラ・アペールという人物が長期保存可能な瓶詰めを発明することで応えることができました。しかしながら、ガラス瓶のために破損しやすかった欠点から1810年にイギリスのピーター・デュランドが、金属製容器に食品を入れる缶詰を発明することで今のような缶詰の原型ができました。
驚くべきところは、1858年にアメリカのエズラ・J・ワーナーという人物がブリキ(鉄板にスズをメッキしたもの)を使って缶切りを発明するまでは、銃剣や金槌、鑿(ノミ)でこじ開けていたことにあります。缶詰が発明されてから缶切りが登場するまで、なんと48年の月日が掛かりました。
なぜ、缶詰の発明から缶切りの発明されるまでこんなにも月日が掛かってしまったのでしょうか。
それは、「ノミとハンマーで上面を丸く切ること」や「オノやハンマーで開けてください」という注意書きにあったのです。これを、思い込みというのでしょうか。
当時の人々が48年間も思い込んでいたことも驚きですが、この「思い込み」からの解放こそが、これからの資本主義社会を生きる上で重要なことなのです。