パタパタ・・・マカピーの日々 #1443
マカピーです。
新商品を提供することにしました!
フィリピンで食べた「チキン・イナサル」という料理に感激したマカピーはハナさんと相談してこれをレストランで出そうという事にしました。
イナサルとはタガログ語で「バーベキューにする」という意味になるそうです。
チキンイナサルは非常にシンプルな料理です。
鶏のもも肉を串にさして、たれをつけて炭火で焼き上げるだけ。
それに、ご飯と二種類のソースが付きます。
小さな器にしょーゆベースのタレと油それにスダチのような柑橘と生トウガラシが3本ほど付くのでそれを指でちぎって手で混ぜます。
アツアツのもも肉をバラしながら、そのタレに付けて食べると滅茶苦茶美味いのでした。
フィリピン全国にこのチキンイナサルを提供するチェーン店が『マン・イナサル』で非常にシンプルなメニューでムスリムの多い南部のお店ではチキンだけですがカソリックが多い地域では豚肉の串焼きも加わります。
それに飲み物はレモン・ティーだけだし、デザートはハロハロ(フィリピン版かき氷)の2種というシンプルさ。
それでいて、どこの支店も来客でいっぱい!
マカピーもハナさんに初めてこのチキンを勧められた時は「こんなの料理と言えないんじゃない?」なんて言ってましたが、食べて見ると目からウロコのおいしさ!
どこに行っても注文して間違いない!って思ったほどです。
「でしょう!」
「これだったら、ハマナスレストランのメニューとして加えられるよね」
「そうね、やってみよう!」
幾度もオリジナルの店舗、とくに厨房に注目しながらハナさんとマレーシアに帰ったら何が必用か相談しました。
そして、まずは小規模で始める事にしました。
ハナさんはもも肉を一晩味付けの液に漬けて、焼きながら更にレモングラスを刷毛にしたタレ付けをすることにしました。
最初は古い厨房テーブルを使ってみましたが、大きな鍋に炭を入れてイナサルをつくりスタッフ全員でたべて「うん、美味しい」という評価が得られたのです。
それなら、ちゃんとしたバーベキューセットの方が良いという事になり、脚のついたセットを買って来てそこに炭を入れて焼くことにしました。
昨日第一日目はマカピーが付ききりで焼くことにしました。
まだ、宣伝していないので沢山焼くわけには行きませんが、香りが周囲に行き渡る必要もあるのでゆっくりやる事にしました。
パタパタとウチワで火を起こして、油を付けながらこんがり焼くのです。
骨の近くまで火が通らないと血が出てきたりしますから注意が必要です。
午後の熱い日差しが道路を照らし、店の前の歩道で火を起こしているからとっても熱くって、ポタポタ汗が流れ落ちます。
パタパタ・・・焼け具合を見ながらチキンを裏返します。
知らないうちにマカピーはその単純作業に夢中になって時間が経つのを忘れていました。
すると、焼いているマカピーの脇を二人の若い男性がやってきました。
「ブタ肉を出すの?」
「ウチはハラル料理(ムスリム)ですからブタは出しませんよ。それより今日から始めたチキン・イナサルを試しませんか?」
「チキンバーベキュー?」
「そうです。それに特製アチャール(パパイヤの酢漬け)も付き、とっても美味しいんですよ(笑)」
「じゃあ、二人分下さい」
初めて焼いて、初めてのお客さんです。
ハナさんが話をすると、この二人はサラワク州出身の警官でした。
「チキンイナサルの味は如何ですか?」
「確かにうまいね。持ち帰りパックを一つ作ってください」
どうやら、気に入ってもらえたようです。
彼らは少し離れた官舎に住んでいるので、沢山の人に「チキンイナサル」を教えてくれると良いなあ(笑)
焼き方も、最初は買ってきたのが木炭ではなく燻炭ブロックだったので、着火が悪く苦労しましたが、厨房のコンロで火を起させることにしました。
その灰もキッチンでの油ものの皿洗いに使えそうです。
更にココナツ・シェルを一袋買って来て高価な燻炭ブロックの代用をしようとしましたが、こちらは煙ばかり大量に発するので周辺が煙だらけになってしまいました。
遂にはお隣の車修理工場から「なにやってんのよ?」と女主人が見に来たくらいです(笑)
もっともその彼女にも「とっても美味しいから試してみて!」と声をかけると注文して食べてくれました。
そして見事に骨以外を綺麗に食べてくれて「他のチキンバーベキューとちがってとっても美味しいわ」と高評価してもらえました。
焼くのは飲み物係のアズルールに任せることにしたのは、彼の飲み物はあまり上手でない事が分かったからですが焼くほうが彼の性(しょう)に合っているようにも思えました。
「漬け丼」よりもこちらの方が、人気が出そうですね!
マカピーでした。
最後までお読みいただき感謝します。とっても香ばしいんですよ!