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映画の扉_cinema

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どんなに移動手段が発達しても世界のすべては見れないから、わたしは映画で世界を知る。
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#ジョナス・メカス

《映画日記17》 記憶を復元する(Vol.2)蔦哲一郎/中村拓朗/イ・チャンドン/ジョナス・メカス/ほか

(見出し画像:ジョナス・メカス『Sleepless Nights Stories』) ある月の初日に書いた映画日記を、うっかりその前月の映画日記に上書きし、前月の記録がそっくり消えてしまった。 そこで、その月の私のツイートと記憶を頼りに、失った記録の復元を試みた。おそらく1/3くらいの復元となっただろうか。時系列による復元は無理なので、映画タイトル別・項目別復元を試みた。 今号はVol.2(最終回)です。 本文は 《映画日記16》記憶を復元する(Vol.1)メカス/ホアン

《映画日記16》 記憶を復元する(Vol.1)メカス/ホアン・シー/アルフォンソ・キュアロン/ほか

(見出し画像:アルフォンソ・キュアロン『ローマ/ROMA』) 本文は 《映画日記15》濱口竜介の短・長編/ジャン=マリー・ストローブ/ファスビンダー/クルーゲ/ほか の続編です。 この文は私がつけている『映画日記』からの抜粋です。日記には日付が不可欠ですが、ここでは省略しました。ただし、ほぼ時系列で掲載しました。論考として既発表、または発表予定の監督作品については割愛しました。 地方に住んでいるため、東京の「current時評」ではなく「outdated遅評」であることを

【映画評】 ジョナス・メカス関連の日記風メモ

2013,5.24 ジョナス・メカス『ウォールデン』(原題)Walden (Diaries, Notes, and Sketches)16ミリ(デジタル版)180分(1969) 昨年90歳を迎えた詩人でアメリカのカウンター・カルチャーのヒーロー、ジョナス・メカスは映画に日記というスタイルを生み出した。『ウォールデン』は彼の最初の日記映画であり、1960年代ニューヨークのアヴァンギャルド・アートシーンの壮大な記録となっている。個人映画におけるターニングポイントとなった作品。

【映画評】 ジョナス・メカス『幸せな人生からの拾遺集』 を編む

ジョナス・メカス『幸せな人生からの拾遺集』(2012)(Outtakes from the life of a happy man)をどのように語ればいいのか、わたしにはそれが見出せない。 『ウォールデン』(1969)、『リトアニアへの旅の追憶』(1971-1972)、『ロストロストロスト』(1976)ならば時間軸や社会背景をもとにジョナス・メカスを語ればいいのだろうが、遺作となる本作にそれが相応しいのか躊躇わずにいられないし、おそらくそうではないだろう。 本作の構成が「

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