誰かしらの記憶に残る人間
私の人生において、影響力があった人を思い浮かべた。その人は美容師さんで、2年程前までお世話になっていた。私が学生の頃に出会ってから、その人が自分のお店を持って拠点を変えるまで、5年以上の付き合いだった。
第一印象は、きっと最悪だったと思うくらいに、私の態度が悪かった自覚がある。学生だった私は、初めてお世話になるその美容師さんに、何かと無理難題の注文をお願いした記憶がある。それでも、その注文を受け入れてくれた人だったので、私は2回目、3回目と予約するようになった。回数を重ねるにつれ、これまでに点々としていた私の知る美容師さんとの違いを感じるようになった。『私が美容院に通う頻度』や『私が自宅で行うヘアケア』に対する若干【押し付けに感じる発言には聞こえない】印象を持った。また、私の希望に沿う提案や、私が自宅でも可能なヘアケア技術、比較的安価なヘアケア剤など、【私に合った形】で【私が意欲的にやりたいと思うこと】を沢山教えてもらった。
更に回数を重ねれば、その時々の仕事の話や友達の話、彼氏の話をした記憶もあるし、反対に、その美容師さんの身内話や夢の話を聞く機会もあった。そんな話をするようになって、初めて『この人素敵だな』と思う瞬間があった。それが、『自分のお店を持つこと、お嫁さんと2人で叶えること』を、【現実的に夢見て聞かせてもらった時】だった。当時の年齢は忘れたけれど、本人が20代後半の頃の話。聞くと、年齢的には『私と3つしか違わなかった』のも驚きだった。『私と3つしか年齢的に変わらない人』が、【自分の夢に向かって現実的に前進している姿】を目の当たりにして、『純粋に輝いている1人の人間』に見えたのだった。
その美容師さんは、『自分が自分の夢を追って生きてきた』ように、夢見る学生や若者・未来ある子供達に【馳せる気持ちの強さ】を感じたことも多々あった。例えば、『自分のやりたいことを親に認められず、親の意向で分野の異なる学校へ進学した』お客さんの話とか。(私が話す内容も、当時はきっと、もしかしたら親を中心に話すことがあったのかな？とも振り返る。)
そんなお客さんに対する美容師さんの考え方は、『自分の子供と置き換えて考えるなら、子供の人生なんだから子供がやりたいことを尊重したい』って話だった。当時の私の周りには、そんな考え方の持ち主は少なかったし、むしろ【親の言う通りに生きるのが子の生き方】に近い感覚だった。だから、余計に美容師さんの考え方が新鮮で印象的だった記憶が、今でも強く残っている。
そんな美容師さんにお世話になる中、私は旦那と付き合い始め、旦那に絡む話をした記憶もある。また、そんな時、美容師さんは自分の夢に向かって段階的に拠点を移しつつあった。それでも、通えるうちは通った。しかし、本格的にオープンする頃には、拠点が遠くなることを数ヶ月前のタイミングで明確に知った。そして私は、丁度そのタイミングで同棲の話があった。そのため、私の拠点も変わることも相まって、今後は、『旦那と同じ美容院でお世話になること』を自分で決めた。
今の美容師さんは、今の美容師さんの良さを私なりに感じて満足している。ただ、そんな中、フォトウェディングを現実的に考えるようになった今。『髪の色を染めるなら前の美容師さんとこにお世話になろうかな？』と思う気持ちになった。結構本気で考えたけど、元々地毛で過ごしている私には現実的ではないなと思っている。そのため、本人に直接的な連絡を取る予定は今もない。
けれど、私が今回の投稿で伝えたいのは、【人の心に残る】とか【印象に残る】とか【自分の周りの人とは何か違うポジティブな印象を持つ】とか、そういうこと。また、【本人がいない話題の中でもどこかの会話に名前が挙がる】みたいな人。私は、『そんな人間になってみたいな』って思えた瞬間だった。だって、つまりはそれは、【自分以外の人達の記憶の中で生き続ける】みたいな事なのかな？って思ったから。それに、いつかまた、【お互いに自分の人生】を生きていれば、『どこかで交わる未来があるかもしれない』って思えるし、それが『活力になる！みたいなこともあるんだろうな』って、ふと思ったから。
正直、【もう会うことはない】し、【会う理由】もないけれど、【過去の記憶】として『生き続ける』素敵な人。学校の先生とかも、似たようなイメージなのかな？なんて感覚にもなる。学生時代の同級生達も。【私にとっての素敵な印象】を持ち合わせた【何か少し違う人達】は、『いつの時代も誰かしらいた』記憶はある。私も、これからの人生、【ありのままの自分】で、【誰かしらの記憶に残る人間】として生きられたら素敵だなって初めて思った。
私に、【夢】と【自分らしさ】を教えてくれた素敵な美容師さん。その美容師さんとの会話の中でも触れた【ブログ】が、『今の私の日常にある』っていう不思議な感覚もある。もちろん、私のブログの存在を知る由もないだろうと思うけれど。
ただ、私は、その美容師さんは自分のお店の発信やPR動画を度々公開しているのを見ることはある。見るだけだけど、きっと慣れないことでも、一生懸命日々模索して頑張っているんだろうなって思う。今在るお客さんや大切な人達の中で【自分がなりたい美容師】を『追い求めて活躍しているんだろうな』って陰ながら思っている。