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撮る、見る、遊ぶ、カメラの楽しみ

写真を撮ることが好きだ。
20年以上好きなのでたぶん死ぬまでカメラで遊ぶだろう。


大学を卒業してから数年、バイトをしながらぶらぶらしている時期があった。在学中に就活はしていたが電車に乗って通勤して仕事している自分がまったく想像できなくて途中でドロップアウトしてしまった。ちょうど就職氷河期の終わりごろだったことも影響していたかもしれない。

ぶらぶらしていた時期に「写真の専門学校に通ってみようかな」と思い立ち体験入学に申し込んでみた。もう学校名は忘れてしまったが渋谷か池袋の専門学校だったと思う。
教室で体験入学の流れを説明され、1人1台カメラが貸し出された。貸し出されたのは「ちゃんとしたカメラ」だった。当時、私は中古で買ったかなり古いキャノンのフィルムカメラを使っていたのでちょっとドキドキした。
そのカメラで私たちは学校の周辺で写真を撮ってきて学校で現像してプリント作業をするという体験入学だった。すごく太っ腹な学校でフィルムがなくなったら同行している先生に声をかければ新しいものをくれた。「どんどん撮っていいよ」と言われ、私はフィルム3本分撮ってしまった。

こんなにおもしろいことが勉強できるのか!!と思いながら夢中で写真を撮って学校に戻り、在学生の方が現像してくれたフィルムでプリント作業をした。おもしろくて仕方なくて私は一番最後まで残ってプリントしていた。暗室の中での作業、はじめてのプリント、しかもモノクロ、すべて初めてのことで夢中になった。
私の写真を見た先生が「シュールなの撮るね」と言ったが、ただの感想なのか褒めていたのかよくわからなかったがうれしかった。

冒頭でお察しの通り結局その専門学校に通うことはなかった。
学費を親に払ってもらうか借りることになるし、田舎者の私には電車で往復3時間かけて都内の学校に通うことはハードルがかなり高かった。それにこんなにおもしろいことを勉強して仕事にする自分が想像できなかった。
無理してでも通っていたら人生がちょっと変わっていたかもしれないと思うが、今も写真が好きなのでいいかな。


デジタル一眼レフカメラは安くはないが、現像とプリントのお金や手間を気にせずたくさん撮れるのがいい。フィルムカメラで撮っているときはプリント代を考えてフィルム1本を大切に撮ったものだ。デジタルで撮るようになってから写真を撮る機会がぐっと増えた。

カメラは旅行に持っていくだけでなく、大好きなテーマパークや動物園や水族館にも持っていく。
テーマパークはカメラを持って行かなくても楽しく過ごせるが、風景やショーをカメラに収めて後でその写真を見るとその時の思い出や感動が鮮やかに蘇ってくる。
動物園や水族館では一瞬たりとも同じ表情をしていない動物たちの姿を見て撮るのに忙しくあっという間に時間が経ってしまうが、帰宅してからもその表情を見ることができる。

カメラってほんとうにすばらしい。


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