読書会「あずかりやさん まぼろしチャーハン」
大山淳子著、ポプラ社。
大人気シリーズの4作目。初読み作家さんです。表題作を含む5つの物語。ポプラブッククラブで送られてきました。ありがとうございます。
一日百円で何でも預かってくれる、不思議なあずかりやさんのお話。質屋さんは、預けてお金を借りるところ。あずかりやはお金を支払ってモノを預かってもらうところです。
そうか、お金を払ってでも預かってほしいものを案外持ってるんだ。そういや保育園もそれに入るのでは。
誰視点…………?
読み始めて、あっと気づいたこと。
モノたち視点!。
わけありであずけられるモノや、あずかりやさんにあるモノたち。
そうだよねえ、あずけられる側にも、主張するところあるなら聞いてみたい。それを見ているモノたちだっているんですよ。
そういや「モノ扱いすんなよ」とか言うけど、よく考えればそれも結構ひどい言い草だよね………。
現代的なテーマ
文体がとても柔らかいし、小難しい言葉づかいもなくて、すうっと言葉が入ってきます。沁みる。大好きです実はとっても( *´艸`)。
なのに、テーマはホームレスの自立だったり、若年性認知症だったり、自分探しの旅だったりして、それらがとても身近で起こっている問題だということも気づかせてくれます。
そう、どこかの世界で誰かが、ではなくて、すぐ近くにいる誰かも、何かを抱えてたりするんですよね。そこの一瞬の邂逅!
そこから何を掘り下げていくか、読んだときによって違うだろうと思います。時々に読み返したくなる物語でした。
ちなみに
大山先生はあずかりやさんを書くにあたり、プロットを作らないそうです。読書会の最中に創作ノートを見せていただきましたが、メモ!メモです!ノートにぎっしりアイディアが書かれていると思いきや!一行!一言!これは本当の衝撃でした。貴重なお話ありがとうございました。
あ、私が預けたいなと思っているのは、スマホです。むむむ、我慢できずにすぐお迎えに行きそうだ・・・・これはこれで物議をかもすものかもしれませんね。
ということで、ブッククラブの読書会企画、とっても楽しいです。
来月の本も楽しみにしています(^_-)-☆