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映画の扉_cinema

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どんなに移動手段が発達しても世界のすべては見れないから、わたしは映画で世界を知る。
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#韓国映画

【映画評】 チョ・ソンヒョン『ワンダーランド北朝鮮』……砂浜の少女の手のショットの真実

チョ・ソンヒョン『ワンダーランド北朝鮮』(2016) (英語タイトル)My Bothers and Sisters in the North チョ・ソンヒョン(1966〜)は韓国・釜山出身の映画監督。本作のナレーションはハングルではなくドイツ語。どこか違和感を覚えるのだが、それには深い理由があった。 本作のオフィシャル・ウェブサイトに、チョ・ソンヒョン監督が北朝鮮で映画製作を行った経緯が述べられている。 わたしたちが描く北朝鮮のイメージとは、独裁国家、核開発、貧困、飢餓、

【映画評】 ホン・サンス監督作品…時間と距離の覚書(3)…『夜の浜辺でひとり』『クレアのカメラ』

本稿は 《時間と距離の覚書(1)…『次の朝は他人』『自由が丘で』》 《時間と距離の覚書(2)…『『正しい日間違えた日』『それから』》 に続く稿として書かれています。 は 《時間と距離の覚書(2)『正しい日間違えた日』『それから』》は 以下は本稿 となります。 『夜の浜辺でひとり』(2017年) パート1(ハンブルク)の冒頭、ハンブルクの浜辺のカフェでのヨンヒ(キム・ミニ)とハンブルクに暮らす女友だちジョン(ソ・ヨンファ)との会話。ふたりはハンブルクの街を散歩し、そ

【映画評】 ホン・サンス監督作品…時間と距離の覚書(2)…『正しい日|間違えた日』『それから』

本稿はチャン・リュル監督『慶州(キョンジュ)ヒョンとユニ』(2014)の時間の交錯からはじまり、ホン・サンス監督作品の時間の〝遠さ〟と距離の〝近さ〟について述べた 《ホン・サンス監督作品…時間と距離の覚書(1)…『次の朝は他人』『自由が丘で』》 の次稿として書かれています。 前稿も読んでいただければ嬉しく思います。 以下は本稿となります。 『正しい日間違えた日』(2015年) ホン・サンスはやはり面白い。再見したいほど面白い。物語は男女のたわいのない会話のもつれなのだが

【映画評】 ホン・サンス監督作品…時間と距離の覚書(1)…『次の朝は他人』『自由が丘で』

中国生まれの朝鮮族3世で、現在は韓国在住のチャン・リュル(張律 장률 1962年〜)の日本を舞台とした作品『福岡』(2019)。本作品がベルリン映画祭で上映されたと耳にしてずいぶん月日はたつのに、わたしは未だに見ていない。いつの間にかわたしの前をスルーしてしまったようだ。それどころか、その5年前に製作された作品『慶州(キョンジュ)ヒョンとユニ』(2014)を見たのは昨年のことである。アンテナをもっと張り巡らせていればこんなことにはならないと思うのだが、わたしは遅れてくるのが常

【映画評】 イ・ジウォン『夏の夜』。世界がほぐれる。

韓国の若い監督イ・ジウォンLEE Ji-wonを知る人は、日本にどのくらいいるのだろうか。 わたしがこの監督の名をはじめて耳にしたのは、《OAFF(大阪アジアン映画祭)2017》である。この映画祭の特別企画《アジアの失業、求職、労働現場》に31分の中編が出品されたのだ。 調べてみると、映画祭出品作を含め、少なくとも3作品を監督している。 《OAFF2017》に出品された作品は 『夏の夜』(2016) 女子大学生ソヨンと女子高生ミンジョンの物語である。 女子大学生ソヨン(ハ