SDV ーー今知っておきたい自動車用語
こんにちは。
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モビノワで掲載しているコンテンツのご紹介です。
今回は、「今 知っておきたい自動車用語」の第1弾。「SDV(Software Defined Vehicle)」です。
自動車の進歩が目覚ましい昨今。自動車にまつわるさまざまな新しい言葉ができています。そんな新しい自動車用語を不定期ですが、連載しているこちらのシリーズ。モビノワらしく、新しい自動車用語が、クルマのアフターマーケットにどんな影響を与えるか?そんな考察も含めてお届けします。
どうぞ、お楽しみください。(モビノワ編集長 田中)
第1回目の自動車用語に何を取り上げようか迷いましたが、自動車が変化している象徴的な用語にしたいと思い「SDV」を選択しました。
いつ頃から使われ始めた用語か気になって、日刊自動車新聞で「SDV」を検索してみました。すると、「SDV(ソフトウエア・デファインド・ビークル)」という文字が初めて掲載されたのは、2021年4月19日の「上海モーターショーでのサプライヤー、EVシステム売り込む機会 CASE領域の製品を幅広く展示」の記事でした。それから約3年。今では毎日のように「SDV」に関連した記事が掲載されています。これからのクルマを語る上では、もう外せない用語になりました。
さて、このコラムではSDVが自動車整備に与える影響を考えていきます。ソフトウェア・ファーストな点検整備、顧客情報の重要度アップなど想像力を膨らませて筆者なりの可能性を考えてみました。私自身、果たして何が正解で、何が不正解かはわかりません。皆さんと一緒にいろいろと想像して、仮説を立てて、検証してみる…。そのような模索のためのひとつの材料になれれば嬉しく思います。
「SDV」とはなにか?
SDVは「Software Defined Vehicle(ソフトウエア・デファインド・ビークル)」の略。直訳すると「ソフトウェアに定義されたクルマ」です。このままでは良く分かりません…。もう少し噛み砕くと、「搭載されているソフトウェア(ECU)をアップデートすることで、新しい機能を追加したり、性能を高めたりできるクルマ」のことです。
では、SDVの出現が自動車業界にどのような影響を与えるのでしょうか?
ユーザーや自動車メーカーへの影響はさまざまなメディアで取り上げられていますので、モビノワでは簡単に触れるのみにし、自動車整備にできるだけ焦点を当てていきたいと思います。
SDVがユーザーに与える影響は?
SDVはソフトウェアのアップデートによってクルマの購入後も機能の追加や、性能の向上が可能です。そのため、ユーザーはクルマを買い替えたり、部品や用品を購入することなく、常に最新の状態でクルマを使用できるメリットがあります。
よく「クルマがスマホ化する」といわれます。スマートフォンは本体が古くなっても、ソフトウェアのアップデートやアプリの追加によって常に新しい機能が使えます。SDVも考え方は同様です。
思い返してみると、私がガラケーを使用していた頃は新しい機種が出ると「買い替えようかな?」と思うことがありました。しかし、スマートフォンにしてからは「新しい機種が出たから」ではなく、「バッテリーの持ちが悪くなったから」買い替えようかと思うようになりました。また、「OSのサポートが終了したから」も買い替えの理由になり得ます。
このように考えるとクルマのSDV化は、ユーザーが「クルマを買い替えたい」と思うきっかけを変えるかもしれません。
SDVが自動車メーカーに与える影響は?
従来、自動車メーカーは企画・開発から物流、もしくは販売までが守備範囲でした。しかしSDVではクルマの販売後もソフトウェアのアップデートという点で、メーカーとユーザーが接点を保ち続けます。これによりメーカーは、自動車産業のバリューチェーン全体に関わることができるようになります。今まで関与できなかったサービスの領域においても収益を上げるチャンスが生まれます。
一方で…
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