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結晶
大嫌いな金木犀の薫りに包まれていると
むかしむかしのあれこれを思い出します
先日亡き母が孫娘の就職内定を祝って
私の夢枕にたったので
なんとなく母の事を思い出していました
転勤族だったので思い出の場所は様々
旅行らしい旅行は行った事がないけれど
住む処が多種多様だったので
引越や暮らしそのものが
旅のようだったかも知れません
Kindle漬けの中で〝なるほどな〟と思った一説
遠い過去の思い出は
頭の中で寝かされて結晶になっている…と
良い事ばかりが残っている訳でもなく
悪い事がクローズアップされている訳でもなく
〝結晶〟ということばが
とても心にストン!と落ちてきました
時々ふと思います
母は幸せだったんだろうか…と
細切れの思い出が映像となって現われます
トップ画像は母が彫ったものです
私の祖父母…母の両親だと言っていました
彫っていたのは70代の頃だったでしょうか
母もそうして彫りながら
自身の子どもの頃を思い出していたんでしょうか
外山滋比古『思考の整理学』
作家にとってもっともよい素材は幼少年時代の経験であると言われる。幼いころのことをもとにして書かれた、幼年物語、少年物語、そういう名はついていなくても、そういう性格の作品が、すぐれていない作家は凡庸であるとしてよい。 なぜ、作家の幼年、少年物語にすぐれたものが多いのか。素材が充分、寝させてあるからだろう。結晶になっているからである。余計なものは時の流れに洗われて風化してしまっている。長い間、心の中であたためられていたものには不思議な力がある。寝させていたテーマは、目をさますと、たいへんな活動をする。なにごともむやみと急いではいけない。
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