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稚鮎の天ぷら

毎年、花見帰りに寄る寿司屋がある。
北陸の魚を主に扱うこの店は日本酒もおいしく、居心地もいい。

いちばんの楽しみはもちろん寿司なのだが、もう一品必ず頼む料理がある。

稚鮎の天ぷらだ。

稚鮎、読んで字のごとくまだ若い、というよりも幼い鮎である。
小さな魚体は一口で頂ける。幼く柔らかい身と腹わたの苦さを同時に味わえるのだ。
これがたまらずうまい。

何匹食べても毎回静かに唸ってしまう。うまい。
春のよろこび。

尻尾のきいろが透けている。美しい。見事な揚げ加減だ。
枝垂れ桜が見頃だった。


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