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「気がつきすぎて疲れる」が驚くほどなくなる「繊細さん」の本


人と会うと、その人の話した内容、その時の表情や口調等を自然と分析して、「あーかも、こーかも、いやそーかも」と思いながら一人で何度も考えてしまう時があります。

「これって変?」と思って、「考えすぎる」というようなワードをAmazonで検索すると、「”気がつきすぎて疲れる”が驚くほどなくなる”繊細さん”の本(著者:武田友紀、出版:株式会社飛鳥新社)」というタイトルに巡り合いました。

試し読みを進めてみると、「何だか私のこと言っているような気がする」と感じて、一度読んでみようと思い購入しました。

この本の概要と読書後の感想を綴っていきたいと思います。

「繊細さん」とは

著者さんはこの本で、「繊細でストレスを感じやすい人が、繊細な感性を大切にしたまま、ラクに生きる方法」を紹介しています。

本の構成は「繊細さの仕組み」から始まり、「人間関係でストレスを受けない対処法」や、「職場での肩の力を抜いて過ごす具体的な方法」等が記載されています。

この本の中で定義されている「繊細さん」とは、米心理学者エレイン・アーロン博士が提唱した「Highly Sensitive Person (HSP)」という概念がベースで、日本でもこの概念が浸透し、「敏感すぎる人」や「とても敏感な人」等と訳出されています。

HSPという言葉自体も定着してきているようですが、恥ずかしい話、私はこの本に出合うまで、この概念を知りませんでした。

この本を読む前から、自分は多少なりとも「繊細」だと自覚していましたが、実際に「HSPの特長や気質チェックリスト」を見てみると、多くの内容に該当するので、少し驚いてしまいました。

この本の結論は、「自分の繊細さを克服すべき課題ととらえるのではなく、いいものとしてとらえる」ことです。

繊細であるということは、つまり生まれ持った気質であって、我慢してどうにかなるようなものではない。

自分の「繊細」な部分をしっかりと受け止め、その気質を活かす術を磨くこと。

本を読んでいると、そんな風に感じました。

繊細さん=半自動的に感情をキャッチしてしまう

周りからよく「気にしすぎ」と言われ続けて、「あまり物事に対して気にしすぎないように心がけよう」と思っていました。

この本を読む前までは!

でもこの「気にしすぎる性分」は、著者曰く『繊細な人が持つ「繊細さ」は、性格上の課題ではなく、生まれ持った気質の可能性が高い』ということらしい。

言い換えると、背の高い人が身長を縮めることができないように、繊細な人が「鈍感になる」とか「気づかずにいる」ことはできないのです。

繊細な人は脳の神経システムが刺激に反応しやすいため、小さなことに気づくことはごく自然のことなのだとか。

繊細な人は感じる力が強いため、人の感情やその場の雰囲気といった人間関係に関するものから、光や音、気温等の環境の変化など「自分の外側にあるもの」はもちろん、体調や自分自身の気持ちなど「自分の内側で起きていることも」よく感じ取ることができるのだとか。

痛みであっても、心地よさであっても、遭遇すれば半自動的にキャッチしてしまう。

必要なことは「気にしない」という言葉ではなく、「気づいたことにどう対処するか」ということになるそうです。

事実、私も「気にしないでいよう」と思っても、「気づきたくなくても視界に入ってくる・聞きたくないと思っても自然と聞こえてしまう」ため、どうしても「どーなんだろう」とか「こーなんだろう」と考え続けてしまいます。

「気づいたことに半自動的に対応し、振り回されてしまう(=生活の中で気疲れしやすい)」ため、「この自動応答を切る必要がある」と本では紹介されています。

何かに気づいたときには、少し踏みとどる。

それについて「対処したい」と思えばすればいいし、「したくない」と思えばしないでも良い。

今までは、気づいたことについて「どうにかして、なんとかしなきゃ」という心理が働いていたような気がします。

本を読んでいて、気楽に構えていても良いのかなと思えるようになりました。

気づかない人もいる=非・繊細さん

この本を読んでから、私は「気づいてしまう人」であって、逆に夫は「気づかない人(=本では「非・繊細さん」と呼んでいます)」であることがわかりました。

目の前の状況、例えばコップがテーブルの端に置かれている場合、その状況を気づかずにはいられないのが繊細な人で、非・繊細な人はその小さなことに気づくという神経システムがないそうです。

気づいたとしても「それほど気にならない」程度らしく、繊細な人とは「感じ方が真逆」なんだと分かりました。

「私が気づいたからといって、他人も気づいているはず」ということではなく、非・繊細さんは「ただ単に気になる感覚を持ち合わせておらず、繊細な人感覚がわからない」人ということになります。

これを知ってから、「なーんだ、夫は私の持っている感覚を持っていないんだ」と理解することができ、前よりも「なんで気づかないの??」という疑問を持たなくなりました。

夫にこの本の話をすると、「そしたら、気づかないというのも気質なんだから、変えられないものなんだね」と言われ、「なんで夫は気づかないんだ」と思っていた私も、この本のおかげで仕組みを理解できました。

毎日のストレスをなくすには

この本では、ストレスをなくすための方法や、自分を活かす技術、肩の力を抜いてのびのび働く技術、人間関係を楽にする技術、毎日のストレスを防ぐカンタンなワザ等、他にも多彩な方法が紹介されていました。

私の中で一番印象に残ったものをリストにしてみました。

  • 「気づかないようにする」といった感覚を閉ざすのではなく、ストレスのもととなる様々な刺激を「まずはモノで防ぐ」⇒大きなストレスとなる場所や相手とは距離を置く

  • 人との間隔がストレスになる場合は、相手と境界線引いて自分のペースを守る⇒透明な壁を作るイメージ

  • 素の自分を出す⇒周りに合わせようとするとストレスになるため、自分の思いを相手に伝える

  • 自分の繊細さと仲良くなる⇒繊細さを「いいもの」と受け止めることは、自分を「いいもの」と肯定することにつながる

どんな人でも、「考え疲れ」や「緊張疲れ」といったストレスがたまると、神経が休まらずに、疲れが取れにくくなるそうです。

繊細な人はそれが非常に大きく影響してくるということなので、感情からくるストレスを減らしていくことがポイントになると学びました。

日々いろんなことをすぐに感じ取ってしまうので、「この感じ取る」という感覚も、自分にとっては良いものであると自覚することも大事なのかなと思いました。

これは、これからじっくり向き合っていかないといけないと思っています。

まとめ


本を読み終えて、この「気になる性格」というのは「そういう気質で変えられないもの」なのだと理解できたことが大きな収穫となりました。

今までは「気にしないでいるにはどうすればいいのか」といったことをネットで検索したり、How-to本を探したりしていました。

「気づいても、口に出さず、考えないようにしよう」

そんな風に思っていても、やっぱりどこかで気になってしまう自分がいて、「なんでこんなに気になるんだろう」って少し悩んでいました。

この本を読んで、「身長も自分では変えられないし、この気質も持って生まれたものであれば取り外すことはできない」と思えるようになれました。

私にとっては、今まで「気づいていたこと」が「そういう気質を持った人であれば当たり前のこと」であると気づかせてもらえたので、心のストレスが少し開放されました。

読んでみていろいろと考えることもあり、納得できることもあり、気づかせてもらえたこともありと盛沢山で、本当に参考になる良い本に出会えたなと思いました。

この本は、小さな気づきを与えてくれた一冊となりました。

以上が簡単なレビューとなりますが、ご参考になれば幸いです。

最後まで読んできただきありがとうございました。


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