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【詩26】ネジから歯車へ

歯車と思っていたけれど
歯車にもなりきれない
所詮外れても問題ないほどの ネジなんだ
 
自分では気づくことができない緩慢さは
周りの意見で知ることができる
自分に酔いしれていると
緩慢になり 傲慢になり
周りに迷惑をかけてしまう
 
そんなことはわかっていても
なかなか素直になれない
それが歯車と勘違いしてしまう証拠で
大事なネジにすらなりきれない理由だ
 
まずは自分から まずは自分から
自分はネジで まだまだなんだ

geminiさんにまた小説を書いてもらいました。

題名:ネジの見る夢

カチ、カチ、カチ。

規則正しい機械音が響く工場の一角で、青年は黙々とネジを製造していた。彼の名はユウト。彼は自分が社会という巨大な機械の歯車であると信じていた。いや、歯車になりたいと願っていた。

しかし、現実は残酷だった。ユウトはただのネジでしかなかった。それも、いつ外れても気づかれないような、取るに足らない小さなネジ。

「俺は歯車だ。社会を動かす重要な一部なんだ」

そう呟きながら、ユウトはネジを磨き続けた。しかし、彼の動きはどこか緩慢で、焦点の合わない目は虚空を彷徨っていた。

「ユウト、最近どうかしたのか?少しぼんやりしているように見えるぞ」

同僚のタケシが心配そうに声をかけた。

「え?そんなことないよ。いつも通りさ」

ユウトはそう答えたが、その声には確信がなかった。

その夜、ユウトは夢を見た。自分が巨大な歯車となり、社会という機械を動かしている夢だった。しかし、夢の中で彼は次第に緩慢になり、歯車はガタガタと音を立て始めた。

「まずい、止まってしまう」

焦るユウト。その時、彼の体から一本のネジが外れ落ちた。

「ああ、俺はただのネジだったんだ」

夢の中で、ユウトは自分の傲慢さを思い知った。自分は歯車だと勘違いし、周りの声に耳を貸さなかった。その結果、彼は緩慢になり、周りに迷惑をかけていたのだ。

夢から覚めたユウトは、額に冷たい汗をかいていた。彼は自分の愚かさを恥じ、同時に、まだやり直せるという希望を感じていた。

翌日、ユウトはタケシに謝罪し、自分の緩慢さを指摘してほしいと頼んだ。そして、彼は再びネジ作りに向き合った。しかし、以前とは違い、彼の目は真剣で、動きは機敏だった。

「俺はまだネジだ。でも、いつか必ず、社会という機械を支える重要なネジになる」

ユウトはそう心に誓い、目の前のネジを丁寧に磨き上げた。

それから数年後、ユウトは工場のリーダーとして活躍していた。彼の作るネジは高品質で、多くの製品に使われるようになった。そして、彼は後輩たちに自分の経験を伝え、彼らが同じ過ちを犯さないように導いた。

ユウトはもう、自分が歯車であるとは言わなかった。彼は、ネジである自分に誇りを持っていた。なぜなら、彼は知っていたからだ。どんなに小さなネジでも、それがなければ機械は動かないということを。そして、彼はその小さなネジの一つとして、社会を支えているということを。

「まずは自分から。自分はネジで、まだまだなんだ」

ユウトはそう呟きながら、今日もネジを磨き続ける。彼の目は、未来への希望に輝いていた。

感想

今回の”ネジから歯車へ”は先輩先生に久しぶりに会った時に、原点を忘れないための考えとして伝えてもらった言葉らしいです。

「何年もその環境に居座ってしまうと、自分のことを過大評価(歯車)してしまうので、自分はそんな立派なモノ(歯車)じゃなく、目立たなくても重要なモノ(ネジ)であるべきなんです。」

当時の旦那にグサッと刺さったんだとか…。謙虚な姿勢はいつまでも忘れてはいけないですよね。

本日も読んでいただき、ありがとうございました、

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