31.社員を辞めさせないルールの力
お読みいただきありがとうございます。
前回は、
社員を辞めさせないようにする努力の必要性をお伝えしました。
社員が辞める理由の第1位は人間関係だと言われています。
特に介護の職場では人との関わりが多いため、その傾向が顕著に表れます。
「人間同士の関係だから、どうしようもないのでは?」と思うかもしれませんが、実は会社のルールを明確にすることで、人間関係のトラブルをある程度防ぐことができます。
人間関係の衝突は業務のやり方について意見が対立することで起こります。
たとえば、「私はこのやり方が良いと思う」「いや、こっちの方が正しい」という意見の食い違いがきっかけで言い争いになり、関係が悪化してしまうのです。
このような衝突を防ぐには、会社が「この業務はこのやり方で行います」とルールを決めておくことが重要です。
やり方が明確になれば、どちらが正しいかで争う必要がなくなり、余計なトラブルを回避できます。
実際、当社では3施設目を開設した際に問題が起きました。
新しいスタッフが業務のやり方を1施設目と2施設目のスタッフに聞いたところ、全く異なる方法を教えられ、混乱してしまいました。
さらに1施設目と2施設目のスタッフ同士でも「自分たちのやり方が正しい」と主張し合い、施設間の対立にまで発展しました。
そこで、会社として業務のやり方を統一したルールを作成したところ、こうしたトラブルは解消され、施設間の連携もうまくいくようになったのです。
また、ルールを明確にすると、他にもたくさんのメリットがあります。
例えば、新入社員に作成したルールブックを渡して「この会社はこのルールに基づいて運営しています」と伝えれば、いちいち細かく説明する手間が省けます。
新入社員も、最初にルールを知っておけば、働きやすいです。
さらに、ルールを基準にして社員を評価すれば、「どうすれば昇進できるのか」「会社に貢献できるのか」が社員にも明確に伝わります。
その結果、社員はモチベーションを高めて行動するようになります。
ただし、ルールを一度作ったらそれで終わりというわけではありません。
会社の状況や時代の変化に合わせて、定期的に見直しを行うことが必要です。
その際、現場の意見を取り入れながら、ルールを改訂していけば、会社全体の一貫性を保ちながら、働きやすい環境を作ることができます。
このように、会社のルールを明文化することは、社員が辞める原因を減らすだけでなく、新入社員の教育効率化や社員のモチベーション向上にもつながり、最終的には施設全体の成長にも貢献するのです。
まとめ ルールのある職場をつくる