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体幹とインナーマッスルの違いとは

パーソナルトレーナーとして仕事をしていると、「体幹とインナーマッスルは同じですか?」こういう質問をよく受けます。
実際、体幹とインナーマッスルは違います。この2つの違いについて、また混合されやすい理由についても解説します。

体幹とは

体幹とは四肢(腕と足)を除いた身体の真ん中、つまり胴体部分のことです(頭部を含める場合と含めない場合があります)。そこにある筋肉を体幹筋と言います。言葉の通り体の幹の部分になります。対して手足は四肢と言い、四肢の筋肉を体肢筋と言います。

メジャーなところで言えば「大胸筋、広背筋、腹直筋」などは体幹の筋肉になります。反対に「上腕二頭筋や大腿四頭筋」などは四肢の筋肉になります。

体幹の特徴

  • 中心に脊柱がある
    胸郭・コア(腹腔部)・骨盤という構成になっている

  • アウターマッスルもインナーマッスルも存在する

  • 四肢(腕や脚)の動きの土台となる

体幹の最も大きな特徴は中心に脊柱があることです。そして上部には胸郭、下部には骨盤という骨格があり、各内蔵を保護しています。それらの骨格を守っているのがインナーマッスルやアウターマッスルです。

体幹部にはアウターマッスルもインナーマッスルも存在しています。体幹部にあるのはインナーマッスルだけと勘違いしやすいですが、アウターマッスルも存在しています。

体幹部にある代表的なインナーマッスル

体幹部にはたくさんのインナーマッスルがありますが、代表的なインナーマッスルは腹部周囲にあるインナーユニットと言われる「横隔膜、腹横筋、多裂筋、骨盤底筋群」です。

インナーユニット

インナーユニットは腹腔内圧を保つのに重要な筋群で、骨盤や腰椎の安定に貢献しており、姿勢や動作の安定に大きく関与しています。体幹部のスタビリティには最も重要な部分です。「体幹が強い、弱い」という言い方をよくしますが、それを決める最も大きな要素がこのインナーユニットなのです。

体幹部にある代表的なアウターマッスル

体幹部にある代表的なアウターマッスルは胸板を形成している大胸筋や、背中にある広背筋、シックスパックができる腹直筋などです。身体外側のボディラインを形成しているのがアウターマッスルです。

インナーマッスルとは

インナーマッスルとは名前の通り、身体の内側(深層)にある筋肉のことです。インナーマッスルの上にアウターマッスルが存在しています。インナーマッスルは体幹部だけではなく、四肢(腕や脚)など様々な所に存在しています。

インナーマッスルの特徴

  • 身体の深い部分にある

  • 比較的小さい筋肉が多い

  • アウターマッスルに比べ、起始と停止の距離が近い(例外もある)

インナーマッスルはアウターマッスルに比べて起始と停止の距離が近く、関節運動を行うより骨格の安定や動きの補助をすることがメインの筋肉になります。

インナーマッスルの役割

  • 身体を支える(スタビリティ)

  • アウターマッスルの補助(関節運動の補助)

インナーマッスルの大きな役割は体を支えるスタビリティの役割です。なので身体のバランス能力や姿勢に大きく関わります。体の歪みに大きく関わってくるのもインナーマッスルです。

また肩や股関節などアウターを動かす際に安定した動きを作るための補助的な役割も持っています。

代表的なインナーマッスル

身体の代表的なインナーマッスルと言えば、肩関節を補強しているローテーターカフ、股関節にある深層外旋六筋、それと先ほどご紹介した腹部にあるインナーユニットです。

棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋の計4つからなる筋群で、肩甲骨と上腕骨を繋いでいる。肩関節運動時、上腕骨を引きつけて肩関節を安定させる重要な役割を果たしている。


股関節の後面深部にある筋群で、主に外旋作用がある。


体幹とインナーマッスルが混合されやすい理由

  • 体幹部にインナーマッスルが多く存在している

  • 体幹トレーニングの目的がインナーマッスル強化が多い

体幹部にインナーマッスルが多い

体幹とインナーマッスルが混合しやすい理由の一つに体幹部にインナーマッスルが多いことが挙げられます。また体幹部は身体を支える土台の役割なので、インナーマッスルと認識されがちになります。

体幹トレーニングはインナーマッスルメインに鍛えるものが多い

多くの人が体幹とインナーマッスルが一緒と捉えてしまうのは、体幹トレーニングが体幹のインナーマッスルを鍛えるものが多いということです。体幹トレーニングと聞いて多くの人がイメージするのは、プランクのような身体を支えて維持するようなエクササイズではないでしょうか?

プランクのように動かず身体を支えるような体幹トレーニング(コアスタビライゼーションと言います)は、主にインナーマッスルをメインに鍛えるエクササイズです。一般的によく紹介される体幹トレーニングの多くが、インナーマッスルをメインに鍛えるものが多いので「体幹トレーニング=インナーマッスルを鍛える」という認識になり、体幹とインナーマッスルは同じものと考えてしまうのです。


まとめ

  • 体幹とは身体の胴体部分のこと。そこにある筋肉を体幹筋という。

  • 体幹部にはアウターマッスルもインナーマッスルも存在する。体幹=インナーマッスルではない。

  • インナーマッスルとは身体の深層にある筋肉。体幹部に限らず体の様々な部分に存在する。

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