Meltykiss

暑いし、もっと溶けちゃおっか。信じられないくらいムシムシする、立っているだけで汗が流れ落ちる気温の中、溶けたいのに溶けきれずただただ汗を流すという最悪な生き物が誕生してしまいました。君のキスって溶けそうになるんだよ。何ででしょうね、キスがうまいのもあるんだけど、君が美味しいのか、私を美味しそうに食べる君だから美味しいのか、それとも君のことが大好きだからか分からないけど、舌から伝わる体温までも愛おしくて、体温の高い君のことが好きでした。体が密着しているだけで「もう、暑いよ〜」って言葉が出てきてしまうほど、体温の高い君のことが好きでした。離れたくなかった、そのまま一生離れずに、体温を分け合って全て共有してそのまま溶けて死にたかったね。そのまま一緒に海に行こう。そして何も無かったかのように、流されようか。
「悲劇のヒロインみたいですね!」って、言ってきた奴が居たんだよ。私が死にかけた話を聞いて、話を美化しているようにしか思えないし、いかにも自分は悪くありませんよ見たいな。美化?してねえよ。何も美しい話じゃねえよ。君は人の死を美しいと感じるの?なんて言いながら、図星すぎて何も言えなかった。おもろいっすよね。結局過去を恐れて何も出来ずにいる退廃的な毎日を、こんな毎日でも幸せと呼べるのでしょうか。小さな幸せに気付いて、そこに満足出来れば、私は幸せだと胸を張って生きていけるようになるんでしょうか。私の幸せってどこにあるのか、場所も分からないし、仮に見つけても手に取っていいのか、使い方も分からず、君を置いて幸せを手に取っていいのかも分からず、ただ1人、呆然と立ち尽くすだろう。一時的な寂しさを埋めるために自分を傷付け、もう既にそういう生き方しか出来なくなっている自分が、ここから上の世界に行けるだなんて想像も付きませんし、一生地面に這いつくばって生きていくんだ。崖っぷちを生きる、君が生きていることだけが私の光。そんな事を考えている間にも、君は私の知らない世界で、私の知らない君となって充実しているのかしていないのか分からない楽しみを楽しんでいるのもを知っている。もう、君は死んでしまったからね。先に死なれては、私が死なないじゃないか、君に殺して欲しかった。


未だに君のことを考える時があって、あ、でもこれは愛じゃないよ。君のことは好きじゃないし死ねばいいと思ってるんだよ。それでも私の心はもう溶けてしまっていて、君によって溶かされてしまって、心が熔けた過去は消えない。私の心の痛みも謎も、私以上に私を理解してくれている君にしか解けないので、一生このまま痛みが続くだろう。もし君が君のままでいてくれていたならば、今でもお互い夢のままで、一緒に居れたのかな。まるで最初からこうなる事が決まっていたかのように、不思議と、こうなる未来だったのかもしれないと思えるような存在でいてください。お互いにドロドロ溶け合って、もう元に戻れないから、引き返す事もせずひたすら欲を満たすということがしたい時期になりました。私、夏は大嫌い。蒸し暑い、鬱陶しい、そんなの君だけで十分じゃないか。でも、夏は愛の時期だよね。鬱陶しさなんてどうでもよくなるくらい、密着なんて絶対にしたくないのにさ、君から離れれず一生纏わりつくこの執拗さ、これを愛と呼べたのなら、愛は愛として生きることが出来たというのに。勿体ないね。

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