パズル教室をコロナ禍により少人数制にして、かえって良かったと思うこと7つ。
シリーズ「パズル教室の現場から」
~No.6~
私が日々運営するパズル教室、コロナ前は1回あたりの定員を8人~10人で開催していました。会場によっては結構、 子どもがぎゅうぎゅう詰めに密集したりしていたので、そのままの形で開催すると「密」になります。
このため、コロナ禍の緊急事態宣言により4月~5月に一旦完全に休講したあと、6月下旬以降に再開するにあたっては大きく定員を減らす必要に迫られました。
現在は、5人程度の少人数制で開催しています。
そして、座席の配置を工夫。
兄弟姉妹が同時に参加する場合は、その子たちは近くに座ってもらうこともあるのですが、基本的には会場の許す限りソーシャルディスタンスを取り、離れて座り、向かい合わせにならないようにしています。
すると、だいたいトップ画像のような感じになります。たぶん、小学校の座席なんかより、全然「密じゃない」と思います。もちろん、やってる間は窓全開。寒い季節は上着を着たまま参加してもらいます。元気な子は冬でも半袖だったりするので、暖房で密閉よりも、吹きっさらしがむしろ好都合です。
もちろん、少人数制にすることによる運営上のマイナス面は、いろいろあります。当然のことながら1回開催あたりの利益率は激減(今年度は持続化給付金で補填…)。そして、なるべく多くの参加希望者に参加してもらうためには開催回数を増やす必要があり、会場を押さえる手間やコストが増加。そして私自身の1日あたりの拘束時間も長くなります。
あと地味に、申し込み管理が大変です。「定員5人に達した時点で申し込みフォームを閉じる」が、毎月ものすごくアクロバティックでエキサイティング(笑)申し込みする側も、希望日時の争奪戦になっているので大変でしょうけど、受け付ける側も、なかなかに毎度てんやわんやしております……
しかし、それらを勘案しても、「少人数制にして良かった」と思うことがたくさんあるので、それについて今日は書きます。
「コロナ対応で仕方なく」のものを、
「いやいや実はこの方がいいじゃん」という思考に転換できるかどうか?が、これからの時代に生き残れるかどうかのボーダーラインになると思うので。「いつか元通りに……それまで何とか耐えて……」と思っている限りはもう、終了。滅びるしかありません。そのぐらいの危機感・切迫感を持たないと、もういろいろ無理なんで。 これから冬も来るし。次の春がどんな春なのかは予想もつきません。新しい形に、いかに柔軟に思考を適応させていくか、だと思っています。
ではでは前置きはこのぐらいにしまして。
以下、この形にして「良かったこと」7つ。
①子どもの様子がよく見える
当たり前ですが、5人しかいない状態だと、1人ひとりの様子がよく見えます。スイスイ進めているのか、ウンウン悩みながら進めているのか。その様子を踏まえて、それぞれの子どもたちの状況に合ったアドバイスができます。助言の精度が上がるような気がしています。
あと、パズルやってる間は余計な手出しは一切しないように気をつけているのですが、悩まなくていいようなことで悩んでいる場合(イラストに描かれた物の名前がわからない、とか、ワークシートのページめくるのに手間取ってる、とか)、ササッとサポートできるので、その分、子どもたちは限られた時間を効率良くに使えているように見えます。
②子どもも周りを気にせずに取り組める
少人数制であることに加えて、座る向きは基本、壁向きにしています。向かい合わせにならないように座るために。
こういう。
各自、自分の世界。
これが、すごく集中しやすいみたいです。
私の方も、子どもの背中側から取り組みの様子を確認することになるのですが、実は並べた積み木を子どもと同じ方向から見ることができたりして、かえってわかりやすかったりします。
そして、対象年齢といい、目指すところといい、ドンピシャかぶってるこの本の表紙の、
「教えるときは うしろから!」と書いてある、このイラストそのまんまの状態になります。
つまり、すごく良い。
なぜ良いのかについては、この本を読んでください。
③4歳になりたての低年齢の子のフォローがしやすい
パズル教室に参加可能な年齢は、学年で区切らず「4歳になったら」としています。4歳以上なら、何歳でも、いつからでも、参加OK。もう少し細かく言うと、4歳以上で、母子分離可能で、こちらの指示が理解でき、自分の希望を私に伝えられるようになったらOK、です。
それでも4歳の子が、10人の参加者の中に混じるというのは、本人もかなり度胸が必要になるし、受け入れる私の方も十分なサポートができるか不安があります。1回60分って、4歳になりたての子からすると物凄く長い時間ですし。
それが、参加者5人なら、丁寧に見てあげることができ、ご本人もドキドキ感が少なく参加できるので、低年齢スタートのハードルがかなり下がったように思います。
4歳ぐらいの子って、ただ単に「じっと見ててあげる」ことが大事だったりします。教えなくてよくて、「見ててあげる」。大人の視線がそれると集中力が薄れてしまうのです。なぜだかわかりませんが。なので、必然的に「じっと見ててあげる」時間が長くできるのはとても良いです。
別に4歳になってすぐ始める必要はないのですが、例えば上の子がすでにパズル教室をすごく楽しんでいたりすると、「私はいつになったら始められるの!?」と心持ちにしている場合もあるので、条件が合えば早い段階で受け入れてあげたいと思っています。
低年齢の子のフォローがしやすい体制になったのは、少人数制の大きなメリットだと感じています。
④難問に挑戦する小3~小4の子のフォローがしやすい
一方、長年パズル教室に通ってくれている熟練者にとっても、少人数制はメリットが大きいように感じられます。
開講当初に年中~年長だった子たちが、今もう小3~小4なのですが。長く通ってくださっている子ほど、難問ばかりが残っていて、にっちもさっちも行かなくなっていたりします。
そこを随分サポートしやすくなりました。
難問だからって手取り足取り教えるわけにはいかないのですが。
少人数だと目が届くので、問題解決の手がかりになるようなところにちょっと近づいた時に、「あ!今の、いい感じかもよ!?」と、気づいてリアクションすることができるのです。
熟練者には、そのちょっとしたリアクションが十分なヒントになり、難問クリアにつながります。
実際、「マスターコース表彰状」取得者が、ここへきてかなり増えてきました。みんな本当によくがんばってくれています。
⑤私の体力が削がれすぎない
参加者が5人の時と、10人の時とだと、私の動き回る歩数が明らかに違います。5人だとつくづく、省エネです(笑)
これはこれで良くて、もうこの人数のペースに慣れてしまったので、たぶんこの先、人数を増やすと辛いです(汗)
メンバー固定の出張会場なら、動きがある程度読めるのでまだ大丈夫なのですが、ランダムに子どもが集まる一般会場で10人対応って……補助の方に入っていただいても、もう2度と無理な気がしています。
私自身もいつまでも若いわけではないし、自分自身の今後の体力の衰えも想定すると、5人定員はベストであると感じています。
これまでは60分集中で一気に体力消耗していたのを、省エネモードで60分×2とかの形で過ごす感じ。非効率だけど、これはこれで、心身の負担が少なくて、ありだな~と思います。
⑥保護者の方へのお話が短時間で済む
子どもたちがパズルを終えたあとに、保護者の方に今日の取り組みの様子をお伝えしてからお帰りいただくのですが、それがとても短時間で済むようになりました。
定員5人と言いつつ、兄弟参加者が多いと迎えに来る保護者は2~3人だったりして。順番待ちの時間も短くなり、下の子と一緒に来てらっしゃる方の負担も軽減できます。
2コマ縦積みになっている日の入れ替え時間も、間の時間は30分あれば十分で、消毒の時間を取っても慌てることなく次の人たちを迎える準備ができます。
何だかいろいろ合理的です。
⑦片付けが短時間で済む
さらに、5人分だと片付けが劇的に楽です。出すものが少なければ、片付ける量も少なくなるので当然ですが。
その日の最終コマのラスト10分ぐらいになると、もう使わなさそうな道具はどんどん片付けてバッグにしまっていくことができます。
終了後のパズル道具の片付け・机の配置の現状復帰・使った机と椅子の消毒作業を含めても、撤収作業が15分で全て終わったことがあり、感動したこともあります。以前は1人でやると30分以上は絶対かかってました。
地味に助かる変化です。
…………
…………
以上、このように考えると良いこと尽くし………
と、思うようにしています。
利益率減が少人数開催の最大の難点なのですが、継続参加者が継続し続けてパズル極めてレジェンドコースに昇格していってくれると、それに伴い状況が改善するので、ド難問をワシワシ解ける子に育て上げることができれば私も生きていける……という、なんか、面白いことになっております。
ますます力が入るぜ!(笑)
何事も、工夫と考え方次第。
これからもがんばっていこうと思います。
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シリーズ「パズル教室の現場から」過去の記事はこちらのマガジンにまとめております。
今日はかなり内輪な話というか、わかる人にしかわからない話になっちゃいましたが、現在の気持ちの記録ということで。1年後には、どんな思いでいるかしら……
明日は、シリーズ「我が子育ての現場から」で、古い下書き保存の記事を掘り起こして仕上げたいと思います。もう!夜更新のサイクルから抜け出したい!朝更新に戻したい~!
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