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現役会員が語る「ワクワク系マーケティング実践会」ってどんな会?
小阪裕司氏が主宰する「ワクワク系マーケティング実践会」ってどんな会?何をしてるの?入会すれば儲かるの?そのあたりを会員目線でお伝えします。客観性を重視して不必要なヨイショや批判は避けているつもりですが、現役会員ゆえ多少はひいき目になっているかもしれません。
実践会の概要
実践会が設立されたのは2000年なのでそれなりの歴史があります。2025年現在の登録者(社)数は千数百社。産業分類上、全業種がいるそうです。
主宰者である小阪裕司氏が出版された著書は40冊以上。大変ユニークなのが、ご自身が情報学の博士号をお持ちの科学者であるという点です。マーケッターでもなく商売で大成功した方でもなく、経済学者でも経営学者でもなく、情報学の科学者!?
いわく「なぜあの人は買わなかったのに、この人は買ったのか」「なぜあの店は繁盛しているのに、この店は閑散としているのか」
見えないところで動いている人の心と行動のメカニズムを科学的に紐解き、薄利多売ではなく価値創造型の商いの重要性を世に広めるべく、活動されておられます。
ちなみに「ワクワク系」という個性的なネーミングは小阪氏自身が命名されたそうですが、学術用語である「複雑系」の対義語?類義語?として名付けられたのではないか、と個人的には推察しております。
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入会したら何をするのか
入会するとまず数冊の冊子が送られてくるとともに、基礎を習得するための動画を視聴する事ができます。その後は「情報誌」と呼ばれる、全国の会員から寄せられる実践レポートと、それらを解説した冊子が毎月送られてきます。
上位コースの会員は年に4回、横浜で開催されるリアルセミナーに参加する事もできます(オンライン参加も可能)。
「こうやって学んでいけばいいですよ」と紹介してはくれますが、進○ゼミのようにタスクやカリキュラムがある訳ではありません。「やらなければいけない事」というのも特にありません。
入会者は学んだ事を参考にして、自分なりに問題点を探り、自分なりに仮説を立てて実践し、その結果を踏まえて自分なりに改善をしていきます(強制ではありません)。
その過程を「エントリー」と呼ばれるレポートにまとめて提出する事も推奨されています。特筆すべき内容であれば、翌月の情報誌に「参考となる事例」として、小阪氏の解説付きで紹介される事もあります。
入会すると儲かるのか
ここが一番気になるところかもしれませんが、入会すると自動的に儲かるのか?と聞かれると、答えはNOです。
いわゆるコンサルタントであれば、その図式もある程度成り立つかもしれませんが、この実践会は「学習支援」というスタンスですので、お金さえ払えば何もしなくても儲かる訳ではありません。
小阪氏もかつてはコンサルタントをしていたそうですが、やればやるほど経営者はコンサルに依存してしまい、自分で考えなくなってしまうのだそうです。さもありなん。
じゃあ入会しても儲からないのか?と聞かれると、この答えもNOになります。自動的に儲かる訳ではありませんが、科学的に裏付けのある事例が紹介されている訳ですから、それらを学び実践していけば誰でも儲かるようになるはずです。そのためには会員本人が学び実践する事が必要条件となります。
入会すると何をしてくれるのか
実践会は儲かるための知恵やヒントを与えてはくれますが、それを学び実践するのはあくまで本人です。「食べ物がなくて困っている人に魚をあげるのではなく、魚の釣り方を教えてあげましょう」という例えがありますが、この実践会はまさにそんなスタンスです。
従って話されている内容は本質的な事が多いです。「これからはSNSだ!」とか「チャットGTPで10倍売る方法!」といった表層的なノウハウやテクニックなどはまず話題に出て来ません。
「エントリー」として提出される会員さんのレポート数は月に200件前後との事ですから、全体の1、2割でしょうか(掲載されるのはそのうち20件ほど)。毎月届く情報誌を読まずに「積ん読」している会員もそれなりにいると思われます。
しかし、やる気のある人にとってはとても力強くてあたたかい配慮をされていると感じます。リアルセミナーの後に懇親会が開催されたりするのですが、何と小阪氏ご本人が全てのテーブルを回ってお話を聞いてくれます。しかもタイムキーパーもいて、時間になると「はい、それでは小阪さん、次のテーブルに移って下さい」というアナウンスがされるという徹底ぶり。
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私は他の会の懇親会に参加した事もありますが、主催者の周りには親しい方々が取り巻いて内輪でワイワイやっており、名刺交換しにいくのも気が引けるようなシーンをよく見かけました。
小阪氏の親しみやすい人柄も手伝って、実践会全体の文化があたたかいものになっているような気がします。(小阪氏は筋金入りのスターウォーズマニアで、漫画やアニメなどのサブカルチャーも大好きであり、映画やコンサートといったエンタメにも熱心に足を運んでおられます)
実践会はこんな人に合う・こんな人には合わない
年に4回開催されるリアルセミナーの参加者数は100~150名ぐらいでしょうか。参加希望者はもう少し多いのかもしれませんが、遠方から横浜まで行くのもハードルが高いですし、会場のキャパもありますから参考までに。
会場でよくお見かけする人は継続してお会いする事が多いです。一方で、そういった場には一切出ることなく退会される方もおられるでしょう。また、入会直後は熱心に来ていたのに、いつの間にかフェードアウトしてしまう方もおられます(この会に限りませんが)。
結論として、自社の業績を良くしたいという思いもさる事ながら、そのために自分が成長したい、成長せねば、という考え方の人には向いていると思います。
「会費を払うんだから何とかしてくれるんでしょ?」という消費者的思考の方は長続きしないかもしれません。入会して考え方が変わった、というケースもゼロではないかもしれませんが少数派だと推測されます。
Youtubeチャンネルもありますので、まずはそれを視聴して感触を確かめてみるのも良いと思います。
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現代教育の足りないところ
私が実践会の事を知り、入会したのが2016年。まだまだ道半ばですが、今まで学び実践してきて言えるのは「仕事が楽しくなった」「人生に希望が持てるようになった」という事です。
そして同時に思ったのが、「どうしてこんな大切な事を誰も教えてくれなかったんだ」「こういう事こそ学校で教えてあげれば、日本の会社はもっと元気になれるのに」という事です。
教育現場が変わるのにはまだまだ時間が掛かりそうですが、世の中の変化スピードは早くなるばかりです。自分を変えたいけれど、どうすればいいのか分からない、という方は前向きに検討されると良いでしょう。
日本国内でここまでストイックに、そしてあたたかく、尚且つこの規模で活動し続けているコミュニティーは他に存在しないのではないかと思います。