「マイ・ディア・ミスター 〜私のおじさん〜」(3)自然体、愛の必然性、IUの演技
愛の必然性
恋愛、家族愛、様々な愛があると思いますが、愛を描く映画、ドラマにおいては、「愛の必然性」を感じさせてくれるかが、そのドラマの質を決めるように思います。
どうしてその人を愛するのか、理由は分からないけど、とにかくその人を愛してやまない、という表現。
人間関係の濃密さ。繋がり。
優れた作品は、雄弁なセリフなど必要なく、目線や表情だけで、愛の必然性をバチバチ、じわーっと感じさせてくれます。
長い間、信頼関係を作ったんだなーとか、苦労を分かち合ってきたんだなーとか。
マイ・ディア・ミスターには、それが溢れています。
これがドラマであることを忘れてしまうほど。
ドンフンとジアンだけでなく、親子愛、兄弟愛、親友との愛、地元の人々との関係、部下との関係。。
それぞれ厳しい環境におかれている人達もいるなかで、荒涼とした現代社会を生きる人々の愛の必然性を、描いているからこそ、このドラマを良質なのにしているものと思います。
兄弟愛や、地元愛で、ここまで泣かせてくれるドラマは初めてでした。
リアリズム、自然体
そして、マイ・ディア・ミスターがすごいのは、その表現がさりげないところだと、思います。
どの場面でも、過剰な演技、セリフがない。
まるで実生活のようで、とても自然。
ここまで自然で、さりげなく、愛の必然性を感じさせ、泣かせるドラマがあったでしょうか。
脚本と演出、演技者の力量に驚かされます。
凄みを感じさせるIU
演技について言えば、IUの演技がとにかくすごい。
無表情のジアンからの、何気ない表情と態度の変化から、愛の必然性を滲み出す凄みのある演技。
印象的な場面はたくさんあって、語ったらキリがないけど、一つだけ語ると、釜山に行く前の、
「一度だけ抱きしめてもいいですか」
「Fighting」
の場面。
この時のジアンの表情。
すごくないですか。。。?
何度思い出しても泣けます。。