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旅には出にくいご時世だけど、「可愛い子に旅をさせる」ことはできる。
シリーズ「我が子育ての現場から」
~No.4~
「可愛い子には旅をさせよ」と言います。親側がこの言葉を日々意識して子育てすれば、現代の子育てを取り巻く様々な負の現象(過保護・過干渉など)の多くが好転する気がします。いつもベッタリな親子ほど、「思いきって離れてみる」ことにより得られるものは、子どもにとってはもちろん、親にとっても相当大きいのです。
とは言え今年はコロナ禍で、子どもだけで参加できるキャンプや宿泊イベント、野外体験の類いはことごとく中止。「旅させたくても、旅させられない!」という状況下にあります。
このような状況下でも、子どもにとって「初めての○○」は、ことごとく大冒険であり、旅に出ているようなもんです。テレビの「はじめてのおつかい」って、確かそういう番組ですよね(私あんまり見ないのでよくわからないのですが)。番組の元になった絵本がそもそもそういう、大人にとっては何でもないことが、子どもにとっては大冒険になるお話で。
なので、まあ、5歳の次女の方に「旅をさせる」のは、わりと簡単にどうすればいいのかわかるわけです。まだまだ未経験の「初めての○○」が山ほどあるので。
……本人の性格的に、ビビりでものぐさな性分につき、なかなか「未知との遭遇」的なミッションには乗ってくれないとは思いますけどね……
問題は、小4(9歳)の長女の方ですよ。
おつかいなんて、余裕ですよ。
自分の必要な文具や欲しい漫画は、自分で「ちょっと買い物行ってくる」とか言って買ってきたりするし。
短距離なら1人で電車もバスも乗れますし。
困ったら子どもケータイか、公衆電話で連絡してくるし。
※防災・防犯対応として、ケータイに頼らず公衆電話を使えるよう、子どもに教えておくことはかなり重要です。「ケータイ欲しい」ってなったタイミングで、「家の電話と公衆電話が使いこなせるようになったらね」って言うのオススメ。
そんなこんなで、もはや、「日常の大冒険」という形の「旅をさせる」は、無理なのかな~?と思っていたのですが。
いやいや、まだまだありますね「未知との遭遇」。
おでかけしなくても、日々の学校生活の中に。
……………
……………
9月中旬のある晩、「明日学校に行きたくない……」と長女がメソメソ泣いておりまして。しかもなかなか理由を話してくれない。これは~~いじめにでも合ってるのかな?と思ったのですが……
理由を話してくれるまで、根気よくメソメソに付き合っていると……
「明日、2年生のクラスに行って、運動会のスローガンを、みんなの前で説明しないといけない……そんなのうまくできない……」
とのこと。
そう言えばこの方、休校期間中に繰り返し読んだ漫画「天使なんかじゃない」の冴島翠に憧れて、クラスの代表委員になってたんでした。
これまでは資料の整理だのポスター作りだの、わりと裏方業務的な仕事が多かったので、「またロング昼休みに代表委員会だったから外で遊べなかった!」程度の愚痴はこぼしつつ、楽しそうにやってたのですが。
初めて、代表委員の仕事として、「前に立って話す」、しかも、馴染みのクラスメートの前ではなく、「知らない子たちの前で話す」が到来。
そりゃ~ドキドキするよねー!
逃げ出したくもなるよねー!
何となく、この子が小1の時に、初めて2泊3日のサマースクールに申し込みして、直前になって「やっぱり行きたくない」ってメソメソ泣き出したのを思い出しましたね。あぁ、あの時と一緒だなぁ、と。
親としては結局、何もできないわけです。
サマースクールも代表委員の仕事も、親がついて行って助けてやることは、できない。
「自分の力で、何とかやりきってこい!」って、送り出すしかない。
その状況を経験することの価値が、非常に高いからこそ、「可愛い子には旅をさせよ」って言われるんでしょう。
サマースクールをキャンセルしたり、学校を休ませたりするのは、親の対応として最悪だし。
事前にどうにかして練習させるのも、なんか違う。
ただただ、「応援してるよ♪」って、エール送るしか、ないわけです。もどかし~い話。
で、私、代表委員ミッションに怯えてメソメソしてる長女に何て言って励ましたかというと……
「バンジージャンプみたいなもんだよね……」
と。
いえ。やったことないけどバンジージャンプ(笑)
最近見たとあるアニメの中にバンジージャンプの話が出てきて、ビビってなかなか飛べない登場人物が描写されていたので、それを思い出してもらい。
「未知の経験は、誰しも先の想像ができないから、怖いものだよね。あれこれ考えて不安になっちゃう。
でも、
覚悟を決めて、えいやー!と思って、
やってみたらきっと、一瞬のことで、
『なんだ、大したことないじゃん!』って、
なるよきっと!」
と。
思えば自分自身も、これまで幾多の未知の経験を、ドキドキしながら、不安を抱えながら、それを乗り越えて乗り越えて、ここまで過ごしてきたものです。
人前でしゃべるのも、最初は緊張したと思うんですよね。今は職業病としていろいろマヒってしまったから余裕ですけど(汗)
何事も、やってみないことには、わからないわけで。
ビビって逃げている限りは、いつまでもいつまでも、「未知なもの」「未知ゆえに不安なもの」が、残るわけで。
なので、「それをやらねばならぬ」という状況に追い込まれたとして、その機会を「経験値を蓄えるチャンス!」ととらえて、何とか進んでいって欲しいわけですよ。
いつまでも我が子を、自分の手の中、自分のわかる範囲、把握できる領域に置いておきたい親心を乗り越えて……
「よし!行ってこい!」と送り出す覚悟もまた、親の側には時に必要で。
なればこそ、「可愛い子には旅をさせよ」と言われるのでしょう。
……………
……………
翌朝、長女はうにゃうにゃ言いながらも、ランドセル背負って学校へ行きました。
帰ってきた時の第1声は、
「ママの言った通りだったよ!バンジージャンプみたいなもんだった!!一瞬だったし、大したことなかった!!」
……いや、バンジージャンプは、あなたも私もしたことないんですけどね(笑)
きちんと、2年生に説明できたようです。
ともあれお勤めご苦労さん。
「未知のもの」「未知ゆえに不安なもの」が、1つ減ったようでした。
旅に出すのは難しくても、それに似た経験は、親も子もできますよ~というお話でした。
以上。終わり。
*****
久しぶりに無駄に長い感じの、シリーズ「我が子育ての現場から」でした~時間かけて書けばいいというものではない、とわかってきたはずですが、まだまだ修行は道半ばです……
明日は、「# とは だけで30本書くチャレンジ」に戻り、「地域活動 # とは」について書きます。子育て期間が孤独な暗黒時代になるか?充実のキャリア形成期間になるか?は、地域活動に参加するか否かにかかっている!というのが持論なので。
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