見出し画像

タラップ

実は旅行にはほとんど興味がありませんでした

父親の転勤で何度も何度も移動しているから

多感な小学四年生の時に東京から沖縄へという

日本半分縦断の旅

那覇空港に到着しタラップで降りると
まだ短い人生の中で経験した事のない湿気

吹き付けて来るというより
まとわりついてきた重いじっとりした空気に
幼いながら軽い絶望感を感じました

頑固な昭和初期の男性である父親は何もしないから
母親は引越の度に1人でおおわらわ

荷造り 手続き 荷開き 手続き
全てを1人でこなしていました
目をつり上げて汗だくになっていた母

返還されたばかりのまるで異国のような沖縄で
孤軍奮闘していた訳です

〝大変だったのよ~!〟
という話はしていたけれど悲壮感はなく

案外楽しめていたんじゃないかと
思ったりもしています

いいなと思ったら応援しよう!

マボ
何かを感じていただけたらお願いいたします! いただいたサポートは他の方々のサポートへと繋げたいと思います。