見出し画像

没後30年 木下佳通代

大阪中之島美術館で開催中の「没後30年 木下佳通代」展に行ってきました。木下佳通代は1960年代から1990年代に関西を拠点にして活動されたアーティストです。1994年55歳の時に癌で亡くなられています。

経歴を拝見すると、前衛的な美術集団で活動されていた時期もあるので、何となく取っ付きにくい作風をイメージしたのですが、実際の作品にはそのような雰囲気はありません。むしろ心の中のハードルは低く、サラッと入ってくる感じでした。

本展は第1章から第3章までの3部構成になっています。回顧展ということで、初期から晩年までの作品133点が展示されていました。
第1章 1960-1971 
第2章 1972-1981
第3章 1982-1994

一貫した創作テーマと、年代により変化する表現手法の関係性を見ることが出来ました。この展覧会の詳細については、下記のサイトに素晴らしいレビューがありますのでそちらをどうぞ…。

やはり本展のメインは「第3章 1982-1994」になります。1982年以降の作品は、明らかに放たれる「力」のベクトルは太く強い物になっています。特に病気治療のため、長期滞在中のロサンゼルスで作成された《LA'92-CA729》《LA ’92-CA711》《LA ’92-CA700》辺りの作品に大変魅力を感じました。いずれも1992年作なので亡くなられる2年前の作品です。また展示方法も、作品の魅力を引き出すのに十分な配慮がなされていて、実に贅沢な空間が提供されていたと思います。

本展あまり人気がなくて残念なのですが、人がいないときに写真を撮りました。この雰囲気に惹かれる人は多いと思います。気になる方はどうぞ。。

正面右奥側《LA ’92-CA711》・右側《LA'92-CA729》
右側《LA'92-CA700》