注射コワーイよー! マカピーの日々 ♯1580
マカピーです。
久々に注射が怖いと泣く女の子を見ました!
ハナさんの臨時クリニックは基本的に寄宿しているハリー叔父の家に明け方から押しかけて来るグループに対応する午前中、そして午後はアギナルドのフローレンスのガソリンスタンドの事務所で展開されています。
(アギナルドの方は毎日ではありませんけど)
さて、土曜日の午前中に中古車を入手したその足で薬のバッグとブロアーその他を後部座席に放り込んでアギナルドにむかったのです。
実は手持ち資金が全く無く、中古車代をマカピーの預金から半額ほど払って車の使用をする事を認めて貰えたのは、ディーラーにハナさんが医者であることも有利に判断されたようです。
ですから全額支払えた時点で車両関係書類が渡してもらえる条件です。
とりあえず後2週間で半額足らずを返済出来るかどうかは確実ではありませんけど(笑)
ところでハナさんの診療では診察料を請求しないので処方した薬代からの利益しか無いのです。
もっともそれだからこそ沢山の患者さんが押しかけて来るし、不必要な薬も処方しないでアドバイスだけの事もあるのです。
皆さんも容易に想像できると思いますが、こんなのじゃあ中々お金は貯まらないです(笑)
だから診察以外にブロアー治療で少し支払って貰ったり、カンビン・プロジェクト(ヤギ繁殖)を試みているのです。
「ともかく、早く返済出来る様に働きましょう!」
「確かに、そうするしか無いもんね(笑)」
最近は毎日午後になるとイフガオの山地に雨が降ります。
もちろん低地のカガヤン平原側にもその雨雲が広がって雨となりますが、山地の雨の激しさは格別です。
一方、現在は平原では稲、山地ではトウモロコシの収穫の真っ盛りです。
それで雨の合間を縫って州道や村道の半分を使って穀物の乾燥をやっているのです。
対向車がなければ問題ありませんが、下手をするとその乾燥している穀物の上を走らなくてはなりません。
ゆっくりその上を走るにもバイクと車では雲泥の差があります。
と言うのも、二輪車で砂利の上を走るようなもので、路面との摩擦(グリップ)消えるので転倒の恐れがあるのです。
これってかなりの恐怖ですよ。
ところがハナさんは「干しているのが悪いのだから、気にしないでその上を走っちゃえば良いのよ」なんて言うのです。
「穀物の上を走りたくないのは、転倒しそうになるので危ないからだよ!」
それが、安定の良が四輪車になるとグッとそのリスクが低減します。
車って偉大だなあ!
さて雨降りの中、マカピーには診察待ちの中に父娘が何時までも席を立たないで待っているのが気になりました。
そして、やおら父親が「じゃあ注射お願いします」とハナさんに伝えるのでした。
あ、そうか彼女の診察は終わっていて注射をすれば帰宅出来るという状況であると理解できました。
その娘さんはどう見ても大柄でしたが14歳です。
ところがハナさんが注射器に赤い薬液を満たすのを見た途端、この娘が泣き叫んで「絶対イヤだ!」と手が付けられない状態になってしまったのです。
どうも彼女は父親の腕にすがり付いて、周囲が説得しようとしても頑として注射を受け付けません。
ハナさんはしばらく注射器を片手に待機してましたが無理強いはしません。
「‥‥そうね。じゃあ次の人を診ることにしまーす」
更に三十分程経過し雨が止むとその父娘はいったんクリニックを出てしまって「ありゃりゃ~クスリがもったいないなあ!」って思ったものです。
ところが、マカピーはブロー施療の方が忙しくて見ていなかったのですがその後何とか娘さんの注射を成功したのだそうです。
後でマカピーはハナさんに尋ねました。
「あんなに大きな娘さんなのに大声で泣き叫ぶとは珍しいね」
「数年前に母親を亡くして、父娘二人暮らしなんですって」
それで情緒不安なところがあったのかしら?
大概注射器にあれほど反応するのは物心ついた3‐4歳が多いのですが、大人の体つきをした娘さんが涙をポロポロ流して「絶対ダメー」と叫ぶような場面に出会うとは思いませんでした。
子供の頃大人が子供を脅すのに「言う事をきかないと、お医者さんに注射を打ってもらおうかしら!」なんて言うのは実はどこの国も同じです。
しかしそういうたとえ話が一般化しているだけに、医者は注射を打つ人とイメージがついて回るのでハナさんも小児科医をやっている時は大変だったでしょう。
病院勤めではもちろん白衣姿だったのですが、今は私服ですから白衣から来る威圧感は無いですけどね。
マカピーでした。
最後までお読みいただき感謝します。ホラ、怖いお医者さんが来たよ!
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