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CSカレッジ Vol.3 – カスタマーサクセス・シミュレーションゲーム に行ってきた!

運営/登壇者と参加者との双方向のコミュニケーション・コミュニティ体験を通じて、文字通りカスタマーサクセスを学ぶ”CSカレッジ”の三回目のイベント、『CSカレッジ Vol.3 – カスタマーサクセス・シミュレーションゲーム』に参加して来たのでレポートします。
※今回はゲームに参加するので手一杯で、いつもの議事録的レポートの形式とはだいぶ体裁が異なりますのでご容赦ください!

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■概要
日時:2020年1月20日(月)19:00〜
場所:ABEJAセミナールーム(東京都港区白金1-17-3 NBFプラチナタワー 10F)
詳細:https://connpass.com/event/158823/

本イベントは、カスタマーサクセスをボードゲーム形式で学ぶ体験型の勉強会です。
第3回目は、「架空の会社のカスタマーサクセス担当者(CSM)になりきり、その会社のカスタマーサクセスを立ち上げ&実践し、会社の収益を最大化していく」というシミュレーションゲームを行います。
ゲームを進めることでカスタマーサクセスの全体像を体系的に学びつつ、CSMの意思決定プロセスを疑似体験することができます。
今回のゲームの想定企業(仮想)は、B2B・SaaS・サブスクリプション型です。
様々な会社のCSMの方でグループを作り、ゲームを進めながら議論をしていただきます。
CSM支援のプロであるHiCustomerさんも議論を一部サポートいただけます。
カスタマーサクセスの全体像を学ぶことで自社に足りていなかった要素を発見したり、CSMの意思決定における悩みポイントの解決方法や優先順位の付け方などを学び、自社のカスタマーサクセスをさらに加速させましょう。

カスタマーサクセス・シュミレーションゲーム概要

イベントの「概要」にもあるように、カスタマーサクセスをシミュレーションゲーム(ボードゲーム)形式で疑似体験しながら学びます。

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参加者は、4名のテーブルごとに『名刺管理ツール”ツムツム”』のCSチームとして、1年間(1ターン2ヶ月×6ターン)様々なCS施策を実施し、MRRとチャーンレートの改善を目指します。全15チームの中で、1年後(6ターン経過後)に最もKPIを改善したクループの勝利です。

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ゲームの概要、ルール説明

施策により改善を図る、KPIの設定(前提)
ゲームに登場するキャラクターは「顧客」と「CSM」の2者。様々なイベントの乗り越えつつ、CSMを介したアクションにより、顧客からのプロダクトへのFBであるKPI(「MRR」と「チャーンレート」)の改善を図ります。

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シートとカード
このゲームでは、CS活用を「シート」と「カード」で表現、管理します。

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シート
シートは全部で以下の4種類
①ヘルススコア管理シート(Googleスプレッドシート)
②顧客シート
③自社シート
④行動確認シート

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①ヘルススコア管理シート

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1ターン毎×6ターン分、顧客に対して実施する施策を設定すると、自動的に顧客のヘルススコア・それに応じた顧客のリアクション(炎上、チャーン等)が自動的に表示される。
ちなみに、ヘルススコアはデフォルトは非表示で、アクションカードを使用すると可視化出来るようになる仕組み。
※参加全チーム分シートが用意されています

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※ヘルススコア管理シートの入力方法説明書。細かすぎて多分伝わらない。

②顧客シート

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顧客のフェーズとVoCを管理するシート。
ターン0≒チュートリアルのタイミングではほぼ白紙(Ver.1)。ターンごとに自動的にプロダクトに反映されるVoCが一番右に並んでいる。
ターン1以降で裏返すと(Ver.2)、横軸が顧客のフェーズ(オンボーディング→アダプション→エクスパンション)、縦軸が顧客のTier(エンタープライズ・SMB・スタートアップ)のマトリクスが現れる。
ターン1以降は、ターン毎に追加される新規顧客カードをこのシートの一番左の列に配置し、アクションカードを使って右に移動させていくと、VoCがプロダクトに反映されることでMRRが加算されていく。
…既に何言ってるのかよくわからなくなってきた。。けどまだまだルール説明は続きます。

③自社シート

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自社シートは大きく分けて3つの表で構成。
KPI管理(シート上段・横長の表)
ターン毎の「MRR合計値」「チャーンレート」「CSリソース数」を記入
CSリソース(シート左下の表)
CSのリソース管理表。縦軸がCSMのスキルレベル・横軸がCSMの人数を表し、表中の”○”の数(=CSリソース)を消費してターン内に「アクションカード」を使うことが出来ます。なお、スキルB未満のCSMを3ヶ月間放置(「教育」のアクションカードを使わない)と、自動的にそのCSMは転職し、CSリソースが減少します。
プロダクト(シート右下の表)
プロダクトにVoCが反映されると、プロダクトのレベルが上がり、「アップセル」のアクションカードを使った際にMRRが加算されます。
VoCは、2ターン毎に自動的に追加されるのを待つか、アクションカードでVoCを集めに行くことで、プロダクトに反映されます(プロダクトのレベルが上がる)

④行動確認シート

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ほぼ、ターン内で発生したイベント・イベントの影響を受ける顧客・イベント対応に必要な施策(アクションカード)を一時的に置いて置く場所と化したシート。
横軸に6ターンの時間軸が置かれていたので、ここにターン毎にイベントやアクションカードを並べていくイメージだったのかな、と思いつつ、全然カードがスペースに収まり切らなかった。。

カード
カードは全部で以下の3種類
①顧客カード
②アクションカード:自分たちで選択可能なもの
③イベントカード:勝手に発生するもの

①顧客カード

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顧客の情報が記載されたカード。ゲームの結果に影響する内容は以下の3つ
契約更新月
更新月に「契約更新」のアクションカードを使用しないと自動的にチャーンになり、MRR・チャーンレートのKPIに影響。
MRR・顧客フェーズ
プロダクトに対するアクションカード「プロダクトフィードバック」や、顧客に対する「オンボーディング」を使用し、MRRと顧客フェーズをそれぞれ上げていく。
このカードが、ゲーム開始時に10枚、以降、ターンを経るごとに自動的に5枚ずつ追加されていきます。

②アクションカード

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CS施策の手札。CSMのリソース内で、カードの左上に記載されたCSリソースを消費して施策を実施出来る。自チームでは大まかに以下の4つに分類し、ターン毎に、現ターンでどの施策を行わなければいけないか、次ターンでどの施策が必要になりそうかを都度考え、選択。
・顧客のフェーズに応じた施策(オンボーディング、アップセル、等)
・CRM施策(サーベイ実施、コミュニティ管理、炎上対応、等)
・KPI設計/CS戦略(ロードマップ設計、ヘルススコア設計、等)
・CSM組織拡充(採用、CMSの育成、等)

③イベントカード

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イベントカードは、ターン毎に自動的に発生する「赤色」カードと、選択したアクションカードや顧客のヘルススコアに応じて発生する「青色」カードの2種類。赤色カードはそのターンになるまで伏せられている。青色カードは発生条件を満たすのに数ターンを要するものが多く、「顧客の炎上」などのネガティブなイベントが発生しないように・「コミュニティ効果」などのポジティブなイベントが早期に発生するように、「アクションカード」を使用するタイミングをゲームの早いタイミングで計画・設計出来るか、がこのゲームのキモ。
と、いうことに、ゲームが終わってから気づいた。

グループ討議の進め方(チュートリアル)

ゲームは、2ヶ月を1ターンとし、1年間=6ターン経過後のMRR・チャーンレートを競います。
ターン毎に発生する「赤色イベントカード」や、「顧客カード」の更新時期やフェーズなどに応じて、使用する「アクションカード」を選びます。
顧客ごとに選択した「アクション」を「ヘルススコア管理シート」に登録すると、顧客のリアクション(無反応、炎上、チャーン、ヘルススコア改善、等)が可視化されます。

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4人1チーム、各自にそれぞれ役割を設定してゲームを開始します。
が、始まったら正直それどころじゃなかったです。。

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ここから、ターン0として、チュートリアル的に全チーム共通の「イベントカード」「アクションカード」が指定されてゲーム開始。

0.「会社のミッション」と「CS方針」の策定
自社シートに記載されていて、サラッと説明された「CS方針」を設定します。あまりにもサラッと過ぎて自チームではここを決めずにゲームを始めてしまった部分。3ターン後くらいにそれを後悔することになります。。

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各シートの入力方法、カードの説明が続きます。

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ターン0で発生する「イベントカード」、選択可能な「アクションカード」の説明。

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この時点での自チームの様子。
卓上は各シート・カードが整然と並べられ、余裕のある和やかな雰囲気。

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ターン0のアクション選択結果を「ヘルススコア管理」シートに記入。

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アクションカード選択の結果生じるイベントが無いかを確認。
と、いう説明をされたが、アクションカード選択→イベント発生、とするとたぶん間違い。無計画にアクションカードを選択すると、顧客増加やターンに自動発生するイベントに伴って使わなければならないアクションが逓増的に増加し、3ターン後ぐらいに放置された顧客の炎上 or 必要なアクションに対するCSリソース不足によって詰むようになっている。気がする。
「0.CS方針」で決めた方針に沿って発生させたいイベントから、逆算して必要なアクションカードを選択するのがおそらく勝ち筋。SaaSは先行投資。

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ゲーム結果

MRR・チャーンレート共に、全体の上位1/3くらいで着地。自チームのヘルススコアシートは真っ赤か。3ターン目でヘルススコア可視化カードを、4ターン目でヘルススコア改善のためコミュニティ管理カードを使ったのが奏功して、なんとかゲーム終了まで炎上・チャーンを発生させること無く、なんとか持ちこたえることが出来ました。

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ゲーム終了時の自チームの様子。みんなヘトヘト、机の上はカードやシートでごちゃごちゃ。お疲れ様でした!

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感想・まとめ

ゲーム作った丸田さんすごい。このゲーム&イベントだけで収益化出来るんじゃないかと思うくらい、作り込まれていて完成度が高かった。

それはさておき、ゲームを通じて、カスタマーサクセスの体制構築・方針決定は、SaaSプロダクトにおける経営・事業の戦略や方針の策定とほぼ同義だと感じた。
将来を見越して、先行投資的に最適な施策実施の判断が出来るかどうかで、事業拡大後に十分なリソースが割けるか、顧客に先回りしてリテンションやアップセルのための施策が打てるかどうかが決まってくる。後手を踏めば、今回のゲームで直面したように、やらなければならないことが沢山あるのにそこに割けるリソースが全然足らない事態を招く。
ただ、CS立ち上げの時点から十分なリソースを確保することは現実的に難しい。まずは少ないリソースをどこに充てなくてはならないか判断するため、ヘルススコアの集計・可視化→必要な施策の実施から始めるのが良さそう。それと同時並行で、VoCのプロダクトへの反映(プロダクトロードマップの策定・開発リソースの確保)、CSMの採用・教育(HR)、等、人的リソースを拡充する必要もあり。
今回のゲームでは、新規顧客が自動的に毎ターン逓増的に増えていくPMFが達成されている条件下で行われたにも関わらず、上記の施策実施の判断が遅れ、ヘルススコア真っ赤、CSリソース全然足りない状態まで追い込まれてしまった。(ほんと嫌な汗かいた。。)実際のSaaS事業だと、PMFが達成された、あるいは達成されそう、という判断の上でCSへの投資判断が行われるだろうから、さらに判断するタイミングが難しそう。
CSの施策の意味や目的を理解するだけでなく、SaaSのビジネスモデルや事業拡大を身を持って知るためにも、今回のゲームは有意義だったと思う。CSMだけでなく、経営層やエンジニアなど、SaaSに関わる全ての人に体験して欲しい、と感じたイベントでした。

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