【久々に】お笑い番組を見て思ったこと
僕は、テレビ業界で働いており、バラエティー番組などもいくつか担当しています。
僕が担当している番組はどれも、有難いことに“長寿”番組でして、出演者も、昔からご活躍されている有名な方が多い。
そのため、レギュラー番組以外はあまりテレビを視聴しない僕としては、やりやすくて非常に助かります。
そのレギュラー番組はどれも、バラエティーではあるものの、お笑い要素はあまり強くない。
そのためか、「お笑い番組」を見る機会がここ数年、年に1回、M-1を視聴するくらいで、めっきりなくなっていたんですね。
その立場のもとでお書きしますが、昨日、夜中に「27時間テレビ」を見て、こう思いました。
「出演されているお笑い芸人の方々が、一昔前と全然違う」
僕は、2008〜10年くらいの間、お笑い番組が大好きで、ネタ番組などはほとんどチェックしており、この仕事を始めるきっかけにまでなりました。
ただ、自分が仕事として携わることになった場合、彼ら芸人さんたちがご活躍されるようなコメディ要素やゲーム要素が強い番組とは、どうも水が合わないことに気づいた。
そのため、見る機会が減っていました。
夜中、ふとテレビを付けてみたら、出演されている芸人さんの中で、どなただかわからない方が正直、何名かいらっしゃいまして。
もちろん、名前とコンビ名を聞いたら「あ、あの人か」と思えたのですが、だから
こそ驚愕も強かった。
「いまはこの人がMCをやられているんだな」
「雛壇って、いま、このような方々が出られているんだ」
と、すごく新鮮な気持ちになりました。
それと同時に、一応、テレビ業界に所属している者として恥ずかしい気持ちにもなりましたが。
これを知って思ったことは、
「テレビ界は上が詰まっている」
とはよく聞くことですが、実際は、
「ちゃんと世代交代が行われているのではないか?」
ということです。
少し前はYouTubeやM-1などの大会でしか見られなかったコンビが、深夜とは言え、「27時間テレビ」という大舞台で活躍されていらっしゃる光景を見て、これはお笑い界に限ったことなのかもしれませんが、ちゃんと上が下を吸い上げる機能が働いているような気がします。
表の顔が変われば、裏の顔も変わる。
出演者よりペースは遅いとは言え、僕たち裏方も、現在進行形でゆっくりと顔ぶれが入れ替わっているのでしょう。
その意味では良い意味で危機感もあり、次世代に何を残せるか、考えているところもあります。
制作予算が厳しくなって久しいテレビ業界ですが、まだまだ捨てたものではないのかもしれないですね。