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パフォーマンス・音楽・アートの扉_culture

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身体という物質性、知覚の直接性に興味があります。 目と耳、そして皮膚感覚。 それら刺激に満ちた世界。
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#ビデオインスタレーション

【美術批評】 Project〝Mirrors〟稲垣智子展

(見出し画像:稲垣智子、ビデオ作品《桜》) Project “Mirrors” 稲垣智子展@京都芸術センター 会場は、京都芸術センターの「ギャラリー南」「ギャラリー北」「水飲み場」で展開された。 * ギャラリー南「はざまをひらく」キュレーション・高嶋 慈 《間―あいだ》(2011)ビデオ作品 似たような服装、髪型、背丈、顔つきの二人の女性A、Bがテーブルを挟み向かい合っている。Aは風の強い日にミサちゃんを公園で見かけたと詰め寄る。だがBは、風の強い日には公園には行かな

【美術評】 マヤ・ワタナベ 《Suspended States 滞留》 Part.1 『崩壊』

マヤ・ワタナベ『崩壊』9分ループ(2017) 映像インスタレーション 本作の映像インスタレーションは生と死へと向ける視点への接近なのだが、見ること自体への言及でもある。世界は視線によって分節化され、そのことで世界は意味の存在を現し、視線によって世界は解体される。 “マクロ” と “ミクロ” を同時に見ることはできないということ。 この稿では、本作を、眼・見ることの観点から述べてみたい。 “表/裏” 二面のスクリーン。”表/裏” と言っても、どちらが表なのか裏なのかは意味