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【現役業界人が語る】M-1グランプリに抱く危機感

昨日、「M-1グランプリ2024」が開催されましたね。
今年は史上初の2連覇ということで、優勝された「令和ロマン」さん、おめでとうございます。

今のM-1は、準々決勝に残るだけでも相当凄く、前の年に決勝に行ったコンビは、忙しくなって良いネタを作る時間が取れず、翌年は準決勝にも勝ち上がれないということも多いです。
その中で2年連続で決勝に行き、しかも優勝してしまうなんて、どれほどのことをやり遂げたのか、言葉では言い表しようがありません。

本当にすごいことだと思います。

それはさておいて、実は今年、僕はこの大会を見ようかどうか迷いました。

僕は、昔はM -1が大好きで、ゼロ年代の頃は、当時配信でやっていた敗者復活戦まもチェックしていました。

今年は、本来の予定であれば沖縄に旅行に行っていたので、もし実際に現地にいたとしたら、僕は多分、見なかったと思います。
それは、観光中だからというのもありますが、それ以上の理由があって。

関係者の方でここを見られている方々には申し訳ないのですが、なんだか、近年のM-1は、

「緊張感が欠けている」

ように感じるんです。

言い換えれば、「マンネリ感」が強くなってきた気がします。

40歳を迎えた僕が、M-1で受け入れられやすい、ボケ・ツッコミを多く詰め込んだテンポの速い漫才、つまり、若者にとって心地よい漫才についていけなくなってきている、というのもあると思います。

ただ、その個人的な事情を差し引いて考えても、最近のM-1は、飽きがきているようにも感じます。

それは、

「放送時間が昔と比べて長すぎる」

ことにも起因していると思います。
黎明期のM-1は、敗者復活戦は地上波で放送されていませんでしたし、決勝戦もオープニングからエンディングまで2時間半くらいに収まっていました。

今は、決勝戦は3時間半あり、敗者復活戦も入れると昼の3時半から夜の10時過ぎまでずっと、放送されています。

敗者復活戦は出場組数が多いのでテンポが良いのですが、決勝は、出場組数に比してあまりに時間が長い。
もっと短縮させた方がいいと僕は思っています。

また、コンビ結成歴15年以内というのも、個人的には微妙に感じます。
15年ですと、かなり完成された漫才をやってくるコンビも多く、漫才のレベル自体昔と比べて上がっている中で、

「大御所同士の大会」

を見ている気分にもなってきます。

もし今後も続けるのであれば、そろそろコンビ結成歴10年以内に戻した方がいい気がします。

そもそもM-1は当初、かつての大会委員長の島田紳助氏のご意図では、

「10年芸人を続けて売れなかったら諦める」

そのきっかけを作る意味もあって創設された大会です。

その当時と比べてお笑い芸人さんがブレイクする年齢も、テレビなどで活躍する年齢も上がってきているとはいえ、結成から15年ですと、みんな甲乙つけ難い漫才をやってくるので、もちろんそれは良いことなのですが、視聴者も審査員もなかなかに評価が難しい。

もし何も改めないままこのまま続けていくと、2〜3年のうちに視聴率は急落し、5年後には大会自体無くなっている、ということにもなるかもしれません。

ただ、お笑いは本来、勝ち負けをつけたり、争うべきものではないというのもあるので、それはそれで時代の流れでもある、と僕は思います。
M-1が終了次第、キングオブコントやR-1など、他の大会も無くなっていく、そんな風になっていくかもしれませんね。

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田中雅(みやび)
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