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読書記録

マーケット感覚を身につけよう
「これから何が売れるのか?」
わかる人になる5つの方法
ちきりん

「価値を認識する力」の二極化が進んでいる。すばらしい学歴や職歴に加え、難関資格から専門知識まで持ちながら、不安から逃れられない人がいる一方、ずっと少ないものしか持っていないのに、「なんとかなる」という自信とともに、世の中を渡っていける人もいる。
両者の違いは「売れるものに気がつく能力」、「価値を認識する能力」の差である。
この能力を「マーケット感覚」という。

論理思考と別のアプローチを知っていたら、論理的な思考が行き詰まり始めた段階で、全く別の方向から考えてみる事ができる。
つまり、もうこれ以上は考えられないと感じた地点から再び思考を進める事が可能になる。

市場化の進む社会におけるキャリア形成では、市場の動向をいち早く見極める為のマーケット感覚と、需給バランスの変化に合わせて、自分のスキルや専門性をシフトするための柔軟性や決断力が何よりも重要になる。

潜在的な価値に気づく事が出来れば、新たな市場、大きな経済価値が生まれる。
多くの人がマーケット感覚を持つ事で、個人はもちろん世の中がどんどん豊かになっていく。

マーケット感覚を鍛えるには…、
①プライシング能力を身につける
値札や相場で判断するのではなく、「自分の基準で、妥当な価格を判断する」というプライシング能力を身につける。日々の生活でこの価値はいくらなのか?と考えるクセをつける。考え続ける事で自分独自の価値基準が明確になり、マーケット感覚が鍛えられる。

②インセンティブシステムを理解する
人が何か特定の言動を取った時、その背景にある要因や言動につながるまでの仕組みである「インセンティブシステム」を理解する必要がある。
インセンティブとは、動機から言動に至る仕組みのことである。人間の言動には常に何らかの理由がある。
自分の欲望に素直に向き合うと、感度が高まり、他者の欲望やインセンティブシステムへの理解が進む。市場で人がどう動くかわかるようになり、ビジネスが成功する。

③市場に評価される方法を学ぶ
「組織」と「市場」の意思決定スタイルの違いを理解し、組織に評価されるのでは無く、市場に評価される方法を学ぶ。
作り込むより「とりあえずやってみて決める」方式で素早い行動力と迅速な意思決定を行う。出来るだけ早く市場型のアプローチに慣れる事が重要になる。

④失敗と成功の因果関係を理解する
失敗に始まり、少しずつ成功に近づいていく。失敗から得られる学びの機会を大切にする。
学んだ事を実践し、現実的な環境下で成果が出せるように経験を積む事が必要で、自分で取捨選択して決定する。マーケット感覚をもち、多くの人に見てもらう事で市場に向き合い、失敗を重ねる。

⑤市場性の高い環境に身を置く
世の中には市場性の高い場所とそうでない場所がある。市場性の高い場所で鍛えたマーケット感覚を活かし、自分が発揮したいと思っていた分野で活躍すれば良い。

親が子供に伝えるべきことは、変化は恐れるものではなく、楽しむものなのだということだ。
変化を自ら感じ取り、進むべき方向を早めに見極めることのできるマーケット感覚を身につけることだ。
最大の利点はそれさえ身につければ、変化が怖くなくなるということ。いち早く変化の兆しに気づき、新しい世界で価値を提供する方法を、市場から失敗しながら学ぶことが出来るかどうか。それさえ出来れば変化は恐れるものではなく、むしろ心から楽しめるモノになる。その為に必要なものこそが、「マーケット感覚」だ。


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