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【大学生インタビュー】外交官になりたくてガーナに飛び込んだら、本当にやりたいことが分かった話。

皆さんこんにちは。Campusful運営の六車(むぐるま)です。

このnoteは、大学生の方を対象に、少し先を行く先輩方が「あの時知りたかったこと」を経験談を交えながらお伝えしていくメディアです。

今回インタビューに応じてくださったのは、東京外国語大学4年生で、特定非営利活動法人アイセック・ジャパン代表(取材当時)の高橋祐哉さんです。

高校時代に参加したAIG高校生外交官プログラム(http://www.highschooldiplomats.org/によって、人生における目標設定の意義を強く意識し始めた高橋さん。自分で掲げた目標に向かって行動し、その行動から新たな価値観を学び、目標を再設定する。その一連のプロセスはまさに「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」そのもの。高橋さんの逞しさをひしひしと感じました。

大学生活をどのように過ごせば良いか悩んでいる大学生の方にとって、とても参考になるお話となっています。「少し先をゆく先輩」の生の声、ぜひご覧ください。

本日はお時間をいただきありがとうございます。まずは、高橋さんの高校入学以前のお話を聞かせてください。

私は栃木で生まれたのですが、その後すぐに引っ越し、千葉で育ちました。

幼少期から計15年間サッカーに打ち込み、幼稚園、小学生、中学生、高校生とどのチームでもキャプテンを経験しました。それ以外にも児童会長や学級委員長になるなど、幼少期は組織のリーダーになることが多かったです。学業面においても、塾に通っていたことなどもあり成績は良く、お陰様で、第一志望だった千葉県立千葉高校に入学しました。

まさに “神童” という感じですが、高校入学後も同様に充実した学生生活を送られていたのでしょうか。

いえ、暗黒期に突入しました(笑)

暗黒期に突入したのは、千葉県トップクラスの高校に進学したことで、学業面のアイデンティティを徐々に失っていったからです。それは、周囲のレベルが高く努力が報われづらくなったということも理由の一つではあるのですが、主には『学業を頑張ることは、自分にとってどんな意味があるのだろう?』と疑問に思い始めたからです。

進学校だったので学業の目標は、受験を突破し志望校に合格することになります。ただ当時の私は、それに何の意味があるのかが分からなくなってしまいました。受験以外にも目標とすべきものがあるはず、というより ”あるべき” なのに、そこを考えずとりあえず勉強を頑張るようなことはしたくないと思いましたし、そこがないので勉強に対するモチベーションを維持することもできませんでした。

周りの友達は、東大や京大の合格に向けて必死で頑張っていたのですが、自分はどうしてもその環境を面白いと感じることができなくて、日々悶々と過ごしていました。

周りのみんなが掲げている目標は近視眼的過ぎやしないかと疑問に思われたんですね。結局、高校時代はそのまま悶々と過ごされたのでしょうか。

高校入学からしばらくは、学業の目標を見つけることができないまま悶々と過ごしていまたのですが、2年生の時に参加したAIG高校生外交官プログラムに参加したことで、学業の目標を見つけることができました。

AIG高校生外交官プログラムとは
毎年夏休み期間中の約3週間、日本の高校生を高校生外交官として米国に派遣します。 1987年の発足以来、多くの日本の高校生が米国に派遣され、ツアー、ホームステイの後、現地で同数の米国の高校生とエクスチェンジプログラムに参加しています。

http://www.highschooldiplomats.org/  

英語が得意だったわけではないのですが、幸運にも対象の40人として選んでいただくことができ、高校2年の夏休みに3週間のアメリカ留学をすることができました。

そこでの経験は悶々としていた17歳の自分にとって衝撃的で、まさに自分を変えてくれた経験でした。

どのような経験をされたのでしょうか。

ワシントンDCやニューヨークの重要拠点を巡り、政治や経済について多角的な視点でアメリカへの理解を深める活動があったり、プリンストン大学でアメリカからの参加者40人と過ごしたりしました。

特に同世代の学生とのコミュニケーションでは、アメリカの教育に対する熱い思いを語る学生がいたり、受験よりももっと先の人生のビジョンを語る学生がいたり、非常に刺激的でした。そして、同時に、高校で時間を浪費していたことを非常にもったいなく感じました。

その他にも、国籍が変わっても意外と人は万国共通だと感じましたし、世界は広いなとも感じました。その中で自分はどうしたいんだっけ?と考えるきっかけとなった重要な経験でした。

日々悶々としていた高橋さんの転機となった経験だったのですね。その後の高校生活はどのように変わったのでしょうか。

帰国後、自分自身の目標を高く持ちたいと色々と考えた結果、将来は “外交官” になり、日本と世界を繋ぐ仕事をしたいなと考えるようになりました。

特にその中でも外務省の専門職員になりたいと思い、調べてみると圧倒的に東京外国語大学の卒業生が多いことが分かり、私も東京外国語大学に行くことを目標に定めました。その時点では、英語が全くできない状態だったので、必死に勉強しなくてはと思い毎日塾に通い始めました。

またこの時点から、大学入学後は国家公務員に入るためのスクールに通ったり、長期留学をしたりしようと、漠然と考え始めていました。

AIG高校生外交官プログラムの経験から人生の目標が定まったことで、自ずと学業の目標も定まり、悶々が晴れていったわけですね。その後、無事に東京外国語大学に入学されたわけですが、入学後はどのような活動をされていたのでしょうか。

まず、外交官になるためにどうすべきか分からなかったので、大学のキャリアセンター経由で、外務省の専門職員になられた方に話を伺いにいきました。

私としては、具体的に必要な資格や準備について知りたかったのですが、そもそも何で外交官になりたいのか考えた方が良いとアドバイスを受けました。外交官になるのは3年生からで間に合うから、もっと色々な経験をして外交官が人生にとってどのような意味を持つのか考えたほうが良いよと。

AIG高校生外交官プログラムの時に『世界は広いな』と感じた経験から、外交官になることを目標に動いていましたが、結果として、私は世界を狭く捉えようとしていることに気づくことができました。その方との会話はAIG高校生外交官プログラムに続く、私の人生の転換点の1つでもあります。

目標について再考する機会になったのですね。その後は、何をされたのでしょうか。

東京外国語大学は、50%の人が、1年生の夏休みに短期留学に行きます。私も、なぜ外交官になりたいのか考えるきっかけが欲しく、海外に行こうと考えました。ただ、みんなが行くような国に行きたくはないなと思い、どこに行こうか迷っていたのですが、ちょうどフットサル部の部長がガーナに行き、現地の人にサッカーを教えるインターンに参加していたのをみて、これだ!と思いました。

1年生の夏休みの2ヶ月間、私にとっては勇気のいることでしたが、あえてやってみたいと思い、ガーナのインターンに飛び込みました。
(その時の高橋さんの体験はこちらの記事で紹介されています。)

そのインターンを主催していたのが、現在私が代表を務めるアイセック・ジャパンでした。

勇気を出して飛び込まれたガーナでのインターンですが、どんな影響が高橋さんにあったのでしょうか。

最も変わったのは、他の国を人レベルで捉えることができるようになったということでしょうか。

エチオピアで乗り換えてガーナに向かうのですが、行きの空港では黒人の中にアジア人がポツンといる状態だったので、かなり恐怖がありました。

ただ、ガーナでの生活を終えて帰国する頃には、ガーナ人と一口に言っても時間にルーズな人もいれば、厳しい人もいる。笑顔で挨拶をすると笑顔で返してくれるなど、同じ人間なんだと考えるようになっており、怖いという感情は全くなくなっていました。

また、行くときは国際的な経験をしたくてガーナに行きましたが、帰る頃にはアフリカの格差に対して課題意識を持つようになりました。19歳の一人の人間ではどうすることもできない問題で、構造的に解決していく必要があるアフリカの格差を何とかしたいと思ったんです。

世界と日本を繋ぐことを漠然と目標にしていたけど、具体的に助けたい人の顔まで浮かぶ目標になったんですね。

はい。逆算的に大学を過ごそうとしていましたが、未知の世界に飛び込むことで見えたものがありました。なので、帰国後は自分の感性に従って、やりたいと思うことにとことん向き合おうと思い、教育系の企業でインターンをしてみたりエンジニアリングに興味を持ったり、様々なことにチャレンジをしました。その中で、アイセックの活動にも精力的に取り組みました。

私自身もアイセックを通じてガーナでのインターンという人生を変える体験ができ、アイセックという組織によって、若者の人生がデザインされることの可能性を感じました。アイセックは、世界100以上の国と地域に約3万人の学生が所属しており、異文化理解を育む機会を届けていくことに最適な組織ですが、組織としての課題は山積しており、そんなアイセックをより良くしていきたいと考えるようになりました。

2年生は一橋支部の副代表および広報・ブランドの担当、3年生は委員長、4年生で日本支部の代表を務めました。それぞれの役職での難しさや、理念と現実のギャップは大きいですが、目の前の課題を一つ一つ解決していくことにやりがいと面白さを感じています。
(アイセック・ジャパンについてより詳しく知りたい人はこちら)


今後の大学生活についてはどうされる予定でしょうか。

経験を積むたびに新たな視点や興味が湧いてくるので、よく言えば選択肢が広がっていますし、悪く言えば定まらずに困っています。ただ、今は外交官というよりも民間のスタートアップを視野に入れ、将来は自分でサービスを立ち上げたいと考えています。しかし、私の軸は変わらずアフリカの格差是正にあります。

また、現在は大学4年生なのですが、1年間の休学期間中ですし、休学の延長も考えているので、卒業までにあと数年あります。今後は再度アフリカに行きたいと思っているので、自分の感性に従って、やりたいと思うことにとことん向き合おうと思っています。

ありがとうございます。自分で目標を再設定しながら、どんどん前に進まれており、本当に逞しい方だなと思います。最後に、後輩大学生に向けてメッセージをいただけないでしょうか。

目標から逆算して行動することはとても大切だと思います。ただ、大学生だからできる遠回りもあるとも思います。どこに自分の可能性があるのかはやってみないとわからないと思うので、決めつけすぎず、でも目標はなんだと自問自答しながら、心が動くことに飛び込んでみることをおすすめします。そうすれば、振り返った時に自分なりの道が見えてくると思います。

貴重なお話ありがとうございました!


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