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「考え方の集合」を考える:学校や塾で使える新しい思考ツールの紹介

こんにちは、馬渕です。

今日は、メタ的な思考を可能にするための思考ツールを紹介したいと思います。

この方法は、あらゆる問題解決シーンにおいて、「概念の集合=考え方の集合」を想定し、既存の考え方に囚われずに思考を進め、新しい考え方を生み出すことを目指すものです。

「考え方の集合」を考えることによって、メタ的な思考を促進するのが最大のポイントです。

この思考方法は、非常に汎用性が高く、あらゆる分野で活用することができ、また様々な問題解決シーンにおいて高い効果を発揮します。

この「考え方の集合」を考えるために、参照平面という概念を用います。

これは特に、学校(高校や大学など)や塾を含む様々な教育機関で使用してもらうために開発したものなので、

特に学校や塾の先生など、教育に携わる方にお読み頂けたら幸いです。

メタ思考とは?

「メタ思考とは何か?」

まず最初に、この点について考えてみたいと思います。
改めて定義しようとすると難しいのですが、ここでは次のように考えます。

メタ思考とは、一次的な思考としての自分の考えを自覚しながら思考すること。

普段の自分の考えを一次的な思考とすると、それを自覚しながら進めていく新しい思考を、メタ思考と呼べると思います。

※ここでのメタ的な思考とは、一次的な思考に対する二次的な思考に留まらず、このようにいくらでも次元を高めることができるものとします。

一次的な思考 ➡ 二次的、三次的、四次的 ‥‥ n次的…(メタ的思考)

典型的なメタ思考には、例えば、こんなものが挙げられます。

●「いま、自分は~という考え方をしているな…」というメタ認知的な把握
●「自分の考えは、もしかしたら間違っているのではないか?」という懐疑的な考え方
●「自分は既存の狭い枠組みに囚われているのではないか?」という自覚的な考え方
●「これよりもっと優れた新しい考えがあるのではないか…?」という創造的な考え方
●「これは飽くまで一つの考え方(自分の主観的な考え)に過ぎず、他の考え方もあり得るだろう…」という相対的な考え方

※補足;メタ認知との関係
メタ思考は、メタ記憶などと共にこのメタ認知の一種として捉えることができます。

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ここでは、メタ思考を進めるために3つの手順で考えていきます。

ステップ①「考え方の集合」を考える
ステップ②「既知の考え方/未知の考え方」を分類する
ステップ③「既知の考え方」を疑い、「新しい考え方」へ遷移する

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ステップ①「考え方の集合」を考える

まず、次のような「考え方の集合」を考えてみます。

【考え方の集合】={考え方1,考え方2,考え方3,‥‥‥考え方n}

この考え方の集合の中には、例えば、

メタ的/抽象的/具体的な視点からの考え方
時間的/空間的/絶対的/相対的/量的/質的な考え方
人称的/精神的/物質的/長期的/短期的な視点からの考え方

あるいは

哲学的な観点/医学的な観点/政治的な観点/物理学的な観点/生物学的な観点/統計学的な観点/経済学的な観点/社会学的な観点/人口学的な観点/財政学的な観点etc…

このような様々な異なる分野の考え方(パースペクティヴ)が掲載されています。

そして、また「現在の自分の考え方」「一人称的な、主観的な考え方」「自分以外の人々の考え方」「思い込みに囚われた誤った考え方」「当の問題を解決するうえで適切な考え方」

などなど、色々な要素=考え方が含まれています。

そして、この考え方の集合の中には、当該の問題を解決するうえで必要な最適な考え方も含まれているのです。

※補足;数学ほど、厳密に「集合」を考える訳ではないので、集合論の教科書などで登場するような「集まり」として解釈してもらえたらと思います。

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ステップ②「既知の考え方/未知の考え方」を分類する

ステップ②「既知の考え方/未知の考え方」を分類する

この「考え方の集合」のなかで、あなたにとっての既知の考え方(既存の考え方)と未知の考え方(新しい考え方)を分けていきます。

既知/未知の分類のなかで、特に「未知の考え方」のなかに、当該の問題を解決するうえで必要な最適な考え方が含まれています。

補足;学校の授業などで使う場合(例)
「個々の生徒にとっての既知の考え方/未知の考え方」という解釈もできますし、あるいは「このクラス全員にとっての既知の考え方/未知の考え方」という使い方も可能です。

私は、あらゆる問題解決シーンにおいて、このような「考え方の集合」を用いる考え方を社会に広めたいと思っています。

後に触れる通り、この思考方法によって、思い込みを疑うこと/未知の考え方に意識を向けること/メタ的に思考できること等が原理的に確保されるからです。

例えば、学生が何かの科目の勉強をするときも、企業が抱えている課題を解消するために会議をするときも、私たちが自分の人生について考えるときも、この思考方法を使うことが可能です。

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ステップ③「既存の考え方」から「新しい考え方」へ

ステップ③「既知の考え方」に囚われず、次々と「新しい考え方」へ遷移する

このように「考え方の集合」を準備した後、次に目標にしたいのが

「現在の、自分の考え方」に囚われずに、次々と新しい考え方に移行(遷移)していくことです。

なぜ、このような考え方が必要かというと、私たちは常に何らかの信念や思い込みを持っているからです。

この信念(信じていること)や思い込みは、我々が直面する問題の解決を妨げる最大の障害です。

参照平面=「考え方の集合」というシステムを使えば、必ず何らかの思い込みを含んでいる、「現在の自分の考え方」を疑うことが原理的に保証されます。

これは、現代において数百もの種類が知られている、認知バイアス(思い込み)を回避するために私が社会に広めたい解決策の一つです。

この集合上の要素を次々と移行するとき、最大のポイントになるのが、問い(質問)を立てることです。

人間の思考は「問い」によって導かれ、その内容や方向性が決定されるからです。

そのため、「考え方の集合」のなかで次々と新しい要素=考え方に移行するため、こんな風に質問を投げ掛けます。

質問①現在の自分の考え方には、どんな思い込みがあるだろうか?
質問②自分にとっての未知の考え方(新しい考え方)とは何だろうか?

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問題解決の絶対ルール

少し補足になるのですが、実践上で大事なポイントに触れておきたいと思います。

問題解決には、次のような重要なルールがあります。

問題を解決するためには、(当の問題に対して)適切な考え方を選択しなければならない。

このルールは、改めて書く必要がない程自明なことかもしれないのですが、この記事でお話ししているメタ思考の方法を使いこなすために必要になります。

【考え方の集合】={考え方1,考え方2,考え方3,‥‥‥考え方n}

こうした考え方の集合を構成する「未知の考え方」(新しい考え方)のなかには、あなたが直面している問題を解決するための適切な考え方が含まれています。

ということは、私たちが考えるべきことは、やはり「現在の自分の考え方」に囚われずに「新しい考え方」を意識することであり、

この「考え方の集合」を構成する様々な個々の要素を、次々と移行(遷移)することなのですね。

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「考え方の集合」を考えるメリット

「考え方の集合」という考え方を採用すると、非常に様々なメリットが得られます。

メリット①メタ的な思考が可能になり、問題解決力が高まる

「考え方の集合」を考えることによって、問題解決の力を高める効果が期待できます。

というのも、前述の通り、この「考え方の集合」というシステム内では、

「現在の自分の考え方」に固執せずに、次々と新しい考え方に移行(遷移)していくことを前提としているからです。

問題解決の可能性を高めるためには、

思い込みを疑うこと(メリット②)
新しい考え方を意識すること(メリット③)

この2つの点がとても重要になります。

メリット②既知の考え方(自分の考え方など)を疑うことができる

問題解決において、思い込みを疑うことは極めて重要だと言えると思います。

なぜなら、私たちが問題解決に取り組むとき、もし思い込みを完全に排することができていれば、問題を解決できている可能性が高いからです。

思い込みは、普段は基本的に意識することができません。

この「意識することができない」という特徴こそ、思い込みの厄介なところです。

ところが、「考え方の集合」を考えることによって、自分の考え方は相対化され、思い込みを疑うことが原理的なレベルで保証されるのです。

この考え方は、認知バイアス(思い込み)を回避するうえでも極めて有効です。

メリット③未知の考え方(新しい考え方)を意識できる

この「考え方の集合」では、必ず自分にとっての未知の考え方(新しい考え方)があることを想定します。

そのため、システム的に新しい考え方を創造することに意識が向きことが保証されます。

問題を解決できるのは、既存の古い考え方ではなく、自分にとっての新しい考え方であるため、常に新しい考え方を含む「考え方の集合」を概念としてもっておくことが重要になります。

「考え方の集合」をパネル表示する

この「考え方の集合」は【参照平面】という概念を使うことで構成します。

【参照平面】とは、「概念の集合」から構成された平面を意味するものなのですが、この「概念の集合」を「考え方の集合」として扱うことが可能なのです。

※概念は、人間の持つあらゆる「考え方」を表現し得るものだからです。

【参照平面】
=「概念の集合」から構成された平面
=「考え方の集合」から構成された平面
(と解釈します)

この定義の中には、「平面」という表現が含まれています。

これは参照平面を構成する「考え方の集合」を視覚的にパネル表示し、複数の人々が共有できるようにするための定義です。

そのため、参照平面を用いると、例えば、学校や塾で生徒ー教師の間で「考え方の集合」を共有して指導することができます。

最後に

【参照平面】を用いた「考え方の集合」という考え方は、例えば、高校・大学などの教育機関や企業など、様々な場で使用することができます。

学校や塾などを含め、様々な業種の団体・法人様向けに、この概念の最適な導入方法をご提案させていただくので、ご興味持っていただいた場合、下記アドレスより気軽にご相談ください。→mabuchi.gainen@gmail.com

講演や執筆のご依頼も承ります。

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※【参照平面】の概要については、こちらをご覧ください。


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