ほっこり癒される昼飲み‼️の本「ランチ酒」(^ ^)
本(ランチ酒)
ランチを食べながらお酒を飲む昼酒の本(小説)です。主人公の女性は夜の仕事ですが、お水関係ではなく、見守り本舗に勤める夜中の見守り屋という設定です。30歳過ぎのアラサーのバツイチで1人暮らし、娘は祖父母と同居する父親が引き取り、月1回の面会が許されています。
見守り屋の営業時間は夜の10時から朝の5時までで、何かこう書くと思わず深夜食堂を連想してしまいます。多少の仕事時間の変更はありますが、仕事が朝から昼前に終わるので、仕事帰りの一杯という訳で、ランチ酒となります。
昼もしくは朝からのお酒、しかもアラサーの1人女性が注文するには、本人曰く結構廻りの目線が気になって勇気がいりますが、ここで登場する食堂の店員さんは皆、快く注文を受けてくれます。文中に店名は出てきませんが、全て実在のお店ということで、B級をメインとした様々なランチが登場します。東京都内のお店が多いですが、大阪の阿倍野の刺身定食や千葉の房総半島の海鮮丼も登場します。
居酒屋と違う食堂での飲み方は、おかずだけでなくご飯もお酒と一緒に味わうことであり、ご飯も酒のアテになるということです。まあフランスなどでは、米はメインの付け合せで、野菜感覚で食べるといいますから、それも納得ものです。
仕事の後の一杯は最高に旨いものですが、それは夜でなくて昼間でも同じことで、お酒とご飯、おかずが三位一体となったマリアージュが至福の時であると、主人公は毎回そう感じています。
これは単なるグルメ小説だけではなく、その見守りの依頼人の様々な人生も、ランチ酒と並行して描かれています。時には昼酒のほのかな酔いに浸りながら、その日の依頼人とのやりとりを思い出す場面もあります。それは単に仕事でのやりとりに留まらない、依頼人のこれまでの人生を考えたり、自分自身の人生を振り返ったりする時でもあります。
美味しいランチと美味しいお酒、そして出会った人々との人情味あふれる関係、1冊の本で2度楽しめる小説となっています。
実はこの本、続編も含めて3冊刊行されており、既に2冊目の続編は読了し、そのうち3冊目も読んでしまうと思います。本好きで料理好きな自分には、ぴったりと本だと再認識した次第です。