孤独と海
すこーんと1人ぽっちになりたくて、思い付きで辿り着いた逗子。
暗いうちから、街の中にある小さな山を少し走った。
夜明けの静けさは本当に世界で1人きりになってしまったような寂しさと自由な気持ちをくれるから、その美しさに魅了されて、うっかりそのまま戻って来られなくなりそうになる。
人々が目覚めて、街が文化的な物音を取り戻し始めると、私の魂は決まったように戻って来られる。普段遠ざけたいと思う騒がしさが、私を文化的な生活に連れ帰ってくれたんだ、とホッとするからまた日々の生活に向き合えるんだと思う。
だから、ふと生活の中で思い出した時に、支えになってくれる景色をどれだけ心に持っているかが大切なんだと思った。