【映画評】 ホン・サンス監督作品…時間と距離の覚書(1)…『次の朝は他人』『自由が丘で』
中国生まれの朝鮮族3世で、現在は韓国在住のチャン・リュル(張律 장률 1962年〜)の日本を舞台とした作品『福岡』(2019)。本作品がベルリン映画祭で上映されたと耳にしてずいぶん月日はたつのに、わたしは未だに見ていない。いつの間にかわたしの前をスルーしてしまったようだ。それどころか、その5年前に製作された作品『慶州(キョンジュ)ヒョンとユニ』(2014)を見たのは昨年のことである。アンテナをもっと張り巡らせていればこんなことにはならないと思うのだが、わたしは遅れてくるのが常