病んでいた時期に宗教勧誘された話
(注:このブログは宗教及び宗教勧誘を否定するものではありません。)
こんにちは!
突然ですが、皆様は宗教勧誘されたことがありますか?
・インターホンから頼んでもないのに流れ出す説教
・ピザのチラシ並に無条件に入れこまれる宗教雑誌
・何故かちょっと上がる自己肯定感
・阿佐ヶ谷姉妹のモノマネがバズっていた面白いやつ
おそらくこのような印象を受けるのではないでしょうか?
私自身もこのようなイメージを持っていました。というか、家に訪ねてきたこともありませんでした。
しかし!!!
宗教勧誘はそんな体系化できるほど甘いものではなかったのです。
―――時は20××年―――
私が高校2年生のときまで遡ります。
特にきっかけもなかったのですが、希死念慮を知り、タナトスに誘惑され、自問自答を繰り返してたらこの世の心理を知りたくなっただけの普通の高校生でした。
今考えると原因よく分からないけどなんか病んでた(テヘペロ)って感じの時期です。
そんなごく普通の高校生だったため、友人関係にも勉強にも悩んでる訳では無いのに学校をサボり気味でした。
「いってきまーす」と家を飛び出して、自転車を漕ぎ向かう先は学校ではなく千葉駅だった、そんな時期です。
都内に関わりのない千葉の高校生にとって千葉駅は"エデン"でした。
でっけえ本屋でマンガを物色し、試し読みの小さいブックレットを全部読破したり。
カラオケ館に開店凸してフリータイムで1人で好きな曲を歌いまくったり。
アニ〇イトに入り浸ったり。
今思えば刑法のどっかしらに抵触してそうな悪事の数々です。
地元の感覚でカラオケの前に自転車を停めていたら違法駐輪で回収されるという本物の悪事もやらかしたのはまた別の話です。
1時間くらい泣く泣く歩いて2000円払って取り戻しました。高校生の2000円は大学生の諭吉みたいなもんです。
例のごとくうまい棒を例に挙げると20本分にもなります。
すいません、そんなに多くなかったです。
もしかしたらBABYMETALが違法駐輪の悪事性を訴える世界線もあったかもしれません。
違法駐輪、ダメ、ゼッタイ
あと、まあ女の子にモテたかったのでLiSAの曲を90点取るまで永遠に歌い続けたりもしてました。
あとから聞いたところ、LiSAではモテないとのことだったのでUNISON SQUARE GARDENに方向転換しました。
言わなくてもわかると思うんですけどそんなにモテなかったし、オリオンはなぞれませんでした。
この記事を読んだ普通の高校生が自宅に火炎瓶を投げ込んできそうですが勘弁してください。
1mmの語弊もなくこのような生活を送っておりました。パパ、ママごめんね。
そうは言っても、帰ると希死念慮と自尊心の欠落が大爆発して壊れちゃうので自分なりに編み出したストレス発散方法でございます。
さて、そんな生活と日常の高校生活を行ったり来たり行ったり来なかったりしているとさすがに飽きるのですが・・・
そんなときヤツが現れました。
そう、暇潰し界、いやスマホ界を席巻したアイツです。
ポケモンGO!!!!!!!!!!!!!!
世間は貧乏神からキングボンビーに変身するときの歓声並みの盛り上がりを見せました。
当然、私の心でもキングボンビーが6つのサイコロを回しています。
何このゲーム、超楽しい!!!!
何を隠そう千葉駅は当時、ポケモンGOの聖地なのだ。
千葉駅なんてもううじゃうじゃポケモンがいました。
サボりは加速するし、友だちが部活のときでも1人で千葉駅にポケモンGOしに行きました。
ポケモンなんて日本男児の共通言語です、自然の摂理なのです。
そんなある日、事件は起こります。
ある日曜日、部活の友人を置いて私は1人で千葉にポケモンGOに向かったのです。
1人となるとサカナクションのアルクアラウンドを聴きながらお散歩しつつ、スマホのバイブレーションが鳴ったら立ち止まってポケモンを捕まえる他ありません。
まさに、僕は歩くつれづれな日です。
しかし、時は真夏。暑い。疲れる。
もう歩きたくない私は公園の日陰に座ってポチポチしてました。
日本書紀ではこれがSTAY HOME版ポケモンGOの始まりとされています。
これが運の尽き。
若めの兄ちゃん2人組が声をかけてきたのです。
おそらく大学2年くらいの風貌だったでしょうか。
「ポケモンすか?一緒にやりません?」
まあよく考えるとこの時点で明らかにおかしかったのですが・・・
当時の私は自己肯定感の欠如とオタ活の影響で知らない人と話すことに何ら抵抗がありませんでした。
病んでたし、単純に嬉しかった。それだけ。
最初は何ら不思議なとこもなく、ポケモンの知識も豊富な兄ちゃん方で楽しくワイワイ話してました。(そういえば高校楽しい?大丈夫なん?とか聞かれてた気がする)
さて、兄ちゃん達との親睦が深まったところで、場所変えようという話になりました。
私が某公園によく出るピカチュウ欲しかったので移動したかっただけなのですけど。
そんな話をすると兄ちゃん達も行きたい!と言うので何ら断る理由もなく承諾しました。
ですが、兄ちゃん達は腹が減ったので先に飯食いたいというのです。
私は昼を食わないことによってオタ活資金を生成するなどしていたのですが、まあそれはそうということで付き合うことに。
兄ちゃん達「ちょっと別の連れとも合流するわ!」
私「へ??????????????」
当時の私の感情は「これやばくね?」じゃなくて「連れいたんかーい!!!」と盛大なツッコミをカマしていました。馬鹿です。
波平がいたら叱られていたことでしょう
「ボッケモ~~~ン!!!」
まあそんなこんなで若い兄ちゃん達(4人になった)と愉快(いろんな意味)な俺でフードコートへ向います。
私はフードコートあること知らなかったんですけど、ついて行くとだいぶ遠いんですよね。
ポケモンGOでは長距離歩けばタマゴが孵化するのでどうでもよかったのですが。恐るべしポケモン。
そんなこんなでフードコートに着きました。
オタ活のしすぎでお金がない私「大学生奢れや!(お腹すいてないんでお水だけで大丈夫です)」
しっかりの心の声に留めておきました。
さて、兄ちゃん達も食い終わりそろそろピカチュウの楽園へGo to heavenするのかなと思っていた矢先、深よくない話が始まるのです。
「人生とは~」とか「成長するって~」みたいな在り来りなアレよ。
不幸なことに私は人の考えを聞くのが好きな変わったタイプの人間なのです。
結構真面目に聞いちゃったてへ。
まあそんなこんなで深よくない話開始から15分くらい経ったんですけど、2つ気づいたことがありました。
①話がおもろぅない!
②同じことばっか言うなぁさっきから!
と私の心の中の千鳥ノブがツッコミ始めるくらいには凄かったです。
話長いなこいつらと思いつつ、8~9割聞き流し携帯を弄っていると・・・
「悩みを全て解決してくれるところがあるんやけど」
あれ・・・?雰囲気変わってね・・・?
ユニコーンガンダム来ちゃう???
一連の伏線にようやく気づき、私はここで恐怖を抱き始めます。
これあかんやつや~!と。
私の中の千原ジュニアも同意し始めます。
「○○するだけで最高の人生になんねん」
「お前も幸せになるで、びっくりするで」
「たけのこの里よりきのこの山」
とかなんとか言ってたような気もしますが、焦ってなんも覚えていません。
どうにかこの場を離れなきゃと思い
「このあと用事あるんで」とか言ってみても「すぐ終わるで」の一点張り。
そういやなんでこの兄ちゃん関西弁なんだろう。
どう頑張ってもこの場を離れることができる雰囲気ではないのです。
やばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばい
私の脳内が「やばい」の字幕で埋め尽くされていきます。
慌てふためいてるうちに、なにやら本拠地に向かう流れになっていました。こんな勧誘しかできない宗教が総本山とか言ってると少し面白いです。
こうなったら逃げるしかねえ!
私の中に逃走中のBGMが流れ始めます。
90秒後、ハンターから逃げ切れるのか?と男前なボイスが聞こえた気がしました。
しかし、いきなり逃げれる訳もない。
そう考えた私はトイレに行ってくると嘘をつくことにしたのです。
人間、危機が迫ると頭の回転が早くなるらしいですが本当でした。
・・・こいつらついてくるやんけ!!!!!
オイオイオイオイ
こいつら俺より頭の回転が早いだと?
絶望でした。絶体絶命のピンチ。連れション文化をここで恨むことになるとは。
周りに助けを求めようも、兄ちゃんと私は傍から見れば完全に友人の集まり。
助けて!!!と言っても罰ゲームに負けたんだなで終わりです。
負けました。
命がなくなることを確信していました。
・・・フードコートを出た瞬間までは。
フードコートを出ると遠目に警備服を着た警官の姿が見える!!!
ハンターに追われているときに自首電話ボックスを見つけたあの感覚です。
ここで命を落とす訳には行かない。
人間、希死念慮を抱えていようと三途の川が目前に迫ると死ぬのは怖いらしい。
そう思い全力で警官の元へ走って逃げます。
私「助けてください!!!不審者が!!!」
警官らしき人「??????????」
(37226727373224372秒間の沈黙)
警官らしき人「逃げれば?」
私の脳内「(逃げれば?逃げれば?逃げれば?逃げれば?逃げれば?逃げれば?逃げれば?)」
私「??????????????????????????????」
私の脳内を埋めつくしていた「やばい」が、「逃げれば?」に一瞬で切り替わっていきます。
えっ、今逃げれば?って言った?
えっ、警官って助けてくれないの。
えっ、人生ってそういうもん?
自首電話ボックスは目の前で崩れ落ちることがあるらしいので、逃走中に出演する皆様はご注意下さい。
頭に大量のクエスチョンマークを抱えつつも、ハンターは一刻と迫っています。
私は100m0.1秒の俊足で千葉の大通りを駆け抜けます。
街ゆく陸上部の監督からスカウトが来てたに違いないでしょう。
だいぶ遠くに連れてかれたのでフードコートから駅まで歩いて10-15分ほどの距離でした。
駅まで何も考えず、陸上競技界のスカウトすら振り切り、千葉ロッテマリーンズの代走スカウトには一瞬止まりそうになりつつも、ひたすら走りました。
後ろを振り返るとハンターはもう見えません。
逃走成功!!!108万円!!!
「逃げれば?」の字幕の隙間からうっすらと逃走成功が浮かび上がった気がします。
自尊心から手厚い祝福を浴びました。
警官のおっちゃん、俺、逃げたよ。
今すぐ殴りに戻りたいですが、ヤツらが怖いので悔しくも断念。
時は現代に戻り、就活間近の今になってもこの恐怖は忘れられません。
・世の中には楽しいことを利用した危ない人がいること
・常に自己を貫くこと
当たり前のことかもしれません。
もしかしたら、兄ちゃん達もただ宗教に勧誘したかっただけかもしれません。
それでも、あと1cm自分の心が底に近づいていたら・・・
人生なんてどうでもいいから宗教でもなんでもいいって思ってしまっていたら・・・
今の私はどうなっていたか想像もつきません。
勿論、こんなストレス社会です。
気分が沈んだり、メンがヘラることだって日常茶飯事です。
ですが、残念なことに弱っているときにこそ悪いことはやってきます。
心が弱っている時は悪いものを引き寄せやすいとかよく聞きますがどうやら本当みたいです。
そのためにも自分を決して曲げないことは日頃から貫いていかなければなと感じさせられました。
悪いこと・危ないこと・違うと思ったことには抵抗する。
抵抗するということには戦うことも疑問を投げかけることも含まれます。勿論、逃げるが勝ちでもあります。
常にこのような姿勢を保っていないと、いざ弱って襲われた時に太刀打ちできないような気がします。
幸い、私は当時から世間に疑問を投げかけることが多く、多少気の強い性格でした。
「なんで陰口言うんだろ?」、「憲法改正は悪いことなの?」、「お母さんそれは違くない?」、「兄ちゃんたけのこの里一択だろ」、と。
自分の嫌いなところは死ぬほどあるけど、こんな性格だけは褒めてあげれるかなって宗教勧誘されて感じました。
宗教勧誘で感じたくはなかったけどな。
いくら死にたくなっても、悪い人に踊らされて死ぬのは御免です。
警官だって当てになりません。友人だって当てにならないかもしれません。
結局は自分です。
自己忠誠心、大切にしていきたいですね。
一方、逃走成功した私はハンターと逆方向にポケモンGOをしに行きましたとさ。
懲りないな、コイツ。
でも、生きててよかったね。
以上、嘘のような本当のような本当の話。
ご清読ありがとうございました。
おわり