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嶋田青磁
2018年10月7日 22:31
薄青いステンド硝子が、寂寞としたサンルームに水面のような光を映す。その水源は、此処から遥か遠くであった。 立ち枯れた観葉植物は隅で静かに眠り、埃をかぶった八角形のテーブルと椅子は、あの女(ひと)が立ち去ったときのまま何も言わずに佇んでいる。こちらに向いたままの椅子が、なにかを言おうとして押し黙っているように思えて、わたしはたまらず目を逸らした。 邸の部屋から部屋へうつるたび、