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緊迫の外国人観光客と私(2018年 49歳)
私はその日、日帰り風水開運旅行のため、お隣東京から山梨へ向かう電車に乗っていた。
この路線は2度目位であろうか。前回は記憶にないほど過去である。
でもって現在、いくつか進んだどこかの駅にて、通過待ちかなにかで停車している。
車内は、朝の割にそれほど混雑しておらず、数人が立っている程度。
その中の一人が私で、開け放たれているドア左手脇でボーっと突っ立っていた。
ドア右手脇には、スマホに全集中しているサラリーマン男性。
……車内は、あまねく平和で穏やかであった。
しばらくすると、「まもなく発車」とのアナウンスが流れた。
と同時に、バタバタとした足音が響き、目の前のドアから外国旅行者らしきカップルが飛び乗って来た。
そして、慌てふためきながら私に聞いたのだ。
「▲▲(駅名)!?」
「えっ!?」
突然降って湧いた、不測の緊急事態に、私はテンパり青ざめた。
だってこちとら、この路線2回目の準初心者。全部の駅なんてしっかり覚えていない。
慌ててドア上にありそうな路線図を探す。……が、これまた近くに無いではないか!!!
『ああっ!!ドアが閉まる前に早く判断しなければ、この方たちの旅行が台無しに…!!』
重圧に混乱し、スーッと血の気が引く脳。眼球は泳ぎまくった。
そしたら、その視線の先で、思いがけず先のサラリーマン男性の眼差しとガッチリクロスした。
私はもちろんそのチャンスを逃さなかった。
「すみません!▲▲駅に停まりますか!?」
「停まります」
これ以上なく心強いご回答を得た私は、発車ベルが鳴り響く中、すぐさまカップルさんに「OK!」と返答。
彼らは安堵の表情を浮かべ、「OH!サンキュー!」と告げた。
そしてそのわずか後、このドタバタ劇の幕引きのように、ドアはプシューッと閉まったのだった……。
『あ……危なかった……』
“巻き込まれ緊急事態”を無事乗り越えた私は、その後、視点の合わない目で呆然と外を眺めながら、瞬間的にかかった心理的ストレスと脂汗が消え去るのを待った。
一方、カップルさんは他にも質問があったようで、今度は直接サラリーマン氏に聞いていた。
……そう、単なる受付窓口にすぎなかった私は、もうお役御免となったのだった……。
それにしても、おそらく目を合わせて下さったであろうサラリーマン氏には、感謝の念が止まらない。
あの頼もしい一言にどれだけ救われたことか…。
本当にありがとうございました!
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余談:外国の方に乗り換えを質問される率
外国の方に電車の乗り換えを聞かれるのは、この日で7回目くらい。
普段あまり電車に乗らないのにこの回数ということは、頻繁に乗っている方々はもっと聞かれているのだろうか……?どうなんだろう……。
頻繁に乗車する皆さんは、本当に乗り換え知識が素晴らしかったりする。
対して、私は路線に詳しくもないし、英語も堪能ではないので、電車の乗り換えなどの差し迫った状況で聞かれると、いつもアワアワドキドキしてしまう。
なので、もう少し人を見極めて聞いて欲しい……と思う次第だ。