飛騨も北陸も、そりゃ人気だわ。 【きっぷ1枚で日本横断:#23】
日本横断23日目、大阪駅から。
おはようございます。現在時刻は朝6時前、高校同期宅を早朝に出て、大阪駅へ戻ってきました。ここ数日の大移動が祟り絶望的な眠気に襲われていますが、本日も日本横断を楽しんでいきましょう。
微睡みの中の関西
古都までウトウト
本日最初に乗り込むのは、大阪環状線の外回り列車。ここから関西の近郊を移動する間は、ちょこまかとした乗り換えが続きます。
7分ほど乗って京橋駅に着いたら、片町線に乗り換えて少し東に向かいます。
普通列車に乗り込むこと2駅5分、言わずと知れた難読駅で本日2回目のお乗り換えです。この辺り、眠すぎてほんとに記憶がありません。
おおさか東線というシブめの路線に揺られること15分、終着の久宝寺駅で本日3回目の乗り換えをします。まだ朝6時台なのでスタバ巡りも出来ていませんが、この後の接続を考えるとこのあたりは妥協せざるを得ないのです。寝過ごすか寝過ごさないかのギリギリを攻めつつ、日本横断を進めます。
無事、目的地寸前で起床しました。奈良駅で次の列車を待つ間に途中下車をします。
奈良駅では乗り継ぎまで多少時間があるので、奈良公園へ鹿でも見に行こうかと思ったのですが、奈良駅から奈良公園までは想像以上に遠く、歩いて行って帰ると全然間に合わなさそうだったので、駅前の旧庁舎に入っているスタバに入り、以前伊勢のスタバで当たったチケットを使うことにしました。こちらのお店は以前来たことがあるので、スタバ巡りの店舗数としてはノーカンです。
《参考》ご利益の即効性にビビる勢いでスタバのチケットが当たった日の記録はこちらから。
鹿🦌と戯れられなかったのは少し心残りですが、数日後に宮島で鹿と戯れる予定がありますので、今日はまあよしとしましょう。フラペチーノを飲み終えたら、再び関西本線に乗り込み東へ向かいます。
西への横断、目指すは東
奈良駅からは、まず京都府の先っぽあたりにある加茂駅を目指します。
加茂駅からは気動車に乗り継ぎ、伊賀の山奥を抜けて再び三重県を目指します。紀伊山地を取り囲むように、いよいよ紀伊半島をぐるっと1周してきましたね。
こちらの列車、終着まで乗ると一昨日通った亀山駅まで行ってしまい、片道乗車券としてはルール違反になってしまいますので、3つ手前の柘植(つげ)駅で降りる必要があります。にも関わらず、あまりの眠さに車内では爆睡。目が覚めたら、なんとぴったり柘植駅に到着したところでした。危ない危ない。超絶大慌てで下車します。
柘植駅からは草津線に乗り換え、琵琶湖畔の草津まで北上していきます。ここで乗り遅れると接続が思いの外よろしくないので、本当に寝過ごさなくて命拾いでした。
結局草津線の車内でも大半はぐっすり寝てしまいましたね。列車は50分ほどで、終着の草津駅に到着です。
草津駅では、宿場町らしい旅のお供で有名なお店に立ち寄り、しばらく後に乗り込む予定の特急列車でつまむためのお菓子を購入します。それがこちら。
街道を旅する人に売っていた「うばがもち」というお餅が有名なお店だったのですが、僕は餡子をあまり好んで食べるタイプではないので、その隣に並んでいて気になったマスカット大福をいただくことにしました。
宿場のお菓子を購入できたところで、ここからは東海道本線をさらに東へ進み、琵琶湖の南側を潜っていく形で勢いそのままに関ヶ原を超え、再び岐阜県へ突入していきます。旅の全体像を忘れてしまいそうなので念のため確認しておくと、今は根室駅から佐世保駅まで片道乗車券1枚で旅をしている最中。日本最西端のJR駅へ向かうのに思いっきり東へ向かっていますが、今に始まった話ではないので気にせず突き進んでいきましょう。
関西地区の新快速といえば、特急料金不要の列車の中ではトップクラスとも言えるスピードを誇ることで有名です。相変わらずのスピードでかっ飛ばしながら、琵琶湖に沿って東海道をどんどんと上っていきます。列車は30分ほどで、終着の米原駅に到着です。
この旅最後の東海を惜しむ
西から東へ寝返るが如く
米原駅からは、関ヶ原を越えて大垣駅に向かう普通列車へ乗り込みます。こちらの区間は普通列車だけで東京・名古屋と京阪神を行き来する青春18きっぷ利用者が数多く利用する区間ですが、山深い県境を超える区間なだけあって、かなり列車の本数も両数も少ない区間です。圧倒的に乗り換えも殺伐としていましたが、なんとか着席することはできました。これが俗にいう、関ヶ原の戦いってやつでしょうか(※そんな訳がない)。
列車は30分ほどで関ヶ原を越え、岐阜県は大垣駅に到着です。
昔はこんなところまで東京駅から普通列車やら夜行快速やらが来ていたというのですからびっくりです。もちろん今はそんなものは走っていませんから、何の変哲もない新快速列車へ乗り込んで、岐阜県の中心地である岐阜駅を目指していきましょう。
いつもの18きっぷ旅であれば、この新快速を終着の豊橋まで乗り通して、そこからいよいよ静岡県3時間普通列車缶詰修行が始まるところですが、本日は岐阜駅で早々に途中下車をします。名古屋も豊橋も既に通ってきた道ですから、今回の旅ではもう通ることが出来ませんからね。
岐阜駅に到着した時点で、時刻は正午を回ろうかというところ。お腹が空いてきましたので、乗り継ぎまでの隙間時間を使って駅でお昼をいただくことにしましょう。
高山ラーメンをいただいたのですが、鶏のチャーシューが想像以上にやわらかくて美味しかったですね。駅の外へゆっくりと出歩くことは出来ませんでしたが、それでも満足できる1杯をいただくことができました。
旅に問う、君の名は。
岐阜駅からは高山本線に乗り込み、岐阜県を一気に北上していきます。まずは特急料金節約のため、途中の美濃太田駅まで普通列車で進んでいきましょう。
川沿いの景色と住宅街とが交互に訪れるような車窓を眺めつつ、ついでにどう考えても読めない駅名へ悶えつつ、列車は30分ほどで美濃太田駅に到着です。
美濃太田駅で少し休憩したら、ここからは特急ひだ号に乗り込み、高山の少し先、飛騨古川駅を目指します。岐阜県南部の美濃国から岐阜県北部の飛騨国を目指す訳ですが、飛騨古川駅といえば映画『君の名は。』の聖地としても名高い場所です。心温まる景色に期待しながら、やってきた特急列車に乗り込みましょう。
高山本線は以前も1度乗ったことがあるのですが、やはり飛騨川を臨む川景色が圧巻ですね。特急車内でそれなりにウトウトしてしまいましたが、時折眺める川景色に心癒されました。列車は山の間を縫うように2時間ほど走り、目的地の飛騨古川駅に到着です。
先述の通り飛騨古川駅は『君の名は。』の聖地として名高いですが、やはり聖地には聖地たる所以があるようで、街自体も昔ながらの素晴らしい雰囲気を残した感じがありました。歩いていてとても楽しい街です。
とここで、しばらく歩いているとなんだか気になる幟が目に飛び込んできました。
こんなの買わずにいられる訳がないじゃないですか(憤慨)。というわけで、早速購入しコロッケが揚がるのを待ちます。しばらく待って、渡してもらったコロッケがこちら。
揚げたてのコロッケってだけでもほぼ無条件においしいのですが、中身が自然な甘味たっぷりの飛騨牛と飛騨の馬鈴薯なんですから、もうここまで来るとずるいですよね。文句なしのおいしさでした。
さて、コロッケ食べられたしそろそろ駅に戻ろうかな、と歩いていると、道中さらに気になる建物を見つけてしまいました。
本能がここを素通りしてはいけないと語りかけているようでしたね。中に入ると、店員さんがいくつかの銘柄を試飲させてくださいました。
地酒というと、今までは越後のものばかり飲んでいたのですが、ここに来て飛騨の地酒の良さに気付かされました。というわけで、試飲でめちゃくちゃ飲みやすかった看板商品を購入することに。後で寝床に戻ってから高校同期たちと呑んだのですが、やっぱりおいしい。自分の本能は間違ってなかったなと、嬉しくなった出会いでした。
駅に戻ったら、次の列車を待つ間に本来の目的である『君の名は。』の聖地巡礼をしていきます。こうして訪れてみると、「ああ、あのシーンのところか…」と頭の中に思い浮かぶ感覚がなんとも楽しいですね。と同時に、アニメーションの精巧さにも驚かされる体験です。
飛騨古川駅、思い描いていた以上にいろいろな体験ができました。映画の人気だってもちろんありますが、そうでなくてもぜひまた訪れたい場所です。大満足で飛騨古川駅を後にします。
飛騨を名残惜しんだ先には
飛騨古川駅からは引き続き高山本線に乗り込み、日本海側まで北上して終点の富山駅を目指していきます。ちなみにこの区間が、いよいよJR東海のラストの区間。日本横断も、とうとう中日本へ別れを告げるフェーズに突入したのですね。感慨深いです。
高山本線から見る川の景色は、川の車窓の中でも間違いなく一級品だと僕は思うのですが、いかがでしょうか。飛騨を名残惜しむうちに、列車は富山県に突入し、終着の猪谷駅へ到着です。
猪谷駅からは西日本のローカル線特有の気動車へ乗り換え、富山駅を目指していきます。
猪谷駅から1時間ほどかけ、列車は終着の富山駅へ到着です。
夜の北陸、全速力
スタバ巡りをライトアップ
富山駅からはこの旅で何度目かの北陸新幹線へ乗り込み、金沢方面を目指していきます。しかし、次の新幹線まではまだ50分ほどあるようでしたので、夜の富山駅周辺を散策していきます。以前富山へ訪れた際に綺麗だった、富山運河環水公園を訪れることにします。
以前訪れた時は昼間でしたので、思いの外ライトアップが綺麗でびっくりしました。駅に戻ったら、いつも通り列車の待ち時間で未踏のスタバを巡っておくことにします。
スタバをテイクアウトしているうちに新幹線の時間が迫ってきましたので、駅に戻って日本横断の行程を再開しましょう。
金沢駅まですんなり行っても良かったのですが、お馴染みの特定特急券制度を利用して少しでも特急料金を節約していきます。時間があったので、間の新高岡駅で途中下車してスタバ巡りをしていきます。
スタバ巡りのミッションを果たしたら、1本後の新幹線へ乗り込み、今度こそ金沢駅を目指しましょう。
新高岡駅からわずか13分で、新幹線は現時点での終着駅である金沢駅に到着です。
俊足特急と別れを告げる
さて、金沢駅が現時点での終着駅と書きましたが、それはもうすぐ北陸新幹線が福井県の敦賀駅まで延伸されるから。それに伴い、並行する在来線を走る特急サンダーバード号は大きく姿を変えることとなります。サンダーバード号は在来線を走る特急列車としては圧倒的に速く、乗っていて爽快感がある特急列車です。金沢駅からは、乗り納めがてらサンダーバード号に乗車し、京都駅まで一気に駆け抜けることといたしましょう。
もちろん、その前の乗り継ぎ時間を活用して、金沢駅のスタバにも抜かりなく訪れていきます。
コーヒーを飲んで一息ついたところで、金沢駅に戻って特急列車へ乗り込んでいきましょう。
闇夜で車窓はほとんど望めませんが、それでもかっ飛ばしてるな〜と分かるレベルには速いですね。それでも京都までは2時間近くかかるのですから、特急列車の偉大さが伺えます。あと、間の福井県に降りたてなかったのは若干心残りですが、この後の日程を考えると急がざるを得ないので、また別の機会に訪れようと決めました。
昨日の特急くろしお号よろしく、車内で同行人の高校同期たちと1日を振り返ったり与太話をしたりしながら、列車は京都駅に到着です。あ、昨日のくろしお号と違って今日はちゃんと起きてましたよ。ここまでで散々寝てしまったのでね。
結局、ふりだしに戻る
京都には親戚の家がある関係でこれまでもそれなりな回数訪れており、今更行く場所もないなあという感じでしたので、今回は夜の京都タワーを見て満足することにしました。
京都駅からは東海道本線で西向きに進路を取り、再び大阪方面へ向かいます。途中に今朝まで泊まらせてもらっていた高校同期の家の最寄駅があるので、本日の日本横断の行程はそこまでということにします。朝早くに大阪を出て、結局大阪まで戻ってくるという日帰り旅になりましたが、その内実は実に濃密でした。
寝床を2泊も提供してくれただけでなく、洗濯物さえ引き受けてくれた高校同期へ猛烈に感謝しながら、飛騨古川で買った日本酒を一緒に飲もうと思います。こんだけ過酷な行程を組んでおきながら、なんと明日も早起き必須。寝坊しないことだけを祈りながら、長い長い1日を終えることにします。
それでは、おやすみなさい。