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【キャリア】 ワーママが続けられるかは環境によるところが大きいよね、という話

いろんな方のnoteを見ている今日このごろ。特に、自分と関連のある育児系やワーママ系は良く読んでます。

その中で、それぞれの方が働いている環境などによって本当にワーママとしての経験って千差万別なんだなぁと感じる。

そして、そういう様々なケースを通じて自分自身のいる環境の立ち位置みたいなものが分かるようになってきた今日このごろ。もしかしたら、ものすごく恵まれた環境なのかも?と感じています。


日本の色んな会社を知る

少し前に、こんな本を読んだ。

この本は新卒で社会人になった後に、割と早めの段階の20代のうちに妊娠・出産をして育休後復帰した女性達を追って細かくインタビューを重ねた研究をまとめたものです。

本書の中では、インタビュイーの女性の方々の会社の体制や企業文化によって、ワーキングマザーとしての働きやすさというのはかなり左右されることが示されていました。会社として、あるいは部署として、産育休を取った後に家庭と仕事を両立させるために時短勤務などが必要になった時に、それでも仕事へのある程度の責任感や裁量をもって働けるのか、それとも不本意な異動やマミトラへの移行があったり居づらさを感じるようなことがあるのか…。あとは、先駆者やロールモデルになるような人が社内にいるのか。

本当に会社によっても温度感って全然違うんだなぁと思うと同時に、仕事をバリバリこなして一生懸命にやりたい人ほどどんな会社・部署を選んだかによってその希望が絶たれ、最終的には退職するに至ってしまうことも良くあることなんだなぁ、と知りました。


自分のいる会社はというと

私のいる会社はそういう意味ではかなり恵まれているのかもしれない、と思った。

まだ若い会社なので私の入社時には育休の事例はそこまでは多くはありませんでした。でも、マネージャーレベルの人で育休を何度も取得していて、それでも降格などはせずに自分の職務をまっとうしている人もいた。その際、時短や育休で抜けるのに合わせてマネージャーの定員を増やして2人体制でやっていた。若くて成長中の会社だからこそ、常に人材の需要があって柔軟にチーム編成を変えられるということで、突発的な人員増加にも対処出来るのはかなりの強みなのかもしれない。

そもそも弊社は女性比率が多いので、独身・既婚、子持ち・子なし問わず様々な働き方をしている女性管理職の方がいる。

子どもがおらず、かなり若くして管理職へと昇格した私の元上司もロールモデルの一人です。彼女は、夫の都合で海外へ移住することになったので一度退職をしたのだけど、その後個人契約のフリーランスのような雇用形態に切り替えて海外からフルリモートで仕事を再開した。

時差やその他の制約があるから、他のマネージャーのようにチームをもって…というのは難しいものの各部署でマネージャーの手が足りない部分や、単独で専門的なサポートが必要な部分に入って仕事をしてくれている。私の周りでは彼女のような働き方が理想的だと言ってる人達が結構いる。

そしてそして、弊社のトップも子供二人を育てるワーキングマザーの女性。彼女の働き方も、人となりも私は大好きで、入社時にこの方がトップだから入社を決めたと言っても過言ではない。


ポジティブでいられるのは理由がある

振り返ってみても、今働いている会社はロールモデルだらけだし、様々な形で活躍する女性の例が多いので非常に参考になる。良い会社に入ったのかもしれないと、改めて感じた。

ちょっと前にこんな記事を書きました。タイトル通り、私が出産や子育てをしているのが現代の世の中で良かったなぁという事を書いている。私は会社勤めのワーキングマザーなので、主にそういった制度面や周りの理解についての話。

これは、私のいまいる職場、そして夫の職場で働きやすい環境が整備されていて、それに対する罪悪感などなく働けている部分もかなり大きいんだなぁと思う。

これはどこの本で書いてあったのか思い出せないので引用は出来ないのだけど、最近読んだ本で、「日本は男性育休に関しても制度としてはかなり整備されているし、恵まれている。しかし、それを実際に上手く活用する風土が整ってない」みたいなことが書いてあった。日本人のマインドセットとして、欧米に対する一株のコンプレックスや憧れがあるから制度としては整えるのだけど、それが実際の社会におけるドメスティックな価値観とは相容れない…という内容だった気がする。

これだったかな?

つまり、制度としては可能なことも多いけど心理的(?)、文化的に実際問題難しい職場というのは少なからずあるのだということ。

男性と「平等」に働く

『「育休世代」のジレンマ』の話に戻ります。

インタビュイーの中で、育休復帰後に退職を選ばざるを得なかった人(あるいは退職予定の人)は、男女の別なくバリバリと働いている(働きたい)人が少なからずいたらしい。「女性らしさ」というものに若干抵抗があり、身を粉にして働く男性と同じように働いてきた人たち。

「男性と同レベルでバリバリと働きたい」という希望(本人が意識してるかしてないかは別として)があったからこそ、出産後には自らの首をしめてしまうことになった。

一方で、復帰後も自分らしくある程度の裁量をもって働けている層の人たちは、自分の女性の部分、女性らしさの部分に違和感を覚えることなく享受して、結果育休復帰後も仕事を続けることが出来ている。

世間のイメージでいうと、ちょっと逆っぽい気もする。どうなんでしょう?

私の場合、今の会社に入社する時点ではそこまで育休の充実度などは気にしてなかった。でも、上場やトップの人たちが自分にとって良きロールモデルになるかどうかというのはかなり重視したかと思う。面接の最終段階でトップの方との面談もあり、その際に「この人がトップの会社であればぜひとも働きたいな」と思ったのでした。

イメージを抱けることは大事

いまでこそ私はこのように働きやすい環境で働けているけれど、私の人生の前半戦(1/4?)においては全くそんなことはなかったなと思う。というのも、性犯罪被害に遭ったのが大きなきっかけとはなりつつも、アメリカで研究職に進むのをためらったのも、「ロールモデルがいない」という部分が大きかった気がするから。

身近に女性教授達は多かったのは良かったのだけど、全員独身か離婚済の方でした。結婚して子どもを育ててた人は博士課程には進まずに修士のみで教えられる分野で教えていた人のみ。皆頭も良くて魅力的ではあったので恋人がいたりはしたんだけど一人としっかりつきあうというよりはフランクに付き合う自由な感じで、家族をもって子どもを育てて…というタイプがいなかったのが結構ひっかかっていた。私の理想は家族を作ることだったから。

また、私の研究がジェンダースタディやQueer theoryもかすっていたので一層、「伝統的な家族の形」みたいなものを個人として追求することが研究においてはマイナスになるのかも?という葛藤もあった。今思うと全くもってそんなことは無いはずなんだけど。そういうことも含め、キャリアとしての研究職については私は諦めることになったのかなと思う。

今まで、研究の方を「キャリア」として現職と一直線上に置いて考えてみたことがなかったので気づかなかったけど、改めて振り返ってみると、諦めるに至った理由はちゃんと存在してたんだなぁということがわかる。

私自身、研究をやめるということは才能がなくて(あるいは続けるだけのパッションや努力が足りなくて)諦めたから、自分はダメ人間だなと思っていた部分も少なからずある。本当は働き続けたかったのに諦めざるを得なかった人たちも同じように自己嫌悪とか低い自己肯定感に苛まれて苦しんだ時期があるのかもしれない。

だから、自分自身の今の環境に対しては感謝しつつ、ポジティブな発信もしつつも、まだ現状葛藤を抱えている人たちや課題の多い環境が多くあることに関しては忘れないようにしたいなと思いました。

おわり。

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